アオリレンズのライズ操作とレタッチソフトによる修正はどちらが高画質?

PC NIKKOR 19mm f/4E ED

フォトマスター検定の予想問題です。フォトマスター検定勉強法も掲載していますので、参考にして頂ければと思います。合格目指してさっそく問題です!

難易度:準1級レベル

問:建築物などを低い位置からカメラを上に向けて撮影したところ、建築物が実際の見た目よりも大幅に上すぼまりに写ってしまった。

そこで「ティルトシフトレンズ」や「パースペクティブコントロールレンズ」と呼ばれるいわゆる「アオリレンズ」を使用して、レンズは水平のままライズ操作を行って建築物を上すぼまりにならないように撮影した。

またもう一枚、同じレンズを使用しライズ操作を行わずレンズを上に向けて上すぼまりのまま撮影し、撮影後に画像編集ソフトのパースペクティブの補正機能を使って建築物の上すぼまりを修正した画像を制作した。

このレンズがイメージサークル周辺部まで十分な画質をもつレンで、かつ2枚の写真のピクセルサイズを同一にして比較した場合、「ライズ操作を行い上すぼまりを防いで撮影した画像」と「画像編集ソフトの補正機能で修正した画像」では、一般的に画質面でどのような違いが見られるか?最も正しいと思うものを次の中から選べ。

① レンズのライズ操作で上すぼまりを防いだ画像の方が画質が良い
② 画像編集ソフトの補正機能で上すぼまりを修正した画像の方が画質が良い
③ レンズによるライズ操作でも、画像編集ソフトの補正機能による修正でも画質はほぼ変わらない

正解はこのあとすぐ!



■正解は①(レンズのライズ操作で上すぼまりを防いだ画像の方が画質が良い)


画像編集ソフトの補正機能はなぜ画質劣化が起こるのか?

アオリレンズの場合もイメージサークルの使用する範囲の関係上、ライズなどのシフト操作を行っても画質劣化が起こらない訳ではありません。

しかしこの問題文のように、イメージサークル周辺部まで十分な画質を持つレンズで撮影した場合、建築物などの上すぼまりになる現象をライズ操作を行って撮影した方が、撮影後に画像編集ソフトで補正した画像よりも高画質になります。

なぜこうした事が起こるかという事なのですが、画像編集ソフトによる補正機能は、画像を変形させることで行います。

例えばこの問題のように、大幅に上すぼまりに写った建築物の上すぼまりを修正する場合、画像の上部を引き延ばしたり、下部を縮小したり、あるいはその両方を行うことで建物の上部と下部の幅を近づけ上すぼまりを補正します。

しかし上部を引き延ばした場合、元々は小さく写っている建物の上部を引き延ばして下部と幅をそろえるわけですから、ピクセルが引き延ばされた上部の画像は下部と比較して解像度が大幅に下がってしまいます。

では上部を引き延ばすのではなく下部を縮めた場合はどうでしょう?

しかしこの場合も同様で、下部を縮めた場合、変形させたままでは画像が一般的な矩形(全ての角が直角の四辺形のこと)にならないため、変形を行った後に矩形になるように画像を切り抜くことで通常の矩形の画像として仕上げます。

しかし切り抜きを行ったことで画像のピクセルサイズが小さくなってしまい、それを元のピクセルサイズに戻すと、結局画像を引き伸ばすことになるため、やはり解像度が落ちてしまうというわけです。

アオリレンズは画質劣化が少なく、縦横比も維持できる

対してアオリレンズでのライズ操作は画像の引き延ばしを行わないため、一般的にアオリレンズのシフト操作による撮影は、画像編集ソフトによる画像の変形よりも画質劣化を抑えることが可能です。

また画像編集によるパースペクティブの修正は、画像の縦横比が変わってしまう問題がありますが、アオリレンズではこの問題も起こりません。

というわけで、①「レンズのライズ操作で上すぼまりを防いだ画像の方が画質が良い」が正解となります。

 

画像:Nikon

Reported by 山﨑将方