三脚にもライカバッジを!LEICAの高級自由雲台をご紹介!

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今日はライカの雲台と三脚のお話。三脚と言えばライカ!雲台と言えばライカですよね!

…そんな訳ありませんよね。むしろライカで三脚や雲台の印象は薄いと思います。実際特別優れている訳ではありません。勿論コストパフォーマンスは悪いです。

しかしそこはライカ。他のメーカーにはない独自性があります。



■まずは製品ラインナップ


雲台
・ボールヘッド 18 S(ショート)/重量 230g/耐荷重 7kg
ボールヘッド 18 L(ロング)/重量 250g/耐荷重 7kg
・ボールヘッド 24/重量 137g/耐荷重 12kg
・ボールヘッド 38/重量 436g/耐荷重 24kg

三脚
・トラベラー三脚/3段/全伸高 151cm/伸高 121cm/縮長 52cm/重量 1.2kg/耐荷重 10kg

この他に卓上テーブル三脚もあります。

■ボールヘッド18


まずボールヘッドの特徴ですが、ボール径18mmの自由雲台は小型ですがボールに溝を作ることで、ボール径の大きさの割に高い固定力をもっています。

こういったコンパクトなボール雲台は通常手で力を入れるとズズッと簡単に動いてしまうものが多いのですが、ボールヘッド 18はある程度までなら力を込めても動きません。

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ショートタイプとロングタイプがありますが、M型ライカは昔はカメラ側のネジ穴が本体の角の方にあったため、縦位置撮影でカメラを横に倒した時にカメラ本体がかなり下にくる為、三脚の基台の部分にカメラがぶつかってしまう事がありました。それを防ぐ為に雲台を細く高くしたのがロングタイプです。

現代のデジタルカメラやM型ライカの多くはレンズ光軸上(カメラ底面の中心)に三脚穴があるため、縦位置に倒してもぶつかりにくくはなっていますが、自由雲台自体がコンパクトなため、基台が大きい三脚で使用する場合はやはりぶつかりやすくなってしまいます。そういった場合はロングタイプで良いでしょう。

Leicaの卓上三脚や基台の小さい三脚などでは携帯性を重視してショートタイプがおすすめです。

■ボールヘッド24とボールヘッド38


次にボールヘッド 24と38に関してですが、24は一般的な自由雲台、38はフリクションコントロールや水平を取ったのち前後方向だけを動かせるように出来るティルト機構、パン動作を15度ずつ固定できるパノラマヘッド機能があります。

ライカのカーボントラベラー三脚と合わせるにしてもサイズ的には38の方がマッチする事が多いでしょうし、独自の機構が沢山あるという意味でも38の方がオススメです。

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実はこの雲台、ライカが出してはいますが、元は恐らくFLMというドイツのメーカーが作っています。

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日本ではアガイ商事が代理店をつとめています。作りに関してはまあまあ、ボールヘッドとしての機能はかなり多機能なモデルとなっています。

ではライカブランド料が加わらないFLMを買うという手もあるのですが、それを言い出すと数多の他のメーカーの自由雲台も選択肢になってきます。

性能重視であればもっと良いものがあり、コストパフォーマンスでは言わずもがなです。それでもライカの雲台と三脚を使いたいという方が買うのがライカの雲台と三脚です。

■ライカ雲台のオリジナリティ


ちなみにFLMと違うライカ雲台の独自性はクイックシューにあります。

FLMのクイックシューは一般的なアルカスイスタイプですが、ライカ版ではクイックシューが珍しいシステムになっており、非常に小さいクイックシューで収納やグリップ時に邪魔にならないようになっています。M-EQUIPMENT-BALL-HEAD-OPTIONAL-ACCESSORIES_teaser-960x640 (1)カメラネジの大きさと比較すればどれほど小さいクイックシュープレートかお分かり頂けると思います。幅1cm、長さ3cm程度もないと思いますが、これでしっかり止まります。

固定方法が一般的なクイックシューのようにアリガタ部分を挟み込んで固定するのではなく、アリミゾにはめ込んだのち、雲台側のナットを回してクイックシューを下に引っ張る事で、クイックシューにつながっているカメラを雲台に押し付けて固定します。

言葉では分かりづらいと思いますが、ダブルナット式の雲台のように、ネジを小さいナットを回してカメラにはめる、それをもう一方の大きなナットでまっすぐ下に引く力を加えることでカメラを雲台に押し付けるというのと同じ原理です。

これを最初の雲台側のネジをカメラ本体のネジ穴にあてがって回していく煩わしさを、クイックシューで補うというのがライカクイックシューのシステムです。

カメラとクイックシューの設置面が小さいクイックシューでは固定力が弱かったり、クイックシューがカメラやレンズの重さで緩んで回ってしまう場合がありますが、ライカクイックシューではクイックシューを雲台に滑り込ませたのちナットで下に引っ張り雲台にカメラ底部を直接押し付けるため、クイックシュープレートとカメラ本体の設置面積が小さくても、最終的には雲台の上部とカメラがしっかりと密着してカメラが雲台に固定されるという訳です。

クイックシューは便利だけど手へのあたりが悪いとか、カメラバッグに収納する時に邪魔でという方にはこの非常にコンパクトなクイックシューシステムはおすすめです。

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さて、三脚の方ですが、こちらも多分FLMの三脚のOEM製品だと思います。正直作りはいまいちなのですが、機能的に非常に多機能で面白い三脚ですのでいずれご紹介出来ればと考えています。

今日は超有名メーカーでありながらあまり注目されることのない、ライカの雲台をご紹介いたしました。

■ライカのカメラにライカの三脚


ライカのカメラ自体、三脚を使われるかたは少ないとは思いますが、どうせならライカで揃えたいですよね。

画像:Leica,FLM

Reported by 正隆