muoに南カリフォルニア大学の研究によると、写真を旅行者のうち、頻繁に写真を撮りながら行動する人と、写真を一切撮らずに行動する人では、「写真を撮る人の方がより旅行を楽しめる」という研究結果が掲載されましたのでご紹介します。
■実験1:写真を撮った方が旅行を楽しめる?
- フィラデルフィア行きのバスツアーを計画
- 二階建てバスを2台用意し、約200人の乗客を被験者とした
- スマートフォンや携帯電話の使用は禁止
- 片方のバスの乗客にはカメラを渡し、なるべくたくさんの写真を撮るようにしてもらった
- カメラを渡した人々の方がより多くの出来事を楽しめたとの結果になった
結論:撮影しながら旅する方がより鮮明に記憶に残る
写真を撮っていると撮る行為に神経が行ってしまって、目の前の景色や出来事を楽しんでいないように思いがち。
しかし実験の結果によると、撮影している方がより集中した状態で事象を観察することが出来るため、記憶に強く焼きつき、バスツアーを楽しむことが出来ていたことが明らかになりました。
■実験2:写真を撮った方が料理が美味しくなる?
- 2つのグループに食事をしてもらう
- 片方のグループのみ料理の写真を最低3枚以上撮影してから食事をしてもらう
- 食事後のアンケートで「食事を楽しめた」と回答した人の数で判断
- 結果、撮影してから食事をしたグループの方が「食事を楽しめた」と回答した人が多かった
結論:料理をより観察することで、食事をより味わい楽しむことが出来る
撮影してから食事をした方が、よりその料理に対する関心が増し、積極的に食事をしようという意識が生まれたのではないかとのこと。
最近は外食や手作りの料理の写真をSNSなどにアップロードする風習があり、他人の食事を知って見て何が楽しいのか?という考えもありますが、自分自身が楽しむという面では、淡々と食事をするよりも撮影してみるのは食欲を楽しむためにも効果的なようです。
夏場など食欲が減退した時は、食べる前に撮影することでその料理を良く観察することで、食欲を増す効果が期待出来るかも知れません。
■実験3:撮る行為は良く見る行為につながる?
- カメラを持って参加者に考古学博物館を自由に見学してもらう
- モーションキャプチャーによってそれぞれの参加者の行動を分析
- 写真を撮っている参加者の方が展示物をより丁寧に見ていることが分かった
結論:撮影することで対象物をより観察することにつながる
この実験から、単純に見ることに集中しようとするよりも、撮影することでより深く観察し、細部に気を配る結果につながるとのこと。
撮影するにはまず被写体を良く見なければなりませんから、単純に観察しようとするよりも集中力がますのかも知れません。
単に観察しろと言われたら、同じ美術品を1時間見続けるのは多くの人にとって苦痛ではないかと思いますが、絵を描けと言われたら同じ場所で1時間程度はあっという間に過ぎてしまいますものね。
■写真を撮った方がより人生を楽しめる!?
というわけで、南カリフォルニア大学の研究結果によると、様々なシーンで、写真撮影はその場をより楽しむ結果につながるとのことです。これからは想い出に残すためにも、旅先でどんどん撮影してみてはいかがでしょうか?
また日常の記録というのは一見つまらないようでも、20年30年と経つごとに、撮っておいて良かったと思うことが多いものですよ!
参考:ELITE DAILY
画像:muo
Reported by 正隆