カメラバッグと言えばドンケでしょ?定番の魅力とラインアップをご紹介!

DOMKE F-2 black

というわけで、今日はドンケ(DOMKE)のカメラバッグのお話。

非常に有名なカメラバッグメーカーDOMKEですが、モデルの体系が分かりづらい部分もあり、なにが違うのか、どういった特徴があるのかなどを解説したいと思います。カメラバッグをお探しの方は参考にされてみては?



■DOMKEってどんなメーカー?


なぜDOMKEがこんなに有名になったかというと、新聞社の報道カメラマンだったジム・ドンケが当時報道では一般的だった銀箱よりも軽く持ち運びやすいバッグを求めて、自宅で作ったのがドンケバッグの始まりです。

日本でも’80年代から90年代にかけて支持者が増え、報道機関のカメラマンがこぞってDOMKEを手にするようになりました。

■DOMKEバッグの魅力


DOMKEバッグの魅力を一言で伝えるなら「シンプル・イズ・ベスト」です。質実剛健なイメージがありますが、機材の保護やバッグ自体の丈夫さという意味では現代の化繊バッグには及びません。機材をしっかりと保護してほしい、バッグ自体も丈夫であって欲しいという方は、TENBAやLoweproのバッグの方がオススメです。

しかしながらDOMKEバッグはそれら現代の高性能カメラバッグにはないシンプルさがあります。軽く、薄く、柔らかい生地で体にフィットすることで、カメラバッグにありがちな体の横に箱を抱えているような異物感を感じさせません。

もちろん大型のタイプではかなり大きなものを抱えている感触はありますが、薄いクッションと生地によってバッグ本体の大きさの割にかなりの収納力を誇ります。

しっかりと頑丈に保護する最新の高性能バッグとは真逆のベクトルをもった、よりシンプルにより軽くというのがDOMKEバッグの魅力と言えるでしょう。

■DOMKEのラインアップ


DOMKEにはDOMKEには12ものシリーズがあり、その中で更に大きさ・素材・色、などでバリエーションがあるため実はかなりのモデルがあります。

バリスティックナイロンやしっかりしたクッションのコンパートメントなどを使用した現代的なモデルも発売しているDOMKEですが、正直なところそういった「今時のカメラバッグ」を選ぶならLoweproやTEMBA、ManfrottoのKataからのシリーズなどを購入した方が機能的であるため、DOMKEを購入する人の大半はキャンバス地とシンプルなコンパートメントのスタンダードシリーズなのが現実です。

スタンダードはDOMKEの歴史のスタートでもあるF-2を始め、コットンの生地を使用したシリーズとなっています。大小様々なサイズがあり、DOMKEの中核シリーズとなっています。

取り外し可能なシンプルなコンパートメントがあるだけで、本体自体には緩衝材などは使用されておらずコットン生地のものは丸洗いすることが可能です。コットン、ワックスオイル加工されたコットン、バリスティックナイロンの3種類の生地があり、ブラック・サンド・オリーブの三色の基本色に加えて一部限定色のものもあります。

■スタンダードシリーズの収納力


DOMKEのスタンダードシリーズは、その中で大きさや形で更にシリーズに分かれており、更に素材や色で分かれます。F-10からF-1Xまでありますが、大きさの順という訳ではないのでお気をつけ下さい。大まかな収納可能機材の目安を記入しておきます。

F-10/小型一眼レフx1台+レンズ1,2本程度
F-9/小型一眼レフx1台+レンズ1,2本程度
F-803/中型一眼レフx1台+レンズ1,2本程度
F-802/中型一眼レフx1台+レンズ2,3本程度
F-8/中型一眼レフx1台+レンズ1本程度
F-7/フラッグシップ一眼レフx1台+レンズ3,4本程度
F-6/フルサイズ一眼レフx1台+レンズ3,4本程度
F-5XC/中型一眼レフx1台+レンズ3本程度
F-5XB/小型一眼レフx1台+レンズ1本程度
F-5XA/小型一眼レフx1台+レンズ1,2本程度
F-4AF/フルサイズ一眼レフx1台+レンズ2,3本程度
F-3X/フルサイズ一眼レフ×1台+レンズ2,3本程度
F-2/フルサイズ一眼レフ×2台+レンズ2,3本程度
F-1X/フラッグシップ一眼レフx2台+レンズ3,4本程度

■素材の違い


DOMKEには生地が数種類あります。機能的には化繊のバリスティックナイロンが良いのですが、それでは味気ないと思いますのでどうせDOMKEを使うならコットンかワックスウェアが個人的なオススメです。

・コットン

最もベーシックな素材で、DOMKEの柔らかさや軽さを感じられる素材です。また丸洗いすることも可能です。

・ワックスウェア

ワックスコットンを素材としたシリーズで、耐久性と耐水性に富む米国ワックスウェア社のオイル引きキャンバス使用、生地にオイルが染みこませてあり、使用頻度にもよりますが2~3年でリプルーフ(再塗布)することによって生地の寿命を延ばすことが出来ます。

・バリスティックナイロン

バリスティックナイロンで仕上げたシリーズ。コットンよりも防水性と引き裂き強度にも優れており、バッグ内側壁には薄くクッションが施してあります。1050デニールのバリスティックナイロンを採用。酷使しても型崩れしにくく、ウレタン特殊加工により強力な撥水性能を備え汚れにも強い素材です。

■スタンダードシリーズのラインアップ


スタンダードシリーズの仕様などを表にまとめてみました。

DOMKEスタンダードシリーズ比較表
モデル F-10 F-9 F-803 F-802 F-8 F-7 F-6 F-5XC F-5XB F-5XA F-4AF F-3X F-2 F-1X
横幅(cm) 29 22 33 38.5 23 48 32 27.5 25 22 34 34 40 52
奥行(cm) 15 15 11 13 13 17 17 11 12 12 21 18 17 22
高さ(cm) 22 22 25 32 18 31 21 27.5 18 18 30 26 23 22
重量(kg) 0.725 0.63 0.8 1.1 0.8 2 0.8 0.8 0.5 0.5 1.1 1.1 1.2 1.7
コットン
ワックス なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし
ナイロン なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし

■結局どれがオススメなのか?


もちろんThe Originalと呼ばれるF-2です。DOMKEの記念すべき最初のバッグであり、当時からほとんど変更されていない完成度の高さがあります。

F-7F-1Xの方が容量は大きいのですが、F-2も大きなサイドポケットも含めかなりの容量があり相当な機材を入れられます。これ以上大きいモデルだとそもそもショルダーバッグでは重量的に辛く、バックパックの方が向いています。

DOMKE F-2 wax DOMKE F-2

ドンケの良さを最も感じられるモデル、それがF-2と言えるでしょう。ワックスウェアも良いですし、まさにoriginalと言えるコットンも魅力的です。

この記事のトップに載っているのがF-2ブラックカラーのコットン、少し上の茶色のものがF-2ワックスウェア、下の写真がF-2オリーブカラーのコットンモデルと、F-2サンドカラーのコットンモデルです。

DOMKE F-2 olive

DOMKE F-2 sand

■カメラバッグの始祖にして完成形


ドンケ特集いかがでしたか?ドンケの良さは多機能ではなくその機能をギリギリまで削ることで生まれるシンプルさにあります。

小物を細かく分けて収納するといった使い方ではなく、大きなポケットや融通の利くメインコンパートメントに機材をラフに放り込んでさっと担いで走りだす、そんな使い方こそドンケの真骨頂です。

ややこしいカメラバッグに飽きた方、ぜひ一度ドンケを試してみてはいかがでしょうか?

画像:Amazon

Reported by 正隆