ホントに分かるライティング[2]機材の種類と特徴

こんにちは。真夏の果実、ブリリアントです。
前回はホントに分かるライティング[1]光源の種類と特徴を解説しましたが、今回はさまざまなライティング機材について解説していきたいと思います。

ホントに分かるライティング2

適材適所がありますので、これからライティングを覚えたい方も、既にスタジオライティング等を行っているが理解を深めたい方も、皆々様お立ち寄り下さいませ。

まず今回ご紹介するライティング機材のメニューはこちら!

・クリップオンストロボ
・バンクライト(蛍光管タイプ)
・モノブロックストロボ
・ジェネレーター+フラッシュヘッド
・HMI+バラスト

これらの特徴を解説出来ればと思います。



■クリップオンストボ ~最も手軽な灯体~


一番なじみのあるライティング機材ではないでしょうか?
最初から大型ライティングに挑戦するのも勿論良いことだと思いますが、いきなり高額な機材を買うのが不安であれば、クリップオンストロから始めるのもオススメです。

クリップオンストロボは初心者からプロまで使われる機材で、例え大型ストロボを使うようになってもこの先持っていて損はありません。

クリップオンストロボ購入の際には、可能な限り「現行品の中から上位機種」を選んで下さい。安いから、軽いから、プロじゃないから、といったような理由で下位モデルを選ばないで下さい。

必要なストロボがどの程度かはカメラマンの腕ではなく撮影環境や撮影スタイルによります。アマチュアだから小さいストロボで十分ということではないので、適切なストロボが分からなければ尚更上位機を選んで下さい。

600EXRT

長所
何と言っても安い。ライティング機材としてはお手頃価格。特に最近は中韓のメーカーから高性能と低価格を両立したモデルも出ており、勿論TTL調光出来るので狙い目です。

次に軽い!モノブロックストロボやフラッシュヘッド+ジェネレーターのような大型ストロボを、手持ちで撮影に持っていくのは仕事以外では現実的ではありません。
クリップオンストボならカメラバッグに1~2灯入れても大した苦ではないはず。+ライトスタンドや軽量三脚とアンブレラを持ち出せば、外でもライティング撮影を行えます。それもカメラマン1人で。

小型だから大したライティングが出来ないのかというとそうではありません。ライティング技術はクリップオンストロボでも大型ストロボでもかなりの部分が共通です。
アクセサリーや発光量の関係でクリップオンでは出来ないライティングもありますが、そういった撮影はそもそもが1人では機材を運搬できないケースや、スタジオでの撮影が殆どです。

そういった大掛かりなライティングは、外ロケなら何人ものスタッフが必要になるため機材はレンタルしても良いですし、スタジオ撮影ならスタジオ備え付けの機材を使えばいいだけです。
大概の貸しスタジオには、使用が無料・有料は別としても大型ストロボやアクセサリーが設備としてあります。

短所
発光量が最大の弱点と言えるでしょう。ディフューズしたり遠くから照射する場合には光量不足を感じることもあるでしょう。最近はGODOX WISTROシリーズのような小型のモノブロックに匹敵するような発光量もクリップオンストロボも発売されていますが、電源部と発光部が別であったりと、逆に携帯性が犠牲になる部分もあり難しいところです。

また通常クリップオンストロボは電源部を内蔵しているため、長時間のフル発光撮影ではバッテリー交換が必要になるという点もスタジオ撮影ではやや不便さを感じる場合もあるでしょう。

クリップオンストロボは持っていて無駄にならない最も軽量なライティング機材ですから、ぜひ1台、2台は所有しておきたいものです。

 

■バンクライト(蛍光管タイプ) ~柔らかい光を確実に~


ライティングで最初の一歩は光を柔らかくすること、その方法は幾つもありますが、バンクライトはその王道と言えるでしょう。

また蛍光管を使うため定常光のライティングとして使うことが出来ます。

LPL

長所
蛍光管やLEDを使用した定常光のタイプが多く、動画撮影にも使え、光の当たり方を確認しながらライティングできることも大きな特徴です。

多くの場合、発光部は蛍光管であるため、発光部の交換時も安価で手に入ります。

それほど大きな被写体でない場合や、柔らかい光で包みたいという場合は扱いやすく経済性にも優れるバンクライトはオススメです。

短所
フラッシュ光であるモノブロックストロボやフラッシュヘッドと比較して発光量が弱く、全身を照らす必要があるようなポートレート撮影や車のような大きな被写体、被写体から光源を離して照射したい場合などには向きません。

大きな物をバンクライト的に柔らかく光を当てるには、モノブロックストロボやフラッシュヘッドにソフトボックスを使って拡散する事でバンクライト的に使用することで解決出来ます。

バンクライトは複数の発光部の集合体である照明器具のため、最初から光が拡散しがちで、柔らかい光にするのは得意ですが硬い光を作るのは苦手です。
バンクライトに付けられるソフトタイプのグリット等も出てはいますが、ストロボ+グリッドほど硬質な光を作るのは難しい部分があり、またストロボにスヌートを使用したようなスポットを作るのも苦手です。

蛍光管のタイプは電源投入後すぐに100パーセント点灯しないため、電源投入時から数分間は光量が変化していきます。

色の問題もあり、一般的な電球型蛍光灯を入れてしまうと色温度や演色性に問題が生じますので、撮影用もしくは撮影に向いたの演色性の高い昼白色蛍光灯を入れ、多灯で使用する場合には同じもので統一して下さい。
LED電球を中身に使用する場合も同じです。


豆知識! ~バンクライトとソフトボックス、なにが違う?~

よく混同されがちなバンクライトとソフトボックスの違いについてご説明しますと、

・バンクライト→複数の発光部をもつ照明機材の名称
・ソフトボックス→拡散用ライティングアクセサリーの名称

簡潔に言いますとこうなります。

スタジオなどではゴチャゴチャに呼ばれることが多いこの二つですが、例えば、モノブロックストロボやフラッシュヘッドに拡散用に付けているこういったアクセサリーがありますよね?

softbox

これはバンクライトではなくソフトボックスです。
次の画像はどうでしょう?

broncolor

これもバンクライトではなく、ソフトボックスを取り付けたフラッシュヘッドです。

ではバンクライトとはなにか?と言いますと、蛍光灯やLEDが使われる事が多いのですが、複数の発光部分を持っている照明機材のことを指します。

banklight

これはバンクライトです。意外ですか?板状なのでライトパネルと呼ばれる場合もあります。勿論これに対応したソフトボックスやディフューズ用にトレペを使用しても構いません。

また「キノフロ」と呼んでいる方も良くおられますが、キノフロはLEDや蛍光灯のバンクライトを中心にライティング機材を発売している「メーカーの名前」であって、ライティング機材の名称ではありません。

キノフロ社は蛍光灯バンクライトメーカーとして有名であるため、「多分バンクライトのことを言いたいんだろうな」と察することは出来ますが、キノフロとバンクライトは同義ではありません。同じように「RIFA」も写真電気工業株式会社から発売されている蛍光灯ライティング機材の「シリーズ名」であるためお気をつけください。バンクライトは数多くのメーカーから発売されているため、バンクライトだからと言って、キノフロ社の製品とは限りませんし、またRIFAシリーズとも限らないというわけです。

バンクライトは電球形蛍光管が複数入ったものは日本でもよく見かけるかと思います。

バンクライト

これもバンクライトです。電球型蛍光管を使用したバンクライトにソフトボックスが付いているわけです。ややこしいですね。

ややこしいので、プロカメラマンでも明確に意識して使い分けている人は少ないと思います。そのためソフトボックスを付けた状態のモノブロックストロボやフラッシュヘッドさえバンクライトと呼んでいる現場も見かけます。

改めてまとめますと、

「バンクライトは複数の発光部分を持つ照明機材本体の名称」
「ソフトボックスは各種照明機材に取り付ける拡散用アクセサリーの名称」

のことを指します。

なので、発光部がむき出しでもバンクライトはバンクライトですし、ソフトボックスが付いていてもモノブロックストロボやフラッシュヘッドはバンクライトではありません。

言葉の定義に神経質になる必要はないと思いますから、スタッフ間でどのライトのことを言っているのかさえ通じればそれで構いませんが、ご参考までに。

 

■モノブロックストロボ 〜スタジオからロケまで〜


大型ストロボの定番といえばモノブロックストロボ。
最近ではバッテリータイプも登場し、スタジオから出張撮影、外ロケまで活躍しています。

電源部と発光部が一体となっているため単体での使用が可能です。
具体的な操作方法を知りたい方は、過去記事の超詳細!ゼロから学ぶモノブロックストロボの使い方!をご覧ください。

Profoto D1

長所
まずは発光量の大きさ。クリップオンストロボや蛍光管やLEDの定常光タイプよりも大きな光を出せるため、大きく拡散する必要がある人物ライティングや、外ロケなどで風景+人物のように遠くから発光させたい場合などでも有効です。

最近ではTTL調光やHSS(ハイスピードシンクロ)、無線によるリモートコントロールなども搭載した機種があり、大光量と取り回しの良さを両立したモデルも出てきています。

キセノン管を使用する機種が殆どですが、高輝度LEDなどを使用して動画にも対応可能な機種もあります。

またラィティングアクセサリーも豊富で、柔らかい光、硬い光、細い光、スポット光、背景を照らすなど、自在なラィティングが組めるため、ハイアマチュアから相当高度なラィティングを組むプロの現場まで活躍しています。

ジェネレーター+フラッシュヘッドと迷われる場合、私自身は3灯以上ならジェネレーターの方が楽だという考えでしたが、TTL調光によって

1.TTL調光であたりを付けて適正露出を出す。
2.バラツキがないようにマニュアル発光に切り替える。
3.必要であれば個別に発光量に補正を加える。

という操作を、無線リモコンでカメラ位置から一歩も動かず操作するというという事が出来るようになると、多灯ライティングでもモノブロックで良いではないかという気になっています。ジェネレーターにもバッテリータイプはありますが、当然モノブロックの方が総重量は格段に軽くなるため、外ロケや出張撮影でも使い易いという点も利点です。

短所
クリップオンストロボやフラッシュヘッドと比べて重いこと、高価なことなどが挙げられます。

また同じような大光量を出すフラッシュヘッド+ジェネレーターと比較した場合、モノブロックストロボは発光部に電源部が含まれるため、高い位置に設置するような場合は腕力と神経を使うという部分もあります。

全くスタジオから外に持ち出さないのであればフラッシュヘッド+ジェネレーターの方が良いでしょう。

 

■ジェネレーター+フラッシュヘッド 〜スタジオライティングの王道〜


スタジオでは定番の機材として君臨してきました。これから当分はメインとなるであろうラィティング機材、それがジェネレーター+フラッシュヘッドです。

電源部と発光部が一体となっているモノブロックストロボと違い、発光部であるフラッシュヘッドを電源部であるジェネレーターに接続して使用します。

Profoto D4

長所
モノブロックストロボと違って電源をジェネレーターで一括管理しているため、多灯ライティングの場合でもコンセントが灯数分必要になるといった事がありません。ジェネレーターさえコンセントに繋がっていれば良いわけです。

次に多灯ライティング時に調光が容易という事があります。
現在ではモノブロックストロボでも各灯をリモートコントロール出来る物が出てきましたが、多くのモノブロックストロボは現在も本体の調光バリエーターを操作することで調光を行います。
灯数が増えれば増えるほど発光部まで行って各灯を調光するのは煩わしくなりますし、高い位置に設置したりすると更に大変です。

ジェネレータータイプのフラッシュヘッドでは、ジェネレーターで各灯をまとめて管理していますので、多灯ライティングでも調光が容易です。
アシスタントと連携すれば無線調光のタイプでなくてもカメラ位置から各灯をコントロールすることが出来ます。

灯数が増えれば増えるほどモノブロックストロボよりもフラッシュヘッドの方が軽いため、ジェネレーターの重さが相殺されジェネレーター+フラッシュヘッドの方が使いやすくなります。

さまざまなライティングアクセサリーが使用出来るのはモノブロックストロボなどと同じですので、高度なライティングに挑戦したい方にも非常にオススメです。

短所
まず始めに価格。1灯でもフラッシュヘッド+ジェネレーターが必要になるため、灯数が少なくても高額な出費となります。

次に携帯性。重いです。重いということは簡単に持ち運べないため、バッテリータイプのジェネレーターもあるため屋外で使えない訳ではありませんが、外ロケや出張撮影では使い勝手が大きく落ちます。

そのためジェネレーター+フラッシュヘッドのシステムが最も活きるのはやはり自社スタジオなど、スタジオ備え付けのライティングとして使用する場合でしょう。そういった使用方法であれば今なお最強のライティング機材と言えるかもしれません。

 

■HMI ~定常光の王様~


スチール撮影のみならず、動画撮影用として強力な定常光が得られるのが、HMI(メタルハライドランプ)です。
大型のものは非常に高価ですが、小さな太陽と言っても良いほど強力な光源となります。

prodaylight-800

長所
一般的に定常光の光源はその光量が弱く、そのため静止画である写真撮影では瞬間光のストロボを使用するケースが多くなります。

しかしながらHMIランプは大型ストロボと同等あるいはそれ以上の発光量を誇る定常光であるため、スチールでもムービーでも使用することが出来き、かつ強力な光源となります。

色温度や演色性にも問題がなく「設置してしまえば」現状では最強の光源と言っても過言ではありません。

短所
まずひとつに価格の問題があります。
HMIランプは非常に高価です。最近はモノブロックストロボのように小型なものも出ていますが、それでも価格は同等クラスのモノブロックストロボの2~3倍程度します。
更にバラストと呼ばれる安定器が別途必要になります。

安定まで多少の時間を必要としたり電源の確保など、外ロケや設置や撤収を速やかに行う必要がある撮影では使いにくく、テレビや映画といった大人数のスタッフでなければ運用は難しいでしょう。
個人で使う場合は自前のスタジオでムービー撮影等に適しています。

 

■まとめ 〜今こそライティングにレッツチャレンジ!〜


ライティング機材には他にも種類がありその特徴は様々です。
ある条件下では素晴らしい性能を発揮する機材が、他の条件では使い物にならなかったりといった事もあります。

撮影に適した、ご自身のイメージを作るのに適した機材を選びつつ、新しい機材に挑戦していくことで新たな表現が見つかるかも知れませんよ!

 

画像引用:Profoto,LPL,Canon

Reported by 山崎將方