ジンバル雲台やビデオ雲台で超望遠レンズを使おう!

ZENELLI CARBON-ZX

今日はジンバル雲台のお話です。ご存知のようにジンバル雲台はブランコのような形をしており、野鳥撮影や航空機などの撮影で大きく重い超望遠レンズをスムーズに操作するための雲台として利用されることが多い機材です。

果たしてジンバル雲台の魅力とはなんなのか!?今その核心に迫ります!加えて最近流行りのビデオ雲台もご紹介します。



■ジンバル雲台を使う意味


ジンバル雲台は主に超望遠レンズなどで使用されます。超望遠レンズは重量があるため、一般的な3way雲台や自由雲台だとロックを緩めて向きを変える際に強い力が必要で、微調整も難しいためです。

また固定力や耐加重の問題でレンズの重量に雲台の固定力が負けてレンズが自重で傾ぐ場合があり、通常の雲台では運用が難しいというのが理由です。

対してジンバル雲台はブランコのような形状をしており、レンズの重量をヤジロベエのようにバランスをとることで軽い力で動かすことが可能になっています。

 

■ジンバル雲台 vs ビデオ雲台


最近は超望遠レンズを載せる雲台としてビデオ雲台が使用されることもあります。ビデオ雲台はカウンターバランスやトルクを設定でき、滑らかさや傾けても定位置に戻ってくるような操作性においてジンバル雲台に勝る部分も多々あります。

ではジンバル雲台の魅力とは何かというと、一つはスピーディーな動きがあります。ビデオ雲台ではトルクやカウンターバランスを切ってしまうとレンズの重量で倒れこんでしまいます。

そうならないためにカウンターバランスやトルクを調整して調節するわけですが、そのためにレンズを振り回す際にある程度の抵抗感や反力が生じます。

対してジンバル雲台は動作が軽いため飛翔している野鳥などレンズの素早い振りが必要な場合に適しています。動きの少ない野鳥などはビデオ雲台が使いやすく、素早い被写体を追いかけるのはジンバル雲台が向いていると言われています。

滑らかな操作感や安定感という点ではビデオ雲台が勝りますので、滑らかさを求める方にはビデオ雲台がオススメです。

ビデオ雲台であればsachtler FSB 8が定番で今のところスチール撮影で超望遠レンズを使用するのであればこれ以上のものはないと言っても良いでしょうから、400mm/F2.8、500mm/F4.0、600mm/F4.0、800mm/F5.6などをお使いであれば、sachtler FSB 8(スナップ&ゴー)を買っておけば間違いありません。

安いビデオ雲台は動きが渋かったりカウンターバランスが弱いので超望遠レンズでバランスがしっかりととれずレンズが傾ぐ場合があります。FSB 8は800mm/F5.6クラスの望遠レンズでもしっかりとバランスをとれ、かつセッティングがしやすく超望遠レンズを使用される方の定番となっています。

FSB 8を使用する場合、ジッツオのGT5532S(システマティック三脚)+GS5321V75(ボールアダプター)などを使用して下さい。FSB 8のような本格的なビデオ雲台は水平をとるために下部がボール状になっており、一般的な三脚には取り付けられませんのでご注意ください。

Sachtler FSB 8

sachtler FSB8

Gitzo GT5532S

gitzo systematic

GS5321V75

GS5321V75

 

■サイドマウントジンバル雲台の構造と特徴


さて、ジンバル雲台にはまず大きく分けて二つのタイプがあります。それがトップマウントとサイドマウントです。

Wimberley SK-100

サイドマウントの特徴としては、トップマウントよりも部材が少ない分持ち運びが楽になります。次にお持ちの自由雲台などと組み合わせるタイプでは価格が抑えられます。

上の写真はジンバル雲台の老舗メーカーWimberley SK-100という製品ですが、アルカスイス互換の自由雲台と組み合わせることで使用します。自由雲台のアルカスイスクランプにSK-100を取り付けることでジンバル雲台となります。

INDURO GHB1

また、こちらのINDURO GHB1のように自由雲台がなくとも使用できるサイドマウントタイプもあります。

サイドマウントタイプのジンバル雲台は、横のクランプに超望遠レンズの三脚座を付けることで使用し、三脚座は緩めることでカメラを回転できますので、それによって水平出しを行います。

サイドマウントの主な利点は、携帯性と価格にあると言って良いでしょう。

 

■トップマウントジンバル雲台の構造と特徴


Wimberley WH-200

これがトップマウントと呼ばれるタイプです。形状としては、サイドマウントと比較してスイングアームと呼ばれるブランコのようなアームが追加されており、そこに超望遠レンズの三脚座を取り付けて使用します。

トップマウントは荷重をスイングアームにかけているので前後の重量配分を適切になるようにカメラとレンズを取り付けていれば、チルトノブは締め付けていなくてもバランスが保たれるため、非常に軽い力でレンズを振り回すことが可能です。

サイドマウントは軽く締め付けてトルクがかかることで、動かせるがレンズやボディが傾ぐことがないように調整します。

トップマウントタイプはやじろべえのように前後でユラユラとバランスをとって釣り合うため、より大きく重量のあるレンズでも軽快に動かすことが可能です。ジンバル雲台の良さを満喫できる方式と言えるでしょう。

またサイドマウントは三脚座を横方向に付けるため、三脚座に高さがあるレンズや非常に大きなレンズでは、横方向に張り出してしまい三脚の直上からレンズの軸が横にズレてしまいます。

多少ズレたからと言って即転倒するというわけではありませんが、不安定になり使いにくく、また直接手でレリーズする場合などはより荷重がかかりますので安定性に欠けてしまいます。

大きなレンズや高さのある三脚座を使用する場合にもトップマウントタイプはレンズが三脚の直上に位置するため安定性が高く安心して超望遠レンズを振り回すことが出来ます。

トップマウントジンバル雲台はその部品点数の多さから、ジンバル雲台の中でも大きく重くなる傾向にありますが、それだけに機能的には最も優れたジンバル雲台と言えるでしょう。

ZENNELLI CARBON-ZX

そういった重量増のデメリットを解消するために、このZENELLI CARBON-ZXはカーボン、アルミ、ステンレスを組み合わせたモデルで、価格は高いものの、重量は0.98kgとトップマウントタイプのジンバル雲台としては相当な軽量化がなされています。

 

■変わり種ジンバル雲台


最後に最近の一風変わった コンパクトジンバル雲台と言うべきか、ジンバル雲台としても使える自由雲台についてご紹介します。

Acratech GP-S

この独創的なデザインのAcratech GP-Sは一般的なボール雲台をメインとして、スリット側にボールを倒すことでサイドマウントジンバル雲台として使用できます。自由雲台としては面白いデザインと使いやすさ、グリス不要でメンテナンスフリー。

ボール部分にホコリがたまりにくい構造をしており、オススメの自由雲台の一つですが、ジンバル雲台として使用した場合にはあくまで簡易的なもので、大口径の超望遠レンズはカメラとレンズが三脚の真上にこないため安定性に欠けるので向きません。

UniqBall UBH 45 ballhead

こちらはUniqBall UBH 45 ballheadという製品で、ボール部分が2重になっている珍しい雲台です。

外側の赤いボールでレベリングをとり、内側の黒いボールでパンとティルトを行います。通常のボール雲台として使用する場合には、赤いボールを動かすことで自由雲台として使えます。

簡易ジンバル雲台として使用する場合には、赤いボールを水平出ししたのち外側の黒いレバーを締め付け赤いボールを固定します。

そののち上部の赤いノブを緩めると内側の黒いボールを動かせるのですが、黒いボールは前後のティルト方向とパンのみに動きが制限されており、水平方向には傾かないように出来ています。そのためパンとティルトだけのジンバル雲台のように使えるというわけです。

あるいは同じく赤いボールは水平出しをして固定したのち、アルカスイス互換のロングレンズプレートを先につけて、その下にレンズの三脚座を吊り下げるようにしてもジンバル雲台として機能させることが出来ます。

ただ値段が高いのと、内側の黒いボールにはフリクションがかかるのに、なぜか外側の赤いボールにはフリクションがかからないため、一般的な自由雲台として使うにははそれほど高性能とは言えません。

また三脚座付きの望遠レンズで使うだけであれば、ちゃんとしたジンバル雲台を使う方が良いでしょう。

その名の通りユニークな雲台ですから、皆さん自身で使い方を考えてみるのも面白いと思います。

Markins Q20iQ-BK・BV-22

こちらはMarkins Q20iQ-BK・BV-22で、簡易ジンバル雲台としてはもっとも作りが良くオススメです。

自由雲台に前後ティルトに動きを制限するためのパーツがついており、このパーツは取り外して一般的な自由雲台として使用することも可能です。

他の簡易ジンバル雲台との大きな違いは、雲台の直上でレンズを動かせるという点で、横に出すものと違いしっかりと安定していますから、躊躇なくレンズを振ることが出来ます。

また雲台そのものの作りやトルクもしっかりしているので、操作性はジンバル雲台やビデオ雲台ほどではありませんが、質の良い自由雲台にパーツを付け加えるだけであるため、携帯性と機能性をかなり高いレベルで両立しています。

通常は自由雲台で良いがたまに三脚座付きの望遠レンズを使いたい、しかしジンバル雲台やビデオ雲台は大きすぎる・重過ぎるという方にはもっともオススメの簡易ジンバル雲台と言えるでしょう。

 

■ジンバル、それは夢のブランコ


ジンバル雲台、それは少年の記憶。あの幼き日、全てが新鮮だった時代。郷愁を誘う雲台です。もちろん最近急速に伸びているsachtler FSB 8のようなビデオ雲台もオススメです。

ジンバル雲台やビデオ雲台を使用すれば、超望遠レンズの操作が劇的に改善されますので、これからの野鳥撮影の季節、ぜひ活用されてみてはいかがでしょうか?

 

画像:sachtler,Gitzo,Wimberley,ZEENLLI,Acratech,UniqBall,Markins

Reported by 山﨑将方