今日は5分で作れるオーロラソースの作り方をご説明したいと思います。思いません。オーロラの撮影方法をご紹介したいと思います。
最近ではオーロラの観光ツアーが人気を博しており、滅多にない機会ですから撮影したいというのが人情というもの。
そこで今日はオーロラを撮影するための機材からノウハウまでを一気にご説明したいと思います。
コレさえ読めば、この通りにやれば、オーロラを綺麗に撮れるという方法です。今年オーロラを撮りに行くという方は是非ご一読頂ければ幸いです。
■撮影地・撮影時期・防寒編
撮影時期
1,2,3,4,8,9,12月頃、北緯65~70度の高緯度で観測可能です。
5月~7月は白夜のためオーロラ観測には適しません。
10,11月も降雪率が高く、撮影出来る日もありますがオススメではありません。
観測地域
カナダイエローナイフなどが有名です。市街地は明るく撮影に向きません。
天候
快晴の日が望ましく、晴れていることが重要で雪や曇りの日は観測できません。
満月では月が明るすぎてオーロラは撮影出来ないという誤解が一部で広まっていますが、実際は満月であっても観測も撮影も可能です。
防寒
オーロラの観測地は冬場は風も強く-40℃程度になる場合もあります。長時間の待機が必要な場合もあり、十分な防寒が必要です。
フード付きの高緯度用もしくは極地用ダウンジャケット、ダウンパンツ、ニット帽、ネックウォーマー、フリース、シャツ、下着、厚手の靴下、手袋、スノーブーツ、カイロ等が必要です。
撮影ツアーの場合はダウンジャケットなどは貸出しが行われますが、インナーグローブや靴下などは用意されていない場合がありますから、しっかりとした防寒準備を怠らないように心がけましょう。
撮影時は厚手の手袋では操作出来ないため、一般的な手袋の上に大きなミトンを重ねた状態で待機し、操作が必要な際はミトンだけを脱いで操作したりします。
カイロはポケットや靴に入れておき、待機時にバッテリーを温めたり手や足先を温めます。
■日中の行動
撮影場所の確認が出来ましたら、昼間は撮影や北極圏ならではのアクティビティを楽しみましょう。
犬ぞり、スノーモービル、スキー等様々な遊びがありますし、日中の観光も非常に綺麗な場所です。
■必要機材
まず最初に機材を揃えます。オーロラの撮影は機材が非常に重要になります。オーロラ撮影は、「一に天候、二に機材、三四がなくて五に知識」です。
カメラ
高感度に強い事、レリーズが使える事、超広角が使える事等が条件となります。寒冷地ではバッテリーの消耗も激しい為、デジタル一眼レフがオススメです。
レンズ
オーロラは時に全天を覆うほど大きくなる為、広角のズームレンズや対角魚眼レンズが適しています。
三脚
持っていける物の中でなるべく頑丈な物を選びましょう。
オーロラは夜景以上の長時間露光が必要なため、三脚は必需品です。
また強い風が吹いていることが多く、軽量な三脚は意味をなしません。綺麗なオーロラを撮りたいのであれば、三脚は重くても可能な限り頑丈な物を選びましょう。
三脚と雲台はオーロラ撮影の成否を決める非常に重要な機材となります。
雲台
オーロラは天頂方向に出たり以外に速い速度で動くため、3way雲台よりも自由雲台の方が向いています。
自由雲台はボール部分にグリスが塗っていない物が凍りにくく望ましいですが、超低温まで対応したグリスも発売されていますので、そちらを塗っておく事も良いでしょう。
また分厚い手袋をして暗い所でカメラを雲台に取り付けるため、クイックシューが必要になります。
レリーズ
カメラの近くに立って撮影する為、赤外線リモコンよりも確実な有線のリモートコードの方が適しています。
バッテリー
気温が下がるとバッテリーの持ちが低下するため、予備バッテリーを携帯し、予備バッテリーを冷やさない事も重要です。
ブロアー
雪や埃がレンズに付いた際息を吹きかけてしまうと一瞬で霜になってしまい撮影が出来なくなります。ブロアは小型の物をポケットに携帯しておくと良いでしょう。
水準器
オーロラ単体よりも風景を含めた構図の方が見栄えしますが、カメラ内蔵の電子水準器は表示非表示を切り替えることが大きな手袋をしている状態では煩わしくなってきます。
そのため、ホットシューに付ける水準器の方が便利です。
懐中電灯
暗い中での操作の為、赤い光の懐中電灯やヘッドランプがオススメです。もしくは明るすぎない手元を照らすだけのネックライトなどが両手が空いて便利です。
ポリエチレン袋(ZIPLOC)
使用後のカメラやレンズを室内に持ち込む際、結露を防ぐ為にZIPLOCに入れて空気を抜いて密封した状態で室内に持ち込みます。
■オススメ機材セット
各社のカメラ毎にオススメの組み合わせをご紹介したいと思います。今後新しい機種が出ても後継機など同クラスの物と組み合わせて頂ければ大丈夫です。
Nikonで最高のオーロラ写真を残したいあなたに | ||
カメラ | Nikon | D810 |
レンズ | Nikon | AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED |
レリーズ | Nikon | MC-30A |
バッテリー | Nikon | EN-EL15 |
三脚 | Gitzo | GK3532-82QD |
Canonで至高のオーロラ写真を残したいあなたに | ||
カメラ | Canon | EOS 5Ds |
レンズ | Canon | EF11-24mm F4L USM |
レリーズ | Canon | RS-80N3 |
バッテリー | Canon | LP-E6N |
三脚 | Gitzo | GK3532-82QD |
Nikonで思わず唸るオーロラ写真を撮りたいあなたに | ||
カメラ | Nikon | D750 |
レンズ | Tamron | SP 15-30mm F2.8 Di VC USD |
レリーズ | Nikon | MC-DC2 |
バッテリー | Nikon | EN-EL15 |
三脚 | Benro | C2570TB2 |
Canonでお見事と言われるオーロラ写真を撮りたいあなたに | ||
カメラ | Canon | EOS 5D Mark III |
レンズ | Canon | EF16-35mm F2.8L II USM |
レリーズ | Canon | RS-80N3 |
バッテリー | Canon | LP-E6N |
三脚 | Benro | C2570TB2 |
Nikonでそろそろちゃんとオーロラを撮りたいあなたに | ||
カメラ | Nikon | D7200 |
レンズ | Nikon | AF-S DX NIKKOR 10-24mm/f/3.5-4.5G ED |
レリーズ | Nikon | MC-DC2 |
バッテリー | Nikon | EN-EL15 |
三脚 | SLIK | カーボンマスター 824 FA |
Canonで趣味なら本気でオーロラを撮りたいあなたに | ||
カメラ | Canon | EOS 70D |
レンズ | Canon | EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM |
レリーズ | Canon | RS-60E3 |
バッテリー | Canon | LP-E6N |
三脚 | SLIK | カーボンマスター 824 FA |
Nikonで気楽にオーロラ写真を撮りたいあなたに | ||
カメラ | Nikon | D5500 |
レンズ | Tamron | SP AF10-24mm F3.5-4.5 Di II |
レリーズ | Nikon | MC-DC2 |
バッテリー | Nikon | EN-EL14a |
三脚 | Velbon | Geo Carmagne E433M |
Canonでオーロラ観光のついでに写真も撮りたいあなたに | ||
カメラ | Canon | EOS Kiss X8i |
レンズ | Tamron | SP AF10-24mm F3.5-4.5 Di II |
レリーズ | Canon | RS-60E3 |
バッテリー | Canon | LP-E17 |
三脚 | Velbon | Geo Carmagne E433M |
■撮影方法
ピント
無限遠に合わせます。距離計がある場合は∞の位置に、距離計が無いレンズでは日中に遠景でピントを合わせてパーマセルテープなどでピントを固定しておきます。
夜間に再度ピントを合わせる必要が出た際には、距離計で無限遠に合わせるか、星の光をライブビューで拡大してピントを合わせましょう。
AFレンズや最近のMFレンズでは、無限遠側に目一杯ピントリングを回してしまうと、オーバーインフによってピンボケしてしまいから注意しましょう。
露出モード
マニュアルモードが基本となります。絞りと感度は固定し、シャッタースピードで露光時間を調整して撮影します。大体のあたりをつけてから、撮影結果のプレビューを見て露光を長くしたり短くしたりして調整します。
保存形式(RAW/JPEG)
RAWで撮影した方が撮影後の色調整が容易でオススメです。
JPEGで撮影する場合は太陽光が一般的ですが、撮影結果を見ながら好みの色になるホワイトバランスに変えても構いません。
絞り/シャッタースピード/ISO感度
オーロラの明るさとレンズF値ごとにシャッタースピードと感度の目安を掲載しますので、これを参考にして設定し、撮影結果を見ながら露光時間を調整してみて下さい。
オーロラはその出方によって露光時間が大きく変わるので、一概に何秒露光するといった決まりはありません。
オーロラは動いているため、三脚を使っていてもシャッタースピードが遅すぎると被写体ブレを起こします。またずっと出ている訳ではなく移動したり弱まったりするため、画質が落ちない範囲でなるべく短い露光で撮影します。
そのため、絞りは開放、感度は画質が落ちない範囲で上げて、露光量はシャッタースピードで調整します。
オーロラの明るさ | 絞り値 | シャッタースピード | ISO感度 |
明るい | F1.4 | 2〜5秒 | ISO400 |
普通 | F1.4 | 5〜10秒 | ISO400 |
暗い | F1.4 | 10〜20秒 | ISO400 |
明るい | F2.0 | 2〜5秒 | ISO800 |
普通 | F2.0 | 5〜10秒 | ISO800 |
暗い | F2.0 | 10〜20秒 | ISO800 |
明るい | F2.8 | 2〜5秒 | ISO1600 |
普通 | F2.8 | 5〜10秒 | ISO1600 |
暗い | F2.8 | 10〜20秒 | ISO1600 |
明るい | F4.0 | 2〜5秒 | ISO3200 |
普通 | F4.0 | 5〜10秒 | ISO3200 |
暗い | F4.0 | 10〜20秒 | ISO3200 |
■オーロラ!オーロラ!
いかがでしたでしょうか?オーロラを撮れる自信がむくむく湧いてきましたね?一生にそうそう見ることができないオーロラ、ぜひ撮影に挑戦してみてください。
オーロラ、それは夜空にたなびく夢の翼。
オーロラ、それは心を写す壮大な物語。
感動的なオーロラをあなたのカメラで永遠に…。
画像:Wikipedia
Reported by 正隆