レタッチしたモデルなどの商業写真に加工済み表示が義務化

ファッションモデル

商業写真ファンの皆さんこんにちは。

フランスで10月1日、レタッチを施した商業写真の場合「レタッチトフォト(加工写真)」と明記することが義務付けられました。

違反した者には約3万7,500ユーロ(約496万円)、または広告費の30%に相当する高額の金額の罰金が科されることとなります。

そこで今回はこのフランスの新法律をご紹介します。



■過激なダイエットの防止に


モデルに憧れる若者たちの過激なダイエットが社会問題に

フランスでは非現実的な理想のモデル体型を追求するあまり、若者の間に拒食症が広がっており社会問題となっています。

現在約60万人もの人が摂食障害を患い、交通事故に続いて15-24歳の若者たちの死因の第2位になっています。

その行き過ぎたダイエットを防ぐために、コマーシャルフォト(広告写真)に写ったモデルが画像編集によって痩せているように加工されていたり、もしくは身体の一部が大きく(または小さく)見えるように加工されている場合は、「Photographie retouchée(画像は編集されています)」というラベルを表示することが義務付けられました。

この法案には、髪の色や鼻の形、肌のシミを消すといったことは対象外となっており、あくまでも体型に関するもののようです。

フランス以外でも画像加工に対する自主規制が進む

同じくオーストラリアでは2010年、ファッション業界が自主的に行動規範を策定し、加工した写真を使用しない、もしくは使用する際にはその旨を明記することをメディアに求めていました。

アメリカではまだ法律としてはないものの、こうした世界の流れを受けて、大手ストックフォトサービスのゲッティイメージズや雑誌「セブンティーン」などが、レタッチを行わない方針を掲げています。

また、ルイ・ヴィトンを擁するモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループと、グッチを擁するケリンググループがタッグを組み、「痩せすぎたモデル」の起用禁止を宣言しました。

誤った理想体型のイメージ

イギリスのファッションブランドが同国の女性2,000人を対象に調査を行ったところ、18-24歳のうちの約15%が、「雑誌に掲載されているセレブやモデルの写真がリアルな体型でるあると考えている」という結果が出ています。

現在ファッション業界のコマーシャルフォトでは、ただでさえ痩せているモデルをさらにレタッチで細くしたり、通常の人間では実現不可能な体型に加工した画像が蔓延しています。

この結果、特に若い女性がこれらのファッションモデルに憧れ現実でありえないような体型を求めるあまり、「自尊心の低下」「ストレス」「不安」「うつ」「過剰なダイエット」といった状態に陥るケースが増えているといいます。

加えてこうした非現実的な体型が模範的な体型だと勘違いすることは、自己評価を下げ自信の損失につながるといいます。

また他人に対してこのような非現実的なモデル体型を強いる期待があれば、いじめの助長や、交際相手人間関係における誤った選択の原因につながるとしています。

これに対抗するセレブたちの動き

これに対抗して欧米では、セレブリティたちがレタッチされていない自分の体形をソーシャルメディアに投稿したり、雑誌の写真で自分の承認なく画像を加工された際に抗議するといった動きが広がっているそうです。

セレブの一部には「リアルな自分の体型に誇りを持つように」と呼びかける動きがあるようです。

これまでにも歌手のビヨンセや俳優のキーラ・ナイトレイらが、細すぎるウエストのサイズや修正後の大きな胸などに抗議してきました。

女優で歌手のゼンデイヤは2015年に修正前と修正後を比較する写真を公開し、大きな話題を呼んでいます。


フォトショップを始めとする画像編集ソフトの高機能化で、大幅に体型を修正することが可能となり、その結果非現実的な体型に修正されたモデルの写真がコマーシャルフォトで使われるようになりました。

世界的なファッションブランドがひしめくフランスで、こうした動きが始まったのは世界に先駆けた動きと言えるでしょう。

 

参考:Forbes,HUFFPOST
画像:Wikipedia

Reported by 山﨑将方