海外の写真系YouTubeチャンネルMango Streetに、ポートレートライティングの基本となる7種類のライティングを実践した動画が投稿されています。
目次
- バタフライライティング
- レンブラントライティング
- ループライティング
- スプリットライティング
- リムライティング
- ブロードライティング
- ショートライティング
そこで今回は、このポートレートラティング基本7種類をご紹介します。
■バタフライライティング
バタフライライティングは、人物の正面斜め上から光をあてるライティングで、鼻の下に蝶々のような影ができることからバタフライライティングと呼ばれています。
輪郭が美しいと両サイドの頬にシルエットができることから、顔の形が良い美人似合うライティングと言われています。
■レンブラントライティング
伝統的でクラシカルなライティングがこのレンブラントライティングです。
レンブラントライティングは、17世紀のオランダの画家、レンブラント・ファン・レインの画風由来する彫りの深さを感じさせる陰影の強調されたライティングで、光源の反対側の頰に三角形のハイライトが入るのが特徴です。
ただし、多くの場合このままでは陰影がきつすぎるために、シャドー側から補助光を当てたり、次に解説するループライティングのように陰影を柔らかくする工夫を行う、あるいはその両方を行うというのが一般的です。
■ループライティング
ループライティングは、鼻の左側にできる影の形が輪っか状であるためループライティングと呼ばれています。
ループライティングは、レンブラントライティングの陰影がきつすぎることから、考案されたレンブラントライティングを柔らかくしたようなライティングで、このループライティングに他の補助的なライティングを組み合わせるというのは伝統的なライティングを組む営業写真館などで使われることの多い手法です。
レンブラントライティングよりもループライティングの方が柔らかい光となるわけですが、レンブラントライティング時よりも光源の高さを下げたり、カメラマンに近い側に光源を寄せるなどすることで、光が顔に当たる角度がやや正面に近くなるとループライティングになります。
■スプリットライティング
スプリットライティングというのは、顔の中心線を境にして、ハイライト側とシャドー側を真っ二つに分けるライティングのことです。
照らされる面積が半分程度であるため、顔痩せ効果などを出せますが、そのままでは極端に硬いライティングであるため、補助光を入れるのが一般的です。
シリアスなドキュメンタリーや男性ポートレートなどで使われることのあるスプリットライティングですが、コントラストが高く鑑賞する側もが疲れるライティングであるため、内容に合っているのかなども踏まえて、ここぞという時に使うと良いでしょう。
■リムライティング
リムライティングは人物の背後から当てるライティングのことで、人物の輪郭に光の輪を描くような効果を得ることできます。
リムライティング単体では宇宙人が降りて来たようなライティングになってしまい、顔の表情が見えないため、他のライティングと組み合わせるわけですが、それでもリムライティングの光量が強いと古臭い表現に見えることが多いため、現在では背後から強い光が当たっているということを意識させない程度に当てるのが一般的です。
リムライティングは髪の毛に輝きを与え、黒バックの撮影などでは黒髪が背景に溶け込まないようにするなどの効果があります。
■ブロードライティング
ブロードライティングは、レンブラントライティングの状態から、カメラ位置を順光に近くなる位置に寄せて撮影したものです。
つまり、ブロードライティングはレンブラントライティングの撮影位置を変えたものであり、「ブロードレンブラントライティング」というのが正式名称となります。
■ショートライティング
ショートライティングは、いわばブロードライティングの逆バージョンとなるライティングで、レンブラントライティングの状態から逆光側にカメラ位置を移動させて撮影したものです。
つまり、ショートライティングはレンブラントライティングの撮影位置を変えたものであり、「ショートレンブラントライティング」というのが正式名称となります。
というわけで今回は、人物撮影における基本のライティング7種類をご紹介させていただきました。
これに様々な補助光を加えて、イメージするライティングを実現していくというわけです。
画像:YouTube(Mango Street)
Reported by 正隆