マルチファンクションバーは有望なインターフェイス!…だったらいいなと思う。

マルチファンクションバー

マルチファンクションバーの皆さんこんにちは。

キヤノンのEOS Rで初めて採用されたインターフェイスであるマルチファンクションバーは、現時点ではあまり評判が良いとは言えません。

しかし本当にマルチファンクションバーは将来性がないのでしょうか?今回はマルチファンクションバーについて考えてみたいと思います。



■マルチファンクションバーの将来性


マルチファンクションバーの役割

マルチファンクションバーには、スライドと左右のタップという操作があり、デフォルトでは何の機能も割り当てられていないのですが、マルチファンクションバーで操作できるものとしては、以下のようなものがあります。

マルチファンクションバーに割り当てられる機能
ISO感度 ISO感度 設定を1つ変える
ISO感度オート
任意ISO感度
ホワイトバランス ホワイトバランス 設定を1つ変える
オート(雰囲気↔︎ホワイト)
 色温度設定 任意のWB
WB補正/BKT設定
ピント・情報表示 スライドで縮小/拡大 設定を1つ変える
拡大/縮小
フォーカスガイド表示
MFピーキング表示
水準器表示
ヒストグラム表示
動画撮影 録音レベル 設定を1つ変える
MFピーキング表示
音量 フォーカスガイド表示
動画サーボAF 一時停止
 絞り数値 水準器表示
ヒストグラム
フレキシブルAE スライドで項目を選択 設定を1つ変える
すべての項目をリセット
選択項目をリセット
***の項目を選択
AF AF方式を設定 設定を1つ変える
瞳AF
AFフレームサイズ
タッチ&ドラッグ AF設定
フォーカスガイド表示
ユーザーカスタマイズ 任意選択 任意選択
機能ショートカット スライドでの画像送り レーティング
プロテクト
画像送り スライドでの画像送り 一枚ずつ画像戻し
一枚ずつ画像送り

こう見るとマルチファンクションバーが実に多機能であることが分かります。またマルチファンクションバーは無音で操作できるので、動画撮影時など音を発することができない状況でも操作が可能です。

現時点では評価が低いマルチファンクションバー

EOS Rのマルチファンクションバーの評価はあまり良いものとは言えず、その主な理由としては、

  • うっかり触れてしまい誤作動することがある
  • 反応がリニアでない
  • 縦位置撮影で使用できない
  • 誤作動を防ぐための設定を行うと操作性が悪くなる
  • (スマートフォン非対応の)手袋を使用しての操作ができない

といった点が指摘されています。

キヤノンには上級機を中心に、マルチコントローラーと呼ばれるジョイスティック状のインターフェイスがこれまで採用されてきました。

マルチファンクションバーは、位置的にはこれまでの親指AFを行うためのAFスタートボタン(AFスタートボタンは右側にずれる形でEOS Rでも採用されており、親指AFは可能です。)や、ライブビュー撮影ボタンの付近、つまり親指が自然に置かれる位置の近くにあります。

キヤノンが公式にマルチコントローラーの代わりにマルチファンクションバーしたと言っているわけではありませんが、やはり印象としてはマルチコントローラーに代わって搭載されているというイメージがあります。

手袋使用時や雨天撮影時の問題

確かにマルチファンクションバーは、現時点でははっきり言えばマルチコントローラーと比較して操作性の面で大きく劣っていると思います。

また、手袋を使用しての操作を受け付けないという問題もあり、これでは寒冷地で使用することができません。

もちろんスマートフォン対応の手袋などでは反応するのですが、スマートフォン対応の手袋自体が薄手のものが多く、指先を出すことができるタイプのスマートフォン対応の手袋もあるわけですが、指先を出すタイプでは長時間の撮影では指先が寒くなるという問題があります。

また雨天の撮影でもマルチファンクションバーはマルチコントローラーと比較して不安を抱えており、EOS Rは防塵・防滴とは明言しておらず、「防塵・防滴に配慮」という表現になっているため、本来雨の中での撮影を保証している機種ではないとはいえ、指先やマルチファンクションバーの部分が雨に濡れると適切に反応しない場合があるということも問題視されています。

それでもマルチファンクションバーの将来性に期待したい

現在EOS Rに搭載されているマルチファンクションバーは総合的に見ると、マルチコントローラーを廃してでも搭載すべきものとは言えないでしょう。

しかしながら将来にわたってマルチファンクションバーがダメかというと、そうでもないのではないかという気もします。

というのも、マルチファンクションバーは現在の操作性の問題から逆算すれば、

  1. 誤作動をしにくい位置にある
  2. 反応がリニア
  3. 縦位置撮影に対応できるようバッテリーグリップにも搭載
  4. 雨の中でも使用できる
  5. 手袋でも操作できる

これらの問題が解決すれば、マルチファンクションバーは有用であると言えるでしょう。

そもそもそこまでしてマルチファンクションバーを搭載する必要があるのか?という問題もあるのですが、こうした技術は初回から使い物になるものでなかったとしても、コツコツと開発していけばものになるケースも多いので、キヤノンには不評だからといって簡単に諦めないで欲しいという気はします。

キヤノンのかつての視線入力やソニーのトライダイヤルナビも有望なアイデアだと思うのですが、当時の完成度やユーザー側の慣れの問題で続かなかったわけで、継続的に開発していれば非常に優れた機能に進化したのではないかと思います。

実際にマルチファンクションバーが今後も継続的にEOS Rシリーズに搭載されるかは分かりませんが、この新しい試みが良い方向に発展することを期待したいと思います。

 

画像:Canon

Reported by 山﨑将方