PFUからiPhoneを利用して写真をデジタル化するスキャナー、Omoidoriが発売されました。
写真表面のテカリなどを防ぐ簡単かつ綺麗に写真をスキャン出来るというこのOmoidori、長い開発期間を経て製品化されたとのことですが、一体どんなスキャナーなのでしょうか?今回はこのOmoidoriをご紹介したいと思います。
■Omidoriの特徴
単にiPhoneで写真を複写するとどうなる?
写真をiPhoneやデジタルカメラで撮影すると環境光が写真表面に写り込んでしまい、テカってしまいます。また周辺部分を正確に位置決めすることが難しいという問題があります。
Omoidoriが綺麗に撮影できる仕組み
Omoidoriが綺麗に複写出来る秘密は2回の撮影を行いそれを合成するダブルスキャンとのこと。
Omoidori本体によって遮光することで環境光の影響を無くし、左右から交互にライトを当てて2度撮影します。1度の撮影では片側が反射してしまうため、交互にライトを当てて2度撮影し、反射がない部分を合成して無反射の1枚の画像を生成します。
Omoidoriは最大で2Lまでの写真に対応しており、加えて赤目補正や人物の顔の向きを検出して画像の向きを直す角度自動補正機能まで搭載しています。
面白いのは日付認識機能で、写真の日付を認識してデータとして記録し、また日付を変更することも可能です。
■Omoidoriの使い方
1.本体を開くだけで自動電源ON
まずはOmoidori本体を開きます。本体の開閉に電源が連動しているため、本体を開くことで自動的にOmoidoriの電源がONになります。
2.対応機種は、iPhone 6S・5・SE・5S・5
OmoidoriにiPhoneをセットします。Omoidoriの対応機種はiPhone 6S, 6, SE, 5s, 5となっており、iPhone 6 PlusやiPhone 6S Plusのような大きなタイプには対応していません。(※iPhone SE, 5S, 5 は付属のアタッチメントで対応可能)
3.スキャンも一発簡単操作!
Omoidoriのアプリを起動してスキャンボタンを押すとスキャンが開始され、画像が記録されます。
Omoidoriの操作は非常にシンプルに設計されており、マニュアルを見なくても簡単に操作することが可能です。
■Omoidoriの仕様
対応機種 | iPhone 6s, 6, SE, 5s, 5 ※iPhone SE, 5s, 5 は、付属のアタッチメントで対応可能。 |
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本体サイズ(W×D×H) | 使用時 | 112mm × 158mm × 142mm |
折り畳み時 | 112mm × 32mm × 152mm | |
本体重量 | 310g(電池搭載時) | |
専用光源 | 白色LED × 4ユニット | |
スキャン範囲 | L判写真(89mm × 127mm)〜 2L判写真(127mm × 178mm)※合成時 | |
電源 | 単4電池 × 2本(推奨:アルカリ電池)※約1,000枚連続スキャン(当社試験条件による) |
■Omoidori開発秘話
開発の始まり
Omoidoriの開発は2006年からということで、実に10年もの開発期間がありました。その間どのような試行錯誤があったのか、Omoidori開発ストーリーを見てみましょう!
Omoidoriの開発は2006年、PFU専務の宮本氏の言葉から始まったそうです。 技術研究の小箱氏がすぐに開発にとりかかり、プロジェクトが動きだしました。
東日本大震災が起こる
多くのアルバムが瓦礫の下に埋もれてしまった東日本大震災。「アルバム写真が簡単にデジタル化出来れば大切な思い出は無くならない。」泥まみれのアルバムを大切に抱える人々の姿を見て、アルバムスキャナを作る決意は確固たるものとなったと言います。
簡単に綺麗にスキャンするためのアイデア
従来の写真スキャナは、アルバム台紙からフィルムを剥がしてスキャンする必要がありました。アルバムに貼ったままで、かつテカりを抑えて綺麗にスキャンする。その難題をクリアするための実験は実に2年以上も続いたと言います。
2013年、諦めかけていた状況で生まれた起死回生の一手は、写真を照らす光の位置を変え、テカりがない部分を合成するという発想でした。
製品名とロゴに託した想い
製品名は最新のテクノロジーではなく、写真のもたらす幸せや喜びを感じてもらえる製品にしたいという想いをこめて、「Omoidori(想い撮り)」と名付けたのこと。また、母鳥が大切な卵を包み守っている姿をイメージしたロゴとしたとのこと。
プロジェクトがはじまって約10年。長い道のりを経て、Omoidoriは完成したとのことです。
Reported by 正隆