次のシステムカメラの大変革はレンズか?

画像:SONY(https://www.sony.jp/ichigan/products/SELP1635G/?s_pid=jp_/ichigan/lineup/e-lens.html_SELP1635G)

皆さんこんにちは。

カメラには大きな変革が起こった時期がいくつかありますが、最も最近ではやはりミラーレスカメラの登場で、レンズ交換式カメラの主流が一眼レフからミラーレスへと変わったことでしょう。

では次のシステムカメラの大きな変化はどこで起こるのか?

それを考えた時、カメラを構成する三大要素である、

  • メカ
  • 光学
  • 電気

を考えた場合、メカに関しては大きな技術革新でもない限り、ミラーレスのその先となりえるシステムカメラの大きなアイデアを持っている人は現状ではほとんどいないでしょう。

電気に関しては、現在は「イメージセンサー」「画像処理エンジン」「バッテリー」など大きな開発費がかけられたり、研究が盛んに行われている分野もありますが、それらで大きな進化が起きたとして、性能の大幅な向上はあっても、システムカメラの形状や外観の大きな変化には繋がりにくいでしょう。

目次
  • 新しい硝材、新しい設計、新技術で大きく変わりつつあるレンズ
    • 小型・軽量化のムーブメント
    • 新しい着想から生まれる新型ミラーレンズ
    • 大幅な小型軽量化が可能になるかもしれないメタサーフェスレンズ

そのため、今レンズ交換式カメラシステムにおいて、次にカメラの見た目ですぐわかるような劇的な変化が起こる可能性おこるのは、「光学」つまりレンズではないかと思います。

■新しい硝材、新しい設計、新技術で大きく変わりつつあるレンズ


レンズ小型・軽量化のムーブメント

レンズもボディ同様、これまでは「高性能化させるほど大きく重くなる」という傾向にあったのですが、新しいレンズ設計や硝材や光学素子を使用することで性能を維持しつつ大幅な軽量化を実現したレンズが登場してきています。

超望遠レンズの構成を変えて劇的に軽量化したり、回折光学素子や、異常分散特性をもった硝材を利用し、レンズ構成枚数を減らすことで軽量化したり高画質を実現したレンズがそれらになります。

超望遠レンズの場合、近年ソニーがレンズ構成を変えることで劇的な軽量化を果たし、それにキヤノン・ニコンも追随する形で、大口径超望遠レンズの軽量化だけでなく重量バランスも改善されました。

またDOレンズやPFレンズなどの、回折光学素子を利用し大幅な小型軽量化を果たした望遠レンズも再び積極的に開発されてきています。

キヤノンのDOレンズなどは昔からありましたが、写りの面で微妙であったり、条件によっては特殊なフレアが出たりと使いにくい面があったためマニアックなレンズカテゴリーでしたが、回折光学素子そのものの改良や画像処理の進化によって、そうした弱点を軽減し、一般ユーザーにも使いやすいタイプのレンズが登場してきました。

またBRレンズのような新しい硝材の登場によって、効率的に良好な画質を実現するといったレンズも登場してきました。

最近のレンズのトレンドは「高画質と小型軽量の両立」にあるように思います。

新しい着想から生まれる新型ミラーレンズ

これまでもあったレンズ設計や素材を進化させる形で小型軽量化を実現するだけでなく、新しいアイデアによって大幅な小型化を目指す特許も出てきています

最近ではキヤノンが公開したミラーレンズの特許は、過去にもあったミラーレンズととは大きく異なるものとなっています。

画像:IP Force(https://ipforce.jp/patent-jp-P_A1-2022-52220)

 

上がその図なのですが、従来のミラーレンズとはかなり大きく異なり、光路を前後ではなく、上下方向と前後方向に4反射させる構造となっています。

これであれば、これまでのミラーレンズのクセとして問題となりやすかったリングボケのないミラーレンズを作ることが可能になっています。

またレンズの構成枚数を大きく減らせることは従来のミラーレンズと同様であるため、「軽く、短く、明るく、ボケ味の自然な超望遠レンズ」を作ることが可能になっています。

この特許は、600mm/F4.0と400mm/F2.8の2つが出願されています。

また従来の600mm/F4.0や400mm/F2.8と比較して、レンズ構成枚数を大幅に減らすことができるため、確実とは言えませんがかなり価格を抑えることが可能になるかもしれません。

大幅な小型軽量化が可能になるかもしれないメタサーフェスレンズ

また近年では「メタサーフェス」という技術が写真用レンズにも使えるのではないか?といったことも研究されており、これが実現すれば、従来の写真用レンズとは比較にならないほど異次元の小型軽量なレンズを作ることができます。

メタサーフェスレンズに関しては、fabcrossの以下の記事を参考にしていただければと思います。

実際には現状メタサーフェス技術に関しては、レンズ交換式カメラのレンズとして主に研究・開発されているわけではありませんし、仮に写真用レンズとして製品化されたとしても、まずはスマートフォン用レンズからだろうと思います。

しかしこれが将来的にレンズ交換式カメラの交換レンズに使われるようになれば、劇的な小型軽量化が可能になります(実際に使われる未来がくるかどうかは別として)。

このように、次のシステムカメラの大変革はレンズでもたらされるのかもしれません。

 

Reported by 平原正隆