建築写真向けアクセサリー「LensTRUE System」とは何か?

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マウントアダプターで有名な近代インターナショナルが、ドイツOBO社のLensTRUE Systemを6月中旬に発売するとのこと。

LensTRUE Systemというのが何かと言うと、建築写真などで建物を下から写すと上すぼまりにパースが付いてしまう現象を回避するための物で、従来ですと、



■従来方式のデメリット


1.アオリレンズを使う
2.Photoshopなどレタッチソフトでパースを修正する

のどちらかの方法が一般的でした。
しかしこれらの方法にはデメリットもあります。

1.の「アオリレンズを使う」に関しては、非常に高価で、

・Nikon/PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED
・Canon/TS-E24mm F3.5L II

となっています。また、操作そのものがある程度の知識が必要であり、マニュアルフォーカスのレンズになっています。三脚に設置して、カメラマンが精密な操作を行いながら撮影するというのが基本的な使い方です。

対して2.の「Photoshopなどレタッチソフトでパースを修正する」は、例えばPhotoshop+Lightroomのフォトグラフィプランなどは月額1,000円程度のコストで使うことが出来ますが、こちらはパースの調整が撮影アングルが変わる度に手作業で一枚一枚行わなければならず、不動産など大量に撮影する場合には時間と人件費が多くかかってしまいます。

 

■LensTRUE Systemの原理


そこで、LensTRUE Systemですが、カメラのシンクロ端子からケーブルをLensTRUE meterと呼ばれる機器につなげますLensTRUE meterはカメラ底部のカメラネジに固定します。

LT_14_meter_1100xこれがLensTRUE meter

 

 

 

 

LT_1a_1100xそれをシンクロ接点とカメラボディに
こう繋げます。

 

 

 

 

これでどうなるかと申しますと、シンクロ接点によって撮影時間を記録します。それと同時に角度をLensTRUE meterで記録するわけです。

附属のUSBケーブルでLensTRUE meterをPCにつなぐと、LensTRUE Visualizerと呼ばれるLensTRUE Systemに同梱のソフトが立ち上がり、PCに画像を取り込んだ画像と撮影日時とマッチングを行い、自動でパースの補正を行います。

LT_Krahn_original_1100x LT_Krahn_neu_1100x

 

■LensTRUE Systemのメリット


普通の撮影を行えば後はLensTRUE Visualizerが適切な補正を行ってくれるので、アオリレンズ特有の操作が必要なく、勿論AFやズームレンズを使った撮影が可能になります。

また、一枚一枚パース補正を行うレタッチソフトと比べて、大量の撮影も素早くバラツキがなくなるというメリットがあります。レタッチソフトは画像を判断して補正しますが、LensTRUE Systemは加速度センサーで撮影時のカメラの傾きを記録していますから、補正のミスが殆どないこともメリットになります。

LensTRUE Systemの利点をまとめると、

1.AFや手振れ補正機能を備えたレンズが使える。
2.一般的な単焦点レンズ・ズームレンズが使える。
3.自動で大量の補正が短時間で行える。
4.複雑な撮影が必要なく、また三脚も不要です。
5. 加速度センサーによる補正でより正確に補正する。

 

■LensTRUE Systemのデメリット


良いこと尽くめのLensTRUE Systemに見えますが欠点も幾つかあります。

1.値段が高い。35mm用が税別15万6,000円、中判デジタル用が税別19万円。
2.対応OSがMac OS X。
3.対応カメラ&レンズが限られる。

 

■LensTRUE System対応レンズ


2015/06/10現在の対応カメラ&レンズ

■カメラ
Canon 5D Mark II、5D Mark III、6D、1D X
Nikon D810、D800、D800E、D4、Df、D750、D610
SONY SLT-A99V
PENTAX 645D(※M-Version が必要)

■レンズ
Canon
EF 14mm F2.8L II USM
EF 20mm F2.8 USM
EF 24mm F2.8 IS USM
EF 24mm F1.4L USM
EF 28mm F2.8 IS USM
EF 35mm F2.0 IS USM
EF 35mm F1.4L USM
EF 50mm F1.4 USM
EF 85mm F1.2L USM
EF 85mm F1.8 USM
EF 100mm F2.0 USM
EF 100mm F2.8L IS Macro USM
EF 135mm F2L USM
EF 180mm F3.5L Macro

EF 11-24mm F4L USM
EF 16-35mm F2.8L II SUM
EF 24-70mm F2.8L II USM
EF 24-70mm F4L IS USM
EF 70-200mm F2.8L IS USM
EF 70-200mm F4L IS USM
TS-E 17mm F4L
TS-E 90mm F2.8

Zeiss
Distagon T 15mm F2.8
Distagon T 35mm F2.0
Planar T 50mm F1.4
Planar T 100mm F2.0 Macro
Apo Sonnar T 2/135

Nikon
AF-S Nikkor 16-35mm f/4G ED VR
AF-S Nikkor 24-70mm  f/2.8G ED
AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

SONY
Carl Zeiss Vario-Sonnar T 24-70mm F2.8 ZA SSM

PENTAX
DA 645 28-45mm F4.5 ED AW SR
FA 645 35 mm F3.5 AL
D FA 645 55 mm F2.8 AL SDM AW
FA 645 Macro 120 mm F4
FA 645 150 mm F2.8

 

■まとめ 〜素早く強力に〜


メリットもデメリットもあるLensTRUE Systemですが、大量にパース補正を行う不動産関係の撮影や都市風景写真家の方にはメリットがありそうな面白いシステムだと思います。また、建築物だけではなく、物撮りなどにも生かせそうです。

LT_19_Audi_1100x LT_20_Audi_1100x

 

画像:JOBO

Reported by 山崎將方



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