親指AFのメリットとデメリット!親指AFを使いこなしてジャスピンをものにしよう!

ブリリアント-ON山﨑です。

Nikon D4S

みなさんはAFをシーンに応じて使い分けていますか?今日は親指AFのメリットとデメリットについてご説明したいと思います。

親指AFはいつでも有効なわけではありませんが、適切な撮影シーンで使用することで強力な武器となります。親指AFと半押しAFの違い、それぞれのメリットとデメリットを理解して日頃から使い分けられるようになりましょう!



■親指AFってなーに?


通常カメラのAF(オートフォーカス)はシャッターボタンの半押しで動き、その後押し込んでレリーズします。

親指AFはカメラ背面のAF-ONボタンなどを押すことで合焦動作だけを切り離して行います。つまり、AF-ONボタンでピント合わせを行い、シャッターボタンはシャッターを切るだけの動作にするわけです。設定が必要ですが、親指AFではシャッターボタンではAFは動作せず、背面のAF-ONだけでピントを合わせを行います。

ちなみにNikon D810では下の写真の30番のAF-ONというボタンが親指AF用のボタンになります。

D810

 

Canon EOS 5DSの場合は5番がAF-ONボタンです。

EOS 5DS

■親指AFのメリットと使い所


さて親指AFですが、どういった場合に使うかと申しますと、主にスポーツ撮影などでコンティニュアスAF(ピントの位置を固定せずに、つねに焦点を合わせ続けるモード)で動体を追いかけ続ける際や、風景撮影などでピント合わせとレリーズを切り離したい場合に使用されます。まずは親指AFのメリットから見ていきましょう。

 

■メリット1 スポーツ撮影での親指AF


スポーツ撮影では連続してピントを合わせるコンティニュアスAF(AF-C)が使用されますが、シャッターボタンの半押し状態を長時間キープするのは慣れが必要で、親指AFであればAF-ONボタンを親指でカメラを握る動作として押し続けることが簡単に出来ます。

またフォーカスの動作とレリーズが分離して行われるため、ピントが完全に合っていなくてもレリーズすることが出来ます。そのためピント精度は落ちますが決定的な瞬間を逃しにくくなります。

ただし機種によっては完全に合焦していなくてもレリーズが切れる設定に出来るため、シャッターボタンの半押しであってもレリーズのタイミングを優先することは可能です。

 

■メリット2 風景撮影での親指AF


三脚を使用したゆっくりとした撮影などでは、構図とピントを合わせて、そのあと露出やホワイトバランスを変えながら何パターンか違う設定で撮るということが良く行われます。

その際にシャッターとAFが連動していると、露出やホワイトバランスを変えたいだけでピントや構図は変える必要がないにも関わらず毎回合焦動作が行われてしまいます。

これはシチュエーションによっては煩わしく、ピントはもう合わせてある状態で条件が揃うのを待っているような場合、例えば風景の中で電車が通過するのを待つケースや船が横切るのを待っているというような状況では、ピント位置は変えたくないのですが一時的に画面内にあわられる被写体にピントが引っ張られてしまったり、AFの動作がレリーズの前に入ってしまうため、構図上のベストなタイミングを逃してしまう場合があります。

そういったことを避けるために、親指AFに設定することでAF動作とレリーズの動作を切り分けておけば、シャッターボタンを押した際にAFが動かないのでタイミングを逃さない撮影が可能です。

ただし、三脚を使用しピント位置を固定にしたい場合には、必ずしも親指AFである必要はなく、MF(マニュアルフォーカス)やAFロックボタンで事前に合わせておけば良いという考え方もあります。

 

■親指AFのデメリット


親指AFはシチュエーションによっては便利なものですが、プロカメラマンの場合スポーツ系の人は親指AFが多数派です。逆にそれ以外のジャンルのカメラマンは親指AFは少数派です。なぜでしょうか?次に親指AFのデメリットをご説明します。

 

■デメリット1 カメラをホールドしにくい


まずもって親指AF用ボタンの位置自体が自然にカメラを握った位置とは微妙に違う場所にあります。専用のAF-ONボタンがある機種ですらやはり本来の親指を置く位置とは微妙にズレています。

逆にそうしなければカメラを握った際に必ずAF-ONボタンを押してしまうため、メーカー側は本来のグリップ位置から少しずらした場所にAF-ONボタンを配置しています。

しっかりと握ろうとした場合、多少なりとも本来の親指の置き場からズレてしまうということがデメリットの一つですが、気にならないという人も当然おられるでしょうからこの辺は個人差があります。

 

■デメリット2 測距点位置の移動が面倒になる


フォーカスエリアをカメラに丸投げするようなスピード重視の撮影では良いのですが、ポートレートのような目にピントを合わせたい、被写体のこの位置に確実にフォーカスして欲しいという場合、親指AFでは測距点位置の変更が煩わしい場合があります。

Nikon機の場合はサブセレクターやマルチセレクター、Canon機の場合はメインコマンドダイヤルかマルチコントローラーで測距点を選択するのですが、親指AFにしてしまうと測距点選択を行ったのち、再度AF-ONボタンを押さなければなりません。

測距点選択(親指)→AF動作(親指)→レリーズ(人差し指)

という操作が増えてしまうわけです。半押しAFの場合は測距点選択→レリーズすれば良いだけなので2行程で済み、また測距点を選択している間レリーズボタンに人差し指を置いておくことが可能です。ところが親指AFだと、親指で測距点選択したのち再び親指を使ってAF-ONをしなけらばならないわけです。

メインコマンドダイヤルで測距点選択する場合もやはりシャッターボタンから指を一旦離す必要があるため、同じく測距点選択(人差し指)、AF動作(親指)、レリーズ(人差し指)の3行程が必要になります。

親指AFは測距点選択との相性が悪いことも親指AFのデメリットとなります。

 

■デメリット3 ブレやすくなる


シャッターボタンを押し込んでレリーズを行う際、親指AFでは既にAFが合焦しているため半押しの動作が必要ありません。そのため多くの人は親指AF時はシャッターボタンをいきなり全押ししてしまいます。

本来レリーズはそっと押す方が当然ブレにくいのですが、親指AFを使用すると、親指でAFは駆動しているので、レリーズボタンの半押しという行程が必要ないため、「そっとシャッターを切る」という意識が薄れ、一気に押し込んでしまい、結果微ブレを誘発してしまうという訳です。

逆に言えば親指AFであってもレリーズは静かに切らなければなりません。

 

■まとめ 〜親指AFと半押しAFは使い分け〜


ちなみに2009年のデジカメwatchの「親指AFを使っていますか」というアンケートによると、親指AFを使ったことがある人(1091人)、使っていない人(1064人)の比率はどちらも50パーセント程度でした。

回答されている方の多くはアマチュアカメラマンでしょうから、プロカメラマンだとスポーツカメラマン以外は親指AFをあまり使用しないため、恐らく7(半押しAF):3(親指AF)程度になるのではないかという気がします。

親指AF

選択項目 投票数 比率
使っている 1,091 50.6%
使っていない 1,064 49.4%
合計 2,155 100%

親指AFと半押しAFには、どちらにもメリットとデメリットがあるため、一概にどちらが良いとは言い切れません。

被写体やシチュエーションに応じて使い分けて頂ければと思いますが、必ずしもどちらかの方式にこだわる必要はないですし、極論「慣れている方がおすすめ」とも言えます。

AF動作にはそれ以外にも様々な設定があり、かなり細かなカスタマイズを行える機種もあります。この機会にぜひお持ちのカメラのフォーカス方式を見直してみるのも良いと思います。

 

画像引用:Nikon,Canon,デジカメwatch

Reported by 山崎將方