今日はKICK STARTER発のiPhone用ライトメーター「Lumu Power」のお話です。
こんなコンパクトな中に露出計とカラーメーターが内蔵された夢のアイテムが登場!
■KICK STARTERってなに?
いわゆるクラウドファンディングというもので、こういう商品を作りたいんだけどという人が名乗りをあげ、その製品がいいなと思った人が支援金を出して実際に製品化を目指すというものです。
支援金を元に製品を開発し販売しますが投資とは違いお金を出した人はその製品が儲かってもお金がもらえる訳ではなく、何らかの形でサービスが受けられるのですが、多くの場合その支援金を出して実際に製品化したものを割安で購入できるというのが一般的です。
要するに前払いの予約注文で予約した方は少しお得に買えますよというのが定番です。
カメラ関係で有名なとろこでは、Peak DesignのCapture Camera Clipがあります。ちなみに私も愛用しています。ホントにいい製品ですよ。
■Lumu Powerってなに?
Lumu LabsというiPhoneを簡易露出計に変えるメーカーがKICK STARTERで資金を募集して開発しているライトメーターで、露出計+カラーメーターの機能を持ったガジェットで、iPhoneのライトニングコネクターに差し込んで専用アプリを使用することで露出や色温度を測定することが出来ます。
ドーム状のセンサーで環境光とフラッシュを計測し、裏面の平板はカラーセンサーになっているため、色温度、ホワイトバランスと照度を測定する。
専用のアプリを使用しますが、アプリをインストールした状態でLumu Powerを差し込むとアプリが自動起動し、さらに露出計とカラーメーターどちらのセンサーを使っているのかを自動認識してモードを切り替えるため煩わしい操作は不要です。
色温度を測定しK(ケルビン)で表示するため、それに合わせてカメラ側の色温度を設定すれば良いというわけです。
カメラ本体にももちろん露出や色温度を補正する機能は付いていますが、Lumu Powerは入射式の露出計やカラーメーターとして使用できるため、より被写体の明るさや環境光の色かぶりを正確に計測することが出来ます。
露出計は瞬間光も計測できます。iPhoneはX接点はさすがにないのでシンクロトリガーの機能はありませんが、計測状態でストロボ光が発光すればそれを計測してくれます。
測定範囲は-4EV〜20EV(ISO100)、精度は±0.1EVと単体露出計に引けを取らない精度を実現しています。更にカラーメーターと照度計としての機能があり、照度計の測定範囲は0.15〜25万ルクス、精度は±3%とこちらも十分な精度を確保しています。
■Lumu Powerのメリットその1/コストパフォーマンス
まずは単純に安いという点が挙げられます。例えばSEKONICのL-478D(露出計/約35,000円)+C-700(カラーメーター/約150,000円)を購入すると合計で180,000円を超えてしまいます。
もちろん専用機ならではの性能や使い易さがあり、日常的にスタジオライティングを行うプロカメラマンならそちらがオススメです。
しかしながら時々使いたいという人には本格的な単体露出計やカラーメーターは無用の長物でしょう。その点Lumu Powerは、30,000円程度で単体露出計とカラーメーターが揃い、基本的な機能は揃っています。
SEKONIC L-478D
SEKONIC C-700
■Lumu Powerのメリットその2/携帯性
二つ目のメリットはその携帯性です。Lumu Powerは何と言っても小さく軽く、大きさは33.0 × 20.9 × 42.2mmしかありません。カバンの隅にちょこっと入れておけば、どうせ持ち歩くiPhoneが露出計とカラーメーターに早変わりするのですから邪魔になりません。
機材はあれもこれもとカバンに詰め込んでいるとあっという間に凄い重量になってしまいます。Lumu Powerはその点でも優れた携帯性を発揮します。
■で、Lumu Powerってどこで売ってるの?
実はまだ発売されていません。KICK STARTERでの出資は12月31日15時55分まで受け付けており、Lumu Powerを入手できる出資プランは199ドルから。
目標額は3万ドルで出資額は目標を大きく上回っていますが、クラウドファンディングはの製品は必ず発売まで漕ぎ着けられるとは限りません。技術的・コスト的な問題で開発が頓挫してしまうこともままあるということはお知りおきください。
通常販売までこぎつけた場合、2016年6月を目標に世界中で発売したいとの事。その際の予想市場価格は299ドルとのことです。
■全てはスマホに集約されていくのか?〜
あらゆるAV家電を飲み込んでポケットに入る大きさに収めてしまうスマートフォンですが、露出計に加えて今回はカラーメーターまで内蔵してしまいました。最高の性能でなかったとしても必要十分であれば人はそちらに流れるもの。
シンクロ接点がないので露出計としては私は使わないと思いますが、カラーメーターとしてはありだなと思っています。今やスマホで自動車を動かしてしまえる世の中です。とどまる事を知らないスマホの進化はどこまで続くのか?そしてKICK STARTERから生まれる次なる革新的なアイデアとは?
世の中にはアイデアをもった人がまだまだ埋もれている事でしょう。注目です。
画像:Lumu Labs,SEKONIC,Peak Design
Reported by 正隆