デジタルカメラにUVカットフィルターは不要と言われていますが、本当にそうなのでしょうか?
UVカットフィルターとプロテクターフィルターをデジタルカメラで使用した場合違いは出るのか?今回はそんなお話です。
■デジタルカメラにUVカットフィルターが不要と言われる理由とその実際
デジタルカメラにおけるUVカットフィルター不要論
まず先に、デジタルカメラにUVカットフィルターが不要と言われるのかと言いますと、フィルム時代と違ってデジタルカメラでは撮像素子のローパスフィルターで紫外線と赤外線をカットしてしまうためと言われています。
赤外吸収ガラス(IRカットフィルター)は有名ですが、実は上の図のように、紫外線もダイクロイックミラーやIR&UVカットコートでカットされています。
このように、ローパスフィルターで紫外線をカットしていることが、デジタルカメラにUVカットフィルターが不要と言われる理由になっています。
それでも実際にUVカットフィルターを使ってみると?
しかし実はローパスフィルターの紫外線カットは完全ではなく、特定の波長からスパッとカットするわけではないため、実際にはUVカットフィルターを付けると、色収差を低減することが出来る場合があります。
また空などは少しだけコントラストが上がったり色かぶりを僅かに減らせる場合もあります。
■デジタルカメラでUVカットフィルターを使う意味
UVカットフィルターは必須ではないが無価値でもない
デジタルカメラ時代におけるUVカットフィルターは、フィルム時代のような大きな差が生まれにくいこと、また稀に色被りを引き起こしてしまうケースや、光学面を増やすこと(フィルターを装着しない場合と比較して)で、フレアなどの発生原因になる場合があるというデメリットがあります。
しかし、UVカットフィルターは色収差を低減したり、フィルムカメラと比較して若干ではあるもののコントラストを上げる効果が期待できる場合があり、レンズへの入射の時点で不要な波長の光をカットすることの意味は無くなったわけではありません。
結論としては、「デジタルカメラにおいてUVカットフィルターは使うべきとまでは言い切れないが、使うメリットもある」ということでしょう。
そのため、色収差が目立つレンズでだけUVカットフィルターを使用するといった使い方もあるのかも知れません。
Reported by 正隆