急に寒くなってきた今日この頃ですが、冬の撮影は手が冷えて辛いですよね。しかしそこは皆さん寒いからって撮影を諦めるような生ぬるいカメラマンではないでしょう。そんな皆さんの撮影をフォローする今日はフォトグローブのお話です。
ダウンジャケットの記事も以前に書かせて頂いておりますので、そちらと合わせて皆さまの冬の撮影のお役に立てばと思います。
■フォトグローブを選ぶポイント
フォトグローブが普通の手袋と違うのは、指先部分が開く、もしくは指先だけ空いている点です。
しかしドライビンググローブと違うのは指先が開くと言っても、全ての指先が開くのではなく、親指と人差し指の先だけ開くようになっていることと、多くの場合指先を開けたのち折り返して止められるようになっている点です。
またフォトグローブは概ね滑りにくい加工が手のひらにされており、カメラを落とすリスクを軽減しているのも特徴となっています。
サイズ感
フォトグローブを選ぶ際のポイントとしては、まずはサイズ感です。サイズが大きすぎたりすると指先が十分出なかったりカメラの操作がやりにくくなってしまいます。かと言ってキツすぎるとはめるのが煩わしくなるので適切なサイズを選びましょう。
防寒性
次に大切なのは適切な防寒性のものを選ぶことです。フォトグローブにはオーロラ撮影に使えるようなものから、街中での使用を想定したものもあり、暑すぎたり寒すぎたりしないように選びましょう。
防水性
また雪の中でも使うことを考えているのであれば防滴性も重要になりますが、防滴や防水のグローブは生地が硬めでどうしてもゴワつくことが多いため、そういった状況では使わないという事であれば防滴性がない方がむしろ好ましい場合が多いため、その辺も考慮して選びましょう。
■おすすめフォトグローブ
アクリル無地指なし手袋
最近私も買った手袋で、正確にはフォトグローブではないのだと思いますが、厚手のアクリル無地指無し手袋は暖かく作りもしっかりしており、普段使用するのには不満はありません。
手触りもいいですよ。ただし本格的なフォトグローブではないので滑り止めはなく、指先は出たままなので真冬の長時間の撮影などでは厳しい部分があるかと思います。
もちろんスマートフォンやタッチパネルのカメラでも素手と同じ感覚で扱えるためそういったハードでない撮影用としては非常に快適に使える手袋となっています。
freehandsフォトグローブ(メンズ)
freehandsフォトグローブ(メンズ)は、アメリカのfreehands社が作っている撮影手袋で近年非常に人気があります。ちなみにこれも私は使用していますが、大変作りが良くオススメです。
ただし2015年モデルになってから指先に薄手のインナーがついたためスマートフォンの操作などは手袋を脱がないと出来ません。この点だけはやめて欲しかった…。しかし撮影中スマートフォンの操作をしない方ならより暖かくなって快適です。
特徴
- グローブ外側は耐水ポリエステルが採用され風雨の撮影に対応。
- グローブ内側は暖かいフリース素材で温かです。
- マグネットで固定されるフィンガーキャップは指先を出した際に邪魔になりません。
- フィンガーキャップを外した際も薄手のインナーがあるため冷たくありません。
- グローブの手のひら側はシリコン滑り止め加工が施されており機材をしっかりホールドできます。
- グローブ左手の外側には小物が収納できるジッパーポケットを装備。
多くのフォトグローブがフィンガーキャップを外して指先だけ出すタイプの場合、ミトンのように全ての指先が出てしまって寒かったり、人差し指と親指だけ出るタイプはベルクロで留めるタイプでベルクロの部分に毛玉が付いたり痛んだりしてしまいます。
しかしfreehandsフォトグローブは小さな磁石でとめるため非常に快適かつ傷みにくくなっています。何よりもこれほど質の高いフォトグローブはなかなかありません。
freehandsフォトグローブ(レディース)
freehandsフォトグローブにはレディースモデルも用意されており、そちらは軽さと温かさを重視、グローブ全体の中綿に保温性の高いシンサレート素材を用いた。メンズフォトグローブと同様手のひら側にはカメラのホールド力を高める素材でパッチ加工を施しています。
フィンガーキャップがマグネット式で他のフォトグローブのようにベルクロではないため、衣類に引っかかったりホコリがつかない点も個人的に気に入っています。
loweproフォトグローブ
Loweproフォトグローブはこの手の撮影用グローブとしては薄手になっているのが特徴です。
特徴
- 手にフィットするデザインで手の平は滑り止め加工されているのでカメラや三脚の操作がスムーズに行えます。
- 親指と人差し指はグローブの先を折り返して外に出す事ができます。
- デュポン社開発のサーマックス繊維の生地は湿気を調節するので手が湿らず快適です。
薄手のため0〜10℃程度までの環境に適しており、あまり寒すぎる場所では厳しいですが、他の撮影用手袋よりもカメラの操作性に優れます。またかなりタイトに作られているため、女性でSかM、男性は手の小さい方でもM、普通の大きさの方であればLが適正サイズです。
手の大きな方はおそらくLでも入らないか、もしくは装着に難儀するためオススメではありませんが、その分他の撮影用手袋よりもフィット感に優れており、素手のような感覚でカメラを操作できるのが特徴です。
ND フォトグラファーズグローブ NPG001
あのNikon純正フォトグローブ、NPG001です。インナーグローブとアウターグローブのセットで、一般的なフォトグローブよりかなり暖かく、値段は張りますがオーロラ撮影や冬の北海道の撮影などにも使用できます。
特徴
- ニコンダイレクト限定販売。
- 厚手のアウターと薄手のインナーの二重構造のため、暖かく洗濯などの際にはインナーグローブだけ洗えます。
- アウターグローブには暖かさを保ちつつカメラ操作を可能にする人差し指と親指の二本の指出し機構を採用。
- 耐久性、柔らかさ、滑り止め等に配慮し、グローブの部位ごとナイロン、山羊革、合皮を使い分け、操作性もよし。
- インナーグローブには甲の部分に湿度(水分)に反応する発熱素材を採用し、厳寒な気候の中でも暖かで快適な装用感を実現。
- ストレッチ素材の採用で指先までフィット感を高め、高度なカメラ操作も可能に。
- 手の平側には滑り止め効果のあるシリコンプリントを採用。
- タッチパネル対応で人差し指と親指の指先には導電素材を使用しています。
いわゆるロブスタータイプのミトンで、三本の指をまとめることで保温性を、人差し指と親指を独立することで操作性を確保しています。雪や冷気の侵入を防ぐドローコードやフィット感を増すことの出来る手首調整ベルトなど、本格的な登山用グローブと同じ構造になっています。
雪が手袋の中に入ってしまうとその手袋はその撮影中ずっと使い物にならなくなり、代わりのグローブがなければ撮影を断念するしかなくなってしまいます。またそういった手袋なしでは撮影が出来ない環境にこそ頼りになるグローブです。
惜しむらくは防水素材ではないないことですが、防水スプレーを事前にしっかり塗布しておくことで対応可能です。厳寒地でも使えるフォトグローブは選択肢が少なく、Nikon NPG001は過酷な環境で撮影に挑むカメラマンにオススメです。
■フォトグローブはお早めに
冬の撮影はつらいもの、しかし防寒をしっかりすれば撮影に積極的に挑めます。防寒で大切な事は、一部だけハイスペックなものを選ぶのではなく、頭(ニット帽)・首(マフラー、ネックゲーター)・胴体(ダウンジャケット)・手(撮影手袋)・足(化繊入りパンツ)・靴下(厚手靴下)・靴(防寒靴)など、全身を包むように、肌の露出を満遍なく防ぐ事が重要です。
フォトグローブに関してはダウンジャケットと同じく人気のモデルは真冬に入る前に一般的なサイズは売り切れてしまいます。必ず秋までに、つまり今のうちに買っておきましょう。
撮影向きのダウンジャケットの記事も掲載しておりますのでぜひ参考にしてみて下さいね!皆さんの撮影が快適に行えますように!
Reported by 正隆