これからフィルムカメラを使うために知っておくべき10の基本ルール!

Nikon FM3A

皆さんフィルムで写真撮ってますか?昨今フィルムカメラ人気が再燃しているようですが、これからフィルムカメラを使いたいという方もおられると思います。

The PhoblographerがYouTubeに投稿した「10 Film Photography Tips for the digital photographer」という動画が非常に参考になると思いますので、今回はこの動画の話と共に、私の経験を踏まえて「フィルムカメラをこれから使う人のための基本的な注意点」をご説明したいと思います。



1.デイライトフィルムとタングステンフィルムを使い分ける


フィルムにはデイライトフィルムとタングステンフィルムがあります。デジタルカメラで言うなら、

  • ホワイトバランスの晴天=デイライトフィルム
  • 電球色=タングステンフィルム

と考えていただければ良いでしょう。

晴天屋外やストロボ光源下ではデイライトフィルムを、白熱電球や電球色の光源下ではタングステンフィルムを使用することで適切な色再現を行えます。

 

2.フィルムを適切に保管する


フィルムは常温に放置しておくと劣化してしまうため、長期保管する場合は冷蔵庫など低い温度で保管します。冷凍しても構いませんが、冷凍した場合は使用前に解凍する必要があります。

冷凍しておいた場合は使う前に冷蔵庫に移して緩やかに解凍し、冷蔵庫から出して使用する際もフィルムケースに入れたまま室温に馴染ませてから使用します。

これはフィルム面に結露が付くことを防ぐためで、常温に馴染ませてからフィルムケースから取り出します。冷凍庫からいきなりフィルムケースから出した状態で常温の室内に置いてしまうと、フィルム面に結露が発生してしまうため気をつけましょう。

ある程度コンスタントに使用するのであれば冷蔵庫で保管しておく方が使いやすいでしょう。また購入してからすぐ使うような場合は常温でも問題ありませんが、その場合もできるだけ高温多湿な場所は避け冷暗所にて保管します。

またインスタントフィルムは冷凍してはいけません。

 

3.フィルムは使用前にISO感度を設定する


フィルムカメラにも感度設定があります。自動でISO感度設定を行ってくれるカメラもありますが、機械式フィルムカメラなどでは手動でフィルムの感度設定を行う必要がある場合もあります。

基本的には入れるフィルムの感度に合わせてカメラ側の感度設定を同じ数値にしますが、「明るめが好き」「あるいは暗めが好き」といった場合、敢えてフィルムの感度とカメラの感度設定を変えておくというテクニックもあります。

例えば常に1段分明るめに写したい場合「ISO400のフィルムを入れておいてカメラ側はISO200(またはASA200)に設定しておく」といったような方法があります。

露出補正を使えばいいのでは?と思われるかもしれませんが、露出補正は露出補正でその各カットに対して行いたいため、露出補正ダイヤルを常にプラスやマイナスにずらしておくのではなく、カメラ側の感度設定をずらしておくことで一律プラス補正あるいはマイナス補正を効かせておきつつ、露出補正ダイヤルは各カットごとの撮影意図に応じて使用するというわけです。

もちろん混乱しないのであれば露出補正ダイヤルをずらしておくことでも同じ効果が得られ、この場合は半段ずらしておくとったようなことがやりやすくなります。

 

4.ハイライトとシャドーを意識する


デジタルカメラの場合、撮影後の画像編集が容易であるため、ハイライトやシャドーの露出調整を簡単に行うことが可能ですが、フィルムの場合できないわけではないものの、部分ごとに露出調整を行うのはデジタル画像と比較してはるかに手間がかかってしまいます。

そのためフィルム撮影の際は、ハイライト部が白飛びしないか?あるいはシャドー部が黒つぶれしないか?といったことに関して撮影時に十分な確認を行う必要があります。

またポジフィルムの場合ネガフィルムと比較してさらにラチチュードが狭いため、よりシビアに適正露出を見極める必要があります。

さらに、ネガフィルムの場合露出オーバーに強いためかなり露出オーバー気味でもプリント時にリカバリーが可能ですが、ポジフィルムは単にラチチュードが狭いだけでなく、露出オーバー側にほとんどラチチュードがないため、もしも撮影時の露出に迷った場合は、少しアンダー気味に撮っておくのも安全策の一つです。

 

5.巻き戻す前に裏蓋をうっかり開けない


もちろんフィルムを巻き取らずにうっかり裏蓋を開けてしまうと、フィルムが感光してしまいそれまで撮った写真が台無しになってしまうので気をつけましょう。

そんな「初歩的なミスしないよ(笑)」と思われるかもしれませんが、機械式フィルムカメラなどフィルムを装填した状態でうっかり裏蓋を開けてしまうことに対する防止機構がないカメラでは、どんなに詳しい人でも長年使っていれば必ずやってしまいます。

ありがちなのは、

  • 撮影しようと思って新しいフィルムを入れようとしたら、既に前のフィルムが装填してあった
  • 撮影中一本撮り終わったのでフィルムを入れ替える際、巻き戻すのを忘れて開けてしまう

この二つだと思います。

これらを防ぐためには、新しいフィルムを装填する際には「必ずコマ数表示を確認する」ことと、さらに「裏蓋を開ける前には、巻き戻しノブをしっかり回し、フィルムが装填してあったとしても巻き取ってある状態にする」ことを心がけましょう。

 

6.ちゃんとコマが進んでいることを確認する


フィルムを装填しシャッターを切っていくと、自分では撮っているつもりがフィルムがフィルム室の中でフィルムスプールに上手く巻き取られておらず全く撮れていないというケースがあります。

こうしたケースが良く起こるのは機械式フィルムカメラの場合が多く、装填時にフィルムのパーフォレーション(穴)とカメラ側のスプロケット(フィルムスプールにフィルムを送っていく歯車)が噛み合っておらずフィルムがスリップしている状態で上手くフィルムスプールに巻き上げられていないという状態です。

しかし自動でフィルムを送っていくタイプの比較的新しいフィルムカメラであっても、こうした巻き上げミスは起きる場合があります。

装填時に気をつけることは、機械式カメラの場合であれば、まずしっかりとフィルムスプールに先端を差し込み、スプロケットとパーフォレーションを噛み合わせた状態にしたのち、巻き上げレバーで巻き上げる→シャターを切る→巻き上げる→シャッターを切るという動作を数枚しっかり行ってから裏蓋を閉じ、さらにコマ数が0になる迄巻き上げてから撮影することです。

裏蓋を閉じる前に「巻き上げ→シャッターを切ってフィルムが順調に送られている」状態をしっかりと確認していください。ここでフィルムがもったいないからとケチケチして1回しか巻き上げを行わないと装填したつもりが中でスリップした状態になってしまうことがあります。

2〜3コマ程度は巻き上げ→シャッターを繰り返して、裏蓋を閉じる前にしっかりとフィルムがフィルムスプールにしっかりと巻きついていることを確認することで、ミスを減らすことができます。

また撮影中は一コマ撮影して巻き上げるたびに、巻き戻しノブが回転していることを確認しましょう。巻き戻しノブが回転していれば順調にフィルムが送られていると考えて構いません。逆に一コマ撮影して巻き上げる度に巻き戻しノブが回転していないようであれば、フィルムの巻き上げにトラブルが発生している可能性が高いと言えます。

自動巻き上げ・自動巻き戻し機能が採用されている比較的新しいフィルムカメラの場合、巻き戻しクランク自体が無い場合がありますが、その場合は音や振動から順調にコマが巻き上げられているのかを確認しましょう。

一本のフィルムの中でも、最初は順調に巻き上げられていたが途中で何かの表示でフィルムがスプールから外れてしまう、またスプロケットやフィルムスプール周辺で絡まってしまうというケースも稀に存在します。

 

7.フィルムのフォーマットの違いを知る


フィルムにはさまざまなフォーマットがあります。

135( 35mm判)が最も普及しているフォーマットですが、120フィルムなどのフォーマットもまだまだ現役です。フィルムのフォーマットによって、フィルムの装填方法やカメラの操作が独特の部分があります。

135フィルムから始める方が多いとは思いますが、慣れてきたら中判や大判カメラにトライしてみるのも面白いでしょう。

 

8.ポジフィルムとネガフィルム、銘柄によっても変わる写真


フィルムには大きく分けてカラーとモノクロ、ポジフィルムとネガフィルムがあります。ポジフィルムとネガフィルムでは写り方がかなり変わりますし、同じポジフィルムの中でも銘柄によって写りはかなり変わります。

デジタルカメラで言うところの「ピクチャースタイル」や「ピクチャーコントロール」のようなものをフィルムカメラではフィルムの種類を変えることで行うというわけです。

被写体に応じて変える場合もあれば、好みの銘柄を常に使うという人もいます。ちなみに私はネガはコダック、ポジはフジフイルムを使用していました。

フィルム選びもフィルムカメラを使う上での大きな楽しみの一つと言えるでしょう。

 

9.どこでプリントするかで写真が変わる


これはフィルムだけの話ではありませんが、多くの場合プリントして鑑賞することが多いフィルムの場合、どこでどのような指示をしてプリントするのが自分の意図に近くなるのかを把握しておくことが大切になります。

同じフィルムからでもプリントしてもらうラボによって仕上がりは異なるのが普通で、そのラボでプリントするとどういう仕上がりになるのかを把握しておく必要があります。

昔はラボ機を操作するオペレーターによる手動補正が入る場合があったため、オペレーターによっても仕上がりが異なりましたが、現在はDPEチェーン店の多くが注文時の手動補正を行っていないため、オペーレーターの影響はこちらから指示しない限りは気にしなくて良いでしょう。

しかしながらラボ機によってプリントの仕上がりは異なるため、これはどのラボ機が良いとかどの店が良いということではなく、同じラボ機を使用していてさえ色味や明るさが異なる場合があります。

そのためプリントの上がりが自分の好みに合う、またはどのように仕上がるか予想できる店を選ぶと良いでしょう。また作品などで細かい調整を行いたい場合はプロラボに行って相談してみるのがおすすめです。

 

10.露出計を使用する


フィルムカメラでも露出計を搭載しているものも沢山ありますが、機械式フィルムカメラのような古いフィルムカメラの場合、現代のデジタルカメラほど精度が高くないものもあれば、単純に古くなって露出計が狂っているもの、あるいはそもそも露出計を内蔵していないものもあります。

スマートフォンアプリなどでも露出を図ることは可能ですし、コンパクトデジタルカメラを一緒に持ち歩いて感度をフィルムに合わせておき、表示される絞り値とシャッタースピードを真似てフィルムカメラ側を設定すると言う方法もあります。

しかし専用の露出計は操作性においてスマートフォンやデジタルカメラよりも優れるため、単体露出計を使用するのもオススメです。特に大判カメラなどでは単体露出計は必須と言って良いでしょう。


今回はこれからフィルムカメラを使うという方のための基本的なコツをご紹介させていただきました。デジタルカメラ世代の方も、ぜひ一度はフィルムカメラを使ってみていただけると、フィルムカメラならではの楽しさを知っていただけると思います。レッツ温故知新!

 

参考:The Phoblographer
画像:価格.com

Reported by 山﨑将方