ホントに分かるライティング[1]光源の種類と特徴

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こんにちは、LED山﨑です。
撮影用ライトには色々な種類の光源が用いられますが、今日はそれらの長所や短所をご紹介していきたいと思います。

ホントに分かるライティング01

適材適所がありますので、これからライティングを覚えたい方も、既にスタジオライティング等を行っているが理解を深めたい方も、皆々様お立ち寄り下さいませ。



■瞬間光と定常光


まず先に覚えて頂きたいのは、撮影のライティングに使われる光源は大きく分けて二つにあるということです。

・瞬間光/瞬間光を放つ光源
・定常光/一定の明るさで連続的に光を放ち続ける光源

つまり、ライティングの光源には、雷のように一瞬だけ発光するタイプと、太陽のように光り続けるタイプの2種類があるということです。

この2つは被写体や撮影方法の向き不向きなどがあり、これらを使い分ける訳です。
細かい特徴はこのあと解説しますが、まずザックリと言いますと、瞬間光=写真撮影、定常光=写真&動画撮影という事が挙げられます。
瞬間光はスチール撮影で使用し、定常光はスチール撮影でもビデオ撮影でもライティングに使用します。

ではまずその2つの発光のタイプの中に、どのような光源があるかということですが、

・瞬間光(キセノン管)
・定常光(タングステンランプ、ハロゲンランプ、蛍光管、HMI、LED)

主にこのような種類があります。
もっと特殊な光源もあるのですが、現在現実的に写真撮影に使われる事のある人工光源は概ねこのような種類です。

では、これらの長所と短所を個別に解説していきます。チェキラ!

 

■キセノン管 ~スチールの王道~


クリップオンストロボ、モノブロックストロボ、フラッシュヘッドなどの発光管に用いられます。強力な閃光を放ち写真撮影用のライティングとして現在最もオーソドックスなタイプです。

SB910

長所
一瞬だけ光るため、充電池を使用するタイプでも発光量を稼ぐことができます。そのためバッテリー駆動のタイプであれば、電源の取れない屋外のロケにも使用できます。

演色性も良く、色温度も発光量に関係なく(ある程度は)安定しており、現在もライティングの主役で在り続けるだけのことはあります。

さまざまなアクセサリーによって光の質を変えられるため、あらゆるスチール撮影の現場で活躍しています。

短所
閃光であるため動画撮影には使えません。
また光った瞬間のライトの当たり方を予測してライティングを組む必要があり、ライティングの経験が無いと、発光→修正のトライアンドエラーでライティングを組んでいく必要があるため多少の難易度があります。

発光回数にも制限があり、約10,000~20,000万回程度と言われています。多いように感じるかも知れませんが、毎回フル発光を1回で500~1,000ショット撮影するブライダルカメラマンのような方だと、クリップオンストロボはたった20~30回程度の撮影で理論的には限界に達する為、人によっては数ヶ月程度で修理に出す羽目になります。

モノブロックやフラッシュヘッドはそこまでのショット数を必要とする撮影はあまり無いためそれほど頻繁に切れるということはありません。

 

■タングステンランプ ~人工光源の出発点~


タングステンランプは、暖色系の光を放つ定常光で、ハロゲンランプと呼ばれるものもタングステンランプの一種です。
現在ではメインライトで使われることは少なくなりましたが、モデリングランプとして使われています。

画像はアイランプとか写真用レフランプと呼ばれているものですが、ストロボヘッドなどにモデリングランプとして使われるタングステンランプやハロゲンランプはもっと小型となります。

写真用レフランプ

長所
扱いが容易で、キセノン管に比べると交換にも神経を使わず家電量販店でも電球が手に入る入手性の良さも特徴です。
バラスト(安定器)や冷却ファンなどが不要なため、機材そのものが軽くなるのも特徴です。

短所
定常光であるためキセノン管ほど発光量は多くなく、また発光量を落とすと色温度が低くなります。そのため撮影時にWB(ホワイトバランス)を設定しても、光量を調節すると色温度が変わってしまう部分があります。

また、蛍光灯やLEDと比べると、単価が高い割に寿命が短いことが挙げられます。

 

■ハロゲンランプ ~蒸着!エコじゃないエコ電球~


タングステンランプの長寿命化を狙ってハロゲンガスを封入したものがハロゲンランプとなります。タングステンと比べて若干色温度が高いです。とは言え太陽光や蛍光灯と比べれば低いので、他光源と併用するのには向いていません。

タングステンランプの一種で、勿論こちらもタングステンランプ同様モデリングランプとしても活躍しています。
物によってはハロゲンランプ単体で本格的なライティングが組めるようにモノブロックストロボのタイプもあります。

Halogen

長所
演色性に優れ、人物の肌色描写に最適と言われています。
また、ハロゲンサイクルによってフィラメントが長持ちし、また寿命末期まで光量や色温度の変化が少ないという長所があります。

短所
タングステンより価格が高いです。その他の短所はタングステンと同じです。


豆知識! ~手の油でガラスは割れる?~

よくフラッシュチューブ(Xe放電管)の話で、「表面に皮脂がついてしまうと点灯時に破損するので手袋を使って交換する」と言われていますが本当でしょうか?

現実的には、手の皮脂が原因で破損することはまずないようです。
手の皮脂程度で輝度が下がるというのもありえないでしょう。

ただ、感電予防やうっかり力で割ってしまうのを防ぐという意味では、作業中安全のために手袋をして作業をするのは良いことだと言えます。触れることにそこまで神経質になる必要はありませんが、交換時は丁寧に作業を行いましょう。

手の皮脂がついてしまった場合、気になるようならメガネ拭きなどでサッと拭いておけば十分です(もちろん、使用後熱くなっているときは避けましょう)。
無水エタノールで拭くというのも良し悪しで、点灯後の熱くなっている状態で無水エタノールを吹き付けたりするとそれこそ破損の原因になります。使用直後のメンテナンスは避けましょう。

 

■蛍光管 ~安価で扱い易い定常光~


一般的な室内照明にも使われる写真用光源としてはもっとも身近な光源と言えるかもしれません。
撮影で使用する際は、色温度が日中の太陽光に近い昼白色の写真用の蛍光灯を選んでください。

蛍光灯

長所
タングステンと比べて熱を持たず、ソフトな光源で、昔は写真館でも多用されました。演色性が高く、自然光とも馴染みがいいのが特徴です。

熱くなりにくいということは被写体のモデルさんもストレスを感じにくく、冷房費も抑えることができ撮影にはメリットとなることでしょう。

短所
一般室内用照明器具用などに使われる蛍光管は色かぶりや演色性、色温度が撮影に適さない場合も多いため、撮影用の蛍光管を使いましょう。

撮影用の蛍光灯ライティング機材は一般照明器具と比較すると割高に感じるかもしれませんが、光の質が違うので家庭用照明器具を撮影用として代用するのはオススメしません。

 

■HMI ~定常光の王様~


主に映画やテレビ番組といった業務での動画撮影用として強力な定常光が得られるのが、HMI(メタルハライドランプ)です。
大型のものは非常に高価ですが、小さな太陽と言っても良いほど強力な光源となります。

HMI

長所
一般的に定常光の光源はその光量が弱く、そのため静止画である写真撮影では瞬間光のストロボを使用するケースが多くなります。

しかしながらHMIランプは大型ストロボと同等あるいはそれ以上の発光量を誇る定常光であるため、スチールでもムービーでも使用することが出来き、かつ強力な光源となります。

色温度や演色性にも問題がなく「設置してしまえば」現状では最強の光源と言っても過言ではありません。

短所
まずひとつに価格の問題があります。
HMIランプは非常に高価です。最近はモノブロックストロボのように小型なものも出ていますが、それでも価格は同等クラスのモノブロックストロボの2~3倍程度します。
更にバラストと呼ばれる安定器が別途必要になります。

安定まで多少の時間を必要としたり電源の確保など、外ロケや設置や撤収を速やかに行う必要がある撮影では使いにくく、テレビや映画といった大人数のスタッフでなければ運用は難しいでしょう。
個人で使う場合は自前のスタジオでムービー撮影等に適しています。

 

■LED ~未来を担う期待の超新星~


LEDそのものについては皆さんも十分ご存知だと思いますが、改めてライティング機材としてのLEDという観点から見ても非常に優れた特性を数多く持っています。

HMIを使用するほどの大規模な撮影でないかぎり、定常光タイプの主役はLEDが主流になっていくような気がします。

LED

長所
まずは省電力であること。つまりバッテリー駆動が可能になるため、電源問題から開放され設置の簡便さも相まって、出張撮影や外ロケでの利便性に繋がります。

次に光量が安定していること。蛍光管は電源を入れた直後は薄暗く、温度上昇とともに明るくなっていきます。つまり点灯させた直後と5分後では明るさが大きく違ってしまうという問題があります。

LEDは点灯直後から100%点灯が行えますのでその点でも素早い撮影が行えます。
また、LEDも基板部分は熱を持つのですが、発光部や光そのものは非常に低温であるため、ディフューズする際の焦げ付きや被写体の温度上昇を無視することが出来るという気楽さもあります。

また電球切れの心配がないため安心感があります。
勿論機材は壊れることもあるので絶対安心という訳ではありませんが、発光管の寿命で突然使えなくなるという事が起きた際、クリップオンストロボ位ならサブを持っていけますが、ロケや出張撮影でモノブロックストロボが切れたら大事です。

発光管を交換すればいいだけでは?と思われるかもしれません。
一度組み上げたライティングを、発光管を交換するためにディフューザーやライトシェーピングツールを取り外し、更にもう一度組み上げるのはそれなりの時間と労力がかかります。
その間モデルさんは待たされ、撮影はどんどん押していくことになります。

短所
まず発光量が弱い点が挙げられます。
最近は高輝度タイプも更に明るさを上げており、高級機では小型モノブロックストロボに匹敵するような発光量のものも出てきていますが、それでもジェネレータータイプやHMIランプにはまだまだ敵いません。

この辺の課題が克服されればLEDライティングは更に活躍の幅を増やしていくのではないかと思います。

 

■まとめ


という訳で、今回はライティングの基本となる「光源の種類と特徴」について解説させて頂きました。
ライティング機材の種類と特徴についてはまた後日記事を書ければと思いますが、今回はまずライティング機材に使われている光源毎の違いについてのお話でした。では!

 

画像:Profoto,Manfrotto,Panasonic,Nikon

Reported by 山崎將方



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