レタッチによる画像加工はあり?なし?世界的フォトコンテストを巡る騒動!

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THE WALL STREET JOURNAL.に写真コンテストZEISS Photography Award 2016の受賞作品に関する話題が掲載されていましたのでご紹介します。

Photoshopのような画像編集ソフトを使用してのレタッチはどこまで許されるのか?という点で世界的なフォトコンテストで論争が起きたというお話です。



■話の概要


Tamina-Zuch

ドイツの学生フォトグラファーであるTamina-Florentine Zuchさん(25才)は、インドの西海岸のムンバイを走る電車に乗る女性を写した「Seeing Beyond」という作品でツァイス・フォトグラフィー・アワード 2016の最優秀賞を受賞しました。

若くして大きな賞を受賞したザックさんですが、受賞後ネット上でこの作品に対し「合成ではないか?」「加工され過ぎではないか?」といった多くの批判を受けることになります。

ザックさんの撮影した写真について様々な意見が寄せられましたが、ザックさんはそれらに対し、「一枚の写真にこれだけ多くの時間と労力をかけて議論する人がいることが信じられなかった」「今は誰もがあらゆることを疑っている」とコメントしました。

 

■加工された写真はありなのか?なしなのか?


芸術写真と報道写真で大きく異なる考え方

レタッチ前とレタッチ後で、写真の印象が大きく変わってしまうことは皆さん良くご存知かと思います。

問題はどこまでが許容されるか?ということになりますが、芸術作品としてならば「レタッチは際限なくOK」という考え方もあると思います。また実際に撮影画像に複雑なレタッチを加えることで、現実にはありえない光景を作り上げるといった作品を発表しているフォトグラファーは世界中にいます。

同時に報道写真の世界では「いかなるレタッチ(撮影後の露出補正やホワイトバランスの変更さえ)も許されない」と考える報道機関や報道写真コンテストもあるようです。

またロイターはフリーランスカメラマンに対し改竄しにくいオリジナルフォーマットを使用することを義務付け、ナショナルジオグラフィックはレタッチに関する倫理指針を改定しフォトグラファーにその旨を通達したとのことです。

曖昧な世界と写真表現の中で

「アート作品」なのか「報道写真」なのかが明確である場合ならともかく、「報道写真ではないが社会問題を内包した芸術作品」といった場合、その写真の背景にある政治的・経済的情勢を含めて作品が評価されるとするならば、レタッチに対する許容範囲はより悩ましいものとなるでしょう。

ツァイスのジャッジメント

ちなみにザックさんの「Seeing Beyond」は、コンテストの主催者であるツァイスが「通常のレタッチの範囲内」との見解を示し、無事受賞することが出来たとのことです。

 

画像:THE WALL STREET JOURNAL.,ZEISS

Reported by 山﨑将方