カメラ業界、総員玉砕せよ!!

ミラーレスカメラ

遂にオリンパスがカメラ事業の売却を発表しました。

これが1936年の「セミオリンパスI型」から長く続いたオリンパスカメラの事実上の終焉を意味することを、オリンパスファンを含むカメラマニアの多くが少なくとも本心では気付いているはずです。

そして次にカメラ市場から退場するのはどのメーカーなのか?どのメーカーなら生き残れるのか?…と戦々恐々としている方も多いようです。

しかし心配はいりません。

これまでのような形態のカメラ事業を続けられるメーカーなどありはしません。重ねて申し上げます。ありません。

  1. 会社の為にカメラ事業を売却し撤退する
  2. カメラ事業からは撤退しないが会社ごと売却する

全てのメーカーはこのいずれかの選択を数年内に迫られることになるでしょう。

もうカメラマニア同士が内輪で「どこは潰れる」「どこは生き残る」などという論争に明け暮れることは本当に愚かで滑稽な話です。

もう敵も味方もないのです。助かる道もありません。

何もかもが手遅れであり、ここまで来てはどれほどの天才をもってしても、大量生産品としてのカメラが生き残る手段は見つけられないでしょう。

全てのカメラメーカー、レンズメーカー、アクセサリーメーカーは、同じタイタニック号の乗客であり、等しく沈みゆく運命にあるのです。



■これまでのようなカメラ事業を続けられるメーカーなどない。


企業体力や映像事業への依存率とカメラ事業の存続は関係がない

各カメラメーカーのカメラ事業の形態には二種類あります。

  1. 他の事業が基幹事業でカメラ事業は末端事業である企業
  2. カメラ事業が基幹事業の一つである企業

これを実際の企業に当てはめると、

  1. ソニー、パナソニック、富士フイルム、リコー
  2. キヤノン、ニコン

こうなります。

ソニー、パナソニック、富士フイルム、リコーは、少なくとも「カメラの販売不振をもってして」会社が傾くということはないでしょう。他の理由で会社が傾くことはどの企業でもあり得ることなのでそれは論じても意味がありません。

対してキヤノンはカメラ事業が上手くいかないことは企業全体にとって大きな打撃となりますし、最もカメラ事業への依存度が高いニコンに至ってはカメラが売れなければ会社そのものが危険な状態に陥ることになります。

ではカメラが売れなくてもそれ自体では大して困らないソニー、パナソニック、富士フイルム、リコーのカメラ事業は安泰なのか?というとそうではありません。

カメラが基幹事業でないからこそ比較的簡単に切り捨てられるのが、ソニー、パナソニック、富士フイルム、リコーです。

オリンパスがカメラ事業を売却した際にオリンパスの株価が上がったことからも分かるように、いずれのメーカーも株主からは「カメラなんて将来性のない事業からは早く撤退しろ」と思われています。

また、カメラ事業から手を引いた方が会社の業績や評価が上がるのであれば、撤退するのは企業として合理的な選択です。

ですから、表向きどのような広報を行なっていたとしても、全てのカメラメーカーが、内部ではカメラ事業からの撤退時期を検討しているというのが実情でしょう。

キヤノンやニコンはカメラ事業を切り捨てることは容易ではありません。

キヤノンは他の事業がそれほど順調にいっていないように見えますし、全国の家電量販店などからカメラ販売員を撤収させたことからも、カメラ事業からの緩やかな撤退も視野に考えているでしょう。

ニコンにとってはカメラ事業が完全に成り立たなくなる時はニコンという企業の終焉(売却)と同義になる可能性が高いでしょう。しかし言い換えれば、他のメーカーと比較してカメラ事業を(切り捨てたくとも)切り捨て難い企業であるとも言えます。

いずれにせよ、どのメーカーも今後写真用カメラ事業で利益を出すことは出来ないでしょう

となれば、カメラメーカーは結局は次の二択から選ばざるを得なくなります。それが、

  1. 会社のためにカメラ事業から撤退するか?
  2. カメラ事業は撤退しないが会社ごと売却するか?

の二択です。

つまりカメラを基幹事業としていようとも、そうでなかろうとも、カメラ事業を存続させることは全てのメーカーにとって極めて困難なことだということです。

◯◯(メーカー名)は今後もカメラ事業を続けられる、などという寝惚けた考えは捨てましょう。そんなメーカーは1社もありません。

 

■最後くらい華々しく…。


どうせ続けられない事業なら潔く。

カメラ業界は長い間不振が続いていましたが、この春のコロナショックが決定打となってしまいました。

そして1936年(昭和11年)から長いカメラの歴史を持つオリンパスの撤退は、他のメーカーにも大きな決断を迫るものとなったはずです。

極一部の業務機はこれからも細々と作られるかもしれませんが、それはこれまでカメラ業界が売り文句として称してきた、実際の購入者の大半はアマチュアである「名前だけのプロ機」のことではありません。

ガチガチのプロだけを対象とした業務用機種だけが細々と作られるかもしれませんが、いずれにせよカメラファンや写真愛好家には価格や運用面から縁のないモデルとなると思います。

しかし趣味や記録としての写真撮影のほぼ全てが既にスマートフォンに移行した現状を考えれば、いわゆる写真機はその存在自体、実はその社会的役割を既に終えているのかもしれません。

ならばカメラ業界はカメラメーカー、レンズメーカー、アクセサリーメーカー、いずれも最後にそのメーカーの歴史と技術を象徴する記念碑的モデルを作って華々しく散るのが良いのではないかと思います。

だからこそ…

カメラ業界、総員玉砕せよ!!

 

Reported by 山﨑将方