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2021年伸びなかったけど読んで欲しい記事ランキング

画像:いらすとや

皆さんこんにちは。

今回は2021年にAmazing Graphで書かれた記事の中で、アクセス数はそれほどでもなかったけれど、是非読んで欲しい、読んでおくべき記事を10個ピックアップしてみました

目次
  1. 違うメーカーのレンズをMTF曲線で比較してはダメ!幾何光学的MTFと波動光学的MTFの表記混在問題
  2. 集合写真や自撮りで端の人が太って写るのはなぜ?
  3. カメラグランプリの座談会から見えてくる、選考委員の問題点
  4. 今、本当に活躍しているポートレートフォトグラファーたち
  5. カメラが正方形イメージセンサーを採用しない理由
  6. シャッター半押しAFか親指AFか、きのこたけのこ戦争
  7. ユージン・スミスってどんな人?水俣病の惨禍を世界に伝えた写真家の人生を巡る
  8. ストロボ同調速度が多少上がっても意味がない26の理由
  9. マウント選びから分かる、信頼できる人できない人
  10. EOS-1系はなぜEOSと1の間に「-」ハイフンが入っているのか?

機材紹介的なキャッチーな話はありませんが、これを知らずしてカメラやカメラ業界を語ることは出来ないという内容のものもあるかと思いますので、お時間がある方でまだ読んでいないという方は是非読んでいただければと思います。

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オリンピック手袋事情と便利なレンズロック解除ボタン操作方法

画像引用:Canon(https://youtu.be/th7v_JsjzKY)

皆さんこんにちは。

これから特に寒い季節に入っていき、撮影時のレンズ交換も億劫になる時期です。そこで今回は、

  • 冬季オリンピックの手袋事情
  • 各社のレンズロック解除ボタンの位置について
  • キヤノンやニコン機でのレンズロック解除ボタンの素早い操作方法

これらについてお話ししたいと思います。

目次
  • 冬季オリンピックフォトグラファーの手袋事情
    • 冬季オリンピックフォトグラファーにとってどのくらい手袋が重要か?
  • レンズロック解除ボタンはどこにあるべきなのか?
    • 各メーカーのレンズロック解除ボタンの位置
    • 手袋着用時のグリップ側レンズロック解除ボタンのリスク
  • 安全性と利便性を両立するために
    • グリップ反対側のレンズロック解除ボタンをスムーズに押す方法
    • レンズ交換やカメラを置く際の注意点

では始めましょう。

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Youtubeの自称プロカメラマンを見抜く方法

YouTubeの自称プロカメラマンを見抜く方法

皆さんこんにちは。

最近カメラ系YouTuberの中に箔付けのためにプロカメラマンを自称している人が増えているように思います(箔付けになってもいない気がしますが)。

そもそもプロかアマチュアかと機材の知識量には全く関係がないので、活躍しているフォトグラファーでも機材に詳しくない人は沢山いますし、フォトグラファーより機材に詳しいアマチュアのかたも幾らでもいます。

そこで今回は、

  • 撮影で生計を立ているフォトグラファーか?
  • 実際は撮影の仕事をしていないYouTuberか?

これを見分ける方法を考えてみました。

ただしカメラ系YouTuberとフォトグラファーでどちらが偉いとかそういう意味では全くありません

なので今回の話も、単に「フォトグラファーとして本当に活動しているかどうか」を見分ける方法であって、特定のYouTuberのことを言っているわけではありませんので、そうした点もご留意ください。

目次
  • こういう部分ではプロかどうかは分からない
    • プロサービスに入っているかは活動実態とは無関係
    • 機材の価格とプロかどうかも無関係
  • フォトグラファーと自称プロカメラマンのYouTuberを見分ける方法
    1. SNS以外の仕事を請け負う窓口がない
    2. ストラップがアンカーリンクス
    3. おしゃれな帽子を被っている
    4. カメラ系のイベントによく登場している
    5. 撮影ジャンルと機材に一貫性がない
    6. YouTube動画投稿やライブ配信を頻繁にしている
    7. 発光するインテリアやPCを置いている
    8. カメラやレンズは高価だがモニターは安物
    9. 机の上や側にカメラやレンズを並べている
  • フォトグラファーを名乗っているだけの9つの代表的パターン
    • 該当する項目の数が表す意味
  • フォトグラファーとカメラ系YouTuberのそれぞれの価値
    • フォトグラファーの価値
    • カメラ系YouTuberの価値

というわけで今回はそのような話です。

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RFマウントのフランジバック長はNDフィルターを内蔵するため?

皆さんこんにちは。

各社のフルサイズミラーレスマウントが出揃った昨今、マウントの将来性に関しては多くの方が気にしている部分でしょう。

各メーカーの開発時の事情や考え方によって、フランジバックやバックフォーカスには違いが見られます。

その中でキヤノンのRFマウントは、フルサイズミラーレスとしては比較的長めの20.0mmというフランジバックになっており、フルサイズミラーレスとして最も短い16.0mmのフランジバックであるニコンZマウントとは、レンズ交換式カメラの将来に対して違う読みをしているのが分かります。

レフレックスミラー同様にいずれはメカシャッター(物理シャッター)が無くなることは予想できていただろうに、なぜキヤノンはフランジバックを長めにしたのでしょうか?

目次
  • フランジバックの比較
    • 各社のフルサイズミラーレスのフランジバック長
    • フランジバックを短くすることのメリットとデメリット
  • なぜキヤノンは敢えてフランジバックを長くしたのか?
    • スチールとムービーの垣根が消える時
    • 敢えて被写体ブレを起こすムービー撮影
    • フランジバック20.0mmにNDフィルターの搭載は可能
    • NDフィルターを搭載することのデメリットは?
  • ベストなマウント規格を未来に渡って予想することの難しさ
    • RFマウントとZマウントそれぞれにメリットがある
    • どこが有利になるかはまだわからない

そこで今回は、キヤノンはイメージセンサーの前にシネマカメラのように、スチール機にもNDフィルターを入れるためにフランジバック長を20.0mmにしたのではないか?という点を考えてみたいと思います。 続きを読む RFマウントのフランジバック長はNDフィルターを内蔵するため?

今、本当に活躍しているポートレートフォトグラファーたち

Fujisan.co.jp(https://www.fujisan.co.jp/product/2305/new/)

皆さんこんにちは。

今現在、雑誌や写真集などのグラビアの撮影でリアルに活躍しているフォトグラファーは一体誰なのでしょう?

グラビアのある雑誌は限られているため、雑誌グラビアのフォトグラファーは狭き門となっています。

雑誌の場合「1ページ○万円」とか「1回の撮影につき○万円」というように雑誌ごとに撮影単価が決まっているため、同じ雑誌で同じ場所の同じページ数を担当すれば若手でもベテランでも基本的にギャラは同じです(出版社からすればフォトグラファーごとに交渉などしていられないので、ほとんどの雑誌のグラビア撮影はそういう慣例になっています)。

そのため様々な雑誌で活躍していて実績のあるフォトグラファーに依頼が集中するのが常で、仮に実力があっても実績のないフォトグラファーが雑誌の巻頭グラビアを任されることはありませんし、逆に有名でも向上心がなくなり撮影のほとんどの工程をアシスタント任せにするような、実力が伴わなくなった名ばかりの大御所フォトグラファーも自然淘汰される世界です。

つまり有名誌のグラビアページを任されるようになるには、実力と実績の両方が揃っていなければなりません。

そこで今回は、いまグラビア撮影で特に目覚ましい活躍をしているフォトグラファーが誰なのかを調べるために、一般週刊誌で最も発行部数の多い「FRIDAY」を参考に、過去約3年10ヶ月分のデータから巻頭グラビアを担当したフォトグラファーとタレントさんの登場回数を集計してみました。

目次
  • FRIDAYの表紙を飾ったフォトグラファーとタレントの登場回数
  • フォトグラファー撮影回数ランキング
  • フォトグラファー撮影回数ランキングの結果について
  • タレント登場回数ランキング
  • タレント登場回数ランキングの結果について

雑誌の傾向に合わせて登場するタレントの傾向は変わるものの、フォトグラファーに関しては基本的に他の雑誌でも同様の傾向であるため、漫画雑誌の巻頭グラビアから写真集まで、いま日本のあらゆる雑誌でグラビア撮影をしている有名フォトグラファーたちがズラッと名を連ねています

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幾何光学的MTFか波動光学的MTFかを各メーカーに聞いてみた。

幾何光学的MTF表記のメーカーと波動光学的MTF表記のメーカー

皆さんこんにちは。

以前レンズのMTF曲線図の表記には、

  1. MTF曲線図の表記には幾何光学的MTFと波動光学的MTFがある
  2. 表記が異なると性能の見え方が変わってしまう
  3. 幾何光学的MTF表記か波動光学的MTF表記かはメーカーで異なる

ということをこちらの記事で書かせて頂きました。

ただこれら3つ全てを知っている人はかなり稀で、カメラ開発者やフォトグラファーでも知らない人はざらにいるため、一般のカメラファンで3つとも知っているのは現状では相当詳しい一握りのかただけでしょう。

そのために比較できない異なるメーカーのMTF曲線図を比較してしまうわけです(同じ表記方法であっても異なるメーカーのMTF曲線を比較することはおすすめしませんが)。

この異なるMTF曲線の表記の混在が認知されていないことは、カメラ業界にかなり悪影響を及ぼしていると思います。

今回は以下のメーカーに、幾何光学的MTFと波動光学的MTFのどちらでサイトやカタログに表記しているかを以下のメーカー(既に併記されているシグマとリコー以外)に問い合わせてみました。

  • キヤノン
  • ニコン
  • ソニー
  • 富士フイルム
  • オリンパス
  • パナソニック
  • リコー:併記確認済み
  • ライカ
  • コシナ
  • タムロン
  • シグマ:併記確認済み

トキナーにも問い合わせましたが、1週間経っても回答が得られなかったため残念ながら非掲載とします。

果たして皆さんは、どのメーカーが幾何光学的MTFでどのメーカーが波動光学的MTFだと思いますか?

目次
  • 幾何光学的MTFと波動光学的MTFではどの程度表記に差が出るのか?
    • 同じレンズでの幾何光学的MTFと波動光学的MTFの表記の差
  • 各メーカーの表記はどちらなのか?
    • 各メーカーの表記の問い合わせ結果
    • 全体を見ての印象
  • 各メーカーからの返信メール
    • 返信メール一覧

というわけで今回は各メーカーのMTF曲線図の表記の違いのお話です。 続きを読む 幾何光学的MTFか波動光学的MTFかを各メーカーに聞いてみた。

ソニーが生き残る道はZマウントアライアンスしかない

SONY 1 Mount
画像引用:SONY US(https://electronics.sony.com/one-mount-platform)

皆さんこんにちは。

本格的なフルサイズミラーレス時代が到来し、Eマウント口径の小ささに由来する光学設計やメカ設計の制約で競合他社に付いていくのが厳しくなってきているソニーですが、このままではαはジリ貧となってミノルタの二の舞になるのは明らかです。

かつてオリンパスはカメラ女子ブームに乗って隆盛を誇り、売れたがゆえにマイクロフォーサーズマウントから引き返せなくなりフルサイズ化の機会を失い衰退していきました。

現在のαも全く同じ道を辿っており、売れてしまったために既に限界を迎えているEマウントに執着してしまい、少しずつ苦しい状況に追い込まれています。

もしもそれが分からないという初心者の方には今回の内容は少し難しいと思いますので、30年くらい勉強して詳しくなったらなった頃にまたお越し頂ければと思います。

逆に「Eマウントの将来が暗いなんて常識でしょ」という中級者以上の方は是非読み進めて頂ければ幸いです。

ところでソニーがコニカミノルタからカメラ事業を引き継いだのが2006年ですから、なんだかんだでソニーは15年間もレンズ交換式カメラを作ってきたわけです。そのソニーがミノルタの敗戦を繰り返したのでは可哀想ですよね?

そこで今回はソニーグループ109,700名の全従業員の誰よりもカメラに詳しい私が、ソニーの代わりにαの生き残り策を考えてあげることにしました。

目次

  • αはここままでは確実に衰退する
    • イメージセンサーのアドバンテージはもうない
    • ソニーが抱える2つの問題
    • Eマウントは規格として既に限界を迎えている
    • Eマウントの手ぶれ補正に対する影響
    • このままではαは確実にキヤノンに潰される
  • αが生き残るただ一つの道はZマウントへの転換
    • 厚さ2mmのAFマウントアダプターが使える
    • 鏡筒を2mm伸ばすだけでZマウント版にリニューアル可能
    • なぜ新マウントではなくZマウントなのか?
    • 真の狙いはEマウントユーザーを自然にZマウント版αに誘導すること
  • お釈迦様が垂らすZマウントという蜘蛛の糸
    • ソニーとニコンの関係性の修復が鍵
    • ソニーは蜘蛛の糸をのぼりきれるか?

というわけで今回はαの生き残りのための方法を考えていきましょう。

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素晴らしいニコンZ 9の少しだけ残念な部分

画像引用:Nikon(https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_9/)

皆さんこんにちは。

遂にニコンのフルサイズミラーレス機、Z 9が正式発表されました。

ここ数年「ニコンは落ち目」などと散々言われてきて、またネット上のコミュニティだけでなく一般のニュースメディアですら、そうした論調に便乗する形でニコンの業績不振を報道してきました。

しかしニコンのカメラが駄目かというとそんなことは全くありません。むしろ今のZマウント機の写りは非常に高品質でおすすめですし、個人的にはニコンは今最も過小評価されているメーカーだと思っています。

目次

  • Z 9のここが残念!
    • 上面右側はもっと有効に使って欲しかった
    • フロントファンクションボタンの数に見える負の遺産
  • Z 9の印象まとめ
    • 本当に残念だったのは画質に関して語られていないこと
    • 新しい攻めの姿勢が見られるカメラ

そんな中で出てきたこのフラッグシップ機Z 9ですが、良いところを挙げているときりがないくらい素晴らしい機種なので、今回は敢えてZ 9の少しだけ残念に感じた部分についてお話ししていこうと思います。

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違うメーカーのレンズをMTF曲線で比較してはダメ!幾何光学的MTFと波動光学的MTFの表記混在問題

MTF曲線
画像引用:ニコン(https://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_50mm_f12_s/spec.html#mtf)

皆さんこんにちは。

昔はレンズを評価するのにカメラ雑誌などでプロカメラマンや写真家が「空気感」とか「立体感」といった抽象的な表現を使って評価したものを、読者が鵜呑みにするしかありませんでした。

それが近年は機械計測を用いた数学的な比較をもってレンズの評価をする傾向にあります。その一例がMTF曲線で、一般のカメラマニアの中にもMTF曲線を見てレンズの評価をする人が増えてきました

また最近ではMTF曲線が図の上辺に張り付いているようなレンズに対して「MTF直線」といった表現で称賛するといった、もの凄く頭の悪そうな表現も流行っています。

しかしMTF曲線の概念を理解していないまま、表層的なMTF曲線の読み方だけ出来るようになってしまい、本来は比較してはいけない表記の基準が異なるMTF曲線を比較してレンズの評価をしまっている人がかなりいます。

6年前の2015年10月30日に書いた「MTF曲線を読めるようになろう!」という記事の中でも、

“また、MTF図には「波動光学的MTF」と「幾何光学的MTF」という根本的に異なるものがメーカーによってまちまちに表記されているため、MTF曲線は同じメーカーの中でしか比較できません。

これはとても重要な部分なので、良く覚えておいてください。”

と書いていたのですが、

  • 幾何光学的MTFと波動光学的MTFという異なる表記があること
  • それらがメーカーによって混在していること

いずれも6年経ってもまるで認知されていません。

“MTF曲線”というキーワードでGoogle検索すると、当サイトのその記事は私のブラウザ上では現時点でニコン、シグマのサイトに次いで3番目に表示されます

つまりまともにMTF曲線の読み方を知りたいと思って検索した人なら一度は見たことがあるという位、長い間Google上位に表示され、実際アクセス解析を見てもかなりアクセスされているにも関わらず、全くカメラファンには伝わっていないのが現実です。

そこで6年越しに再び言っておきますが、異なるメーカーのレンズをMTF曲線で比較してどちらが良い悪いと評価することは無意味ということを今回はもう少し詳しくご紹介しようと思います。

目次

  • MTF図は異なるメーカーのレンズを比較することは出来ない
    • MTF曲線には「幾何光学的MTF」と「波動光学的MTF」の2種類がある
    • どちらの表記かはメーカーによって違う
      • 各メーカーの表記
    • 幾何光学的MTFと波動光学的MTFでMTF曲線はこんなに違う
    • 異なるメーカーのMTF曲線図を横並びで比較する人の話は聞き流そう
  • 何を基準にレンズを評価すればいいのか?
    • レンズの良し悪しを決めるのは…

というわけで今回はMTF曲線の話なのですが、難しい話はせず、出来るだけ平易でわかり易い表現で、「なぜ異なるメーカーのレンズをMTF曲線で比較してはいけないのか?」という点に絞って改めてMTF曲線について解説させていただこうと思います。

続きを読む 違うメーカーのレンズをMTF曲線で比較してはダメ!幾何光学的MTFと波動光学的MTFの表記混在問題