新製品ニュースも書けるひらはらです。
フジのミラーレス機「X-Pro2」の発売が2月18日に決まりました。約4年ぶりのモデルチェンジとなるフラッグシップ機ですから、どのような進化を遂げたのか楽しみですね。
写真教室の参加者さんにも多いフジユーザー待望のカメラを一緒に見ていきましょう!
■前モデル、X-Pro1はどんな機種だった?
前モデルが発売されたのは4年前の2012年2月。パナソニックが家庭用ビデオテープレコーダーの生産を終了した月です。うーん、最近のようなそうでもないような…。
それはともかく、X-Pro1はどういう機種だったのかまずおさらいしましょう。
X-Pro1は昔のレンジファインダー機を髣髴とさせるスタイルが目を引く、フジフイルムXマウントを採用する「Xシリーズ」の第一弾です。センサーはAPS-Cのフジフイルムご自慢の「X-Trans CMOS」を採用しており、1630万画素。
そしてファインダーは「ハイブリッドビューファインダー」という光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)を使い分けられるという大きな特徴を備えています。
光学ファインダーのほうはレンジファインダー機のようなブライトフレームが表示され、専用レンズを交換すると自動的にファインダー倍率が切り替わり、ブライトフレームの大きさが変化します。現代のミラーレス機なのに、レンジファインダー機の気分が味わえるというわけです。また、ファインダーに表示する情報は好きなものを選べるので、自分仕様にカスタマイズできます。
もちろんEVFのほうは視野率100%で、シビアなフレーミングも思い通りです。OVFとEVFはレバーで切り替えができます。
■X-Trans CMOSってなに?
フジフイルムファンには常識ですが、フジはよく知らないという方のためにあらためて解説!フジフイルム独自の「X-Trans CMOS」センサーとは他のセンサーと何が違うのでしょうか?
X-Trans CMOSセンサーの大きな特徴は、光学ローパスフィルターなしでモアレや偽色の発生を抑える仕組みです。
通常のセンサーの配列は2×2の画素を単位とした周期的な配列なので、縞模様などの撮影でモアレ・偽色が発生しやすいのですが、X-Trans CMOSセンサーでは6×6画素を単位とした非周期性の高い配列にし、縦横方向に必ずR・G・B全ての画素が存在するため、色モアレ・偽色を軽減することができるのです。
フジ独自の絵作りはどちらかというとややビビッドな印象で、それが好みという方も多いですね。また、人物の肌色が美しいと人気でもあります。興味を持った方はこの機会にフジのカメラを試してみてはいかがでしょうか?
■X-Pro2はどんな機種なの?
さて、いよいよ今回発売するX-Pro2を見ていきましょう。
1.画素数は2,000万画素クラス
撮像素子は新開発の「X-Trans CMOS III」が初めて搭載され、こちらはXシリーズ初の2,000万画素クラスとなります。前モデルでは1,630万画素だったのに対し、2,430万画素にパワーアップしました。
画像処理エンジンもあわせて新規に開発された「X-Processor Pro」であり、従来の「EXR プロセッサーII」に対し、色再現、階調再現、低ノイズなどの各要素で凌駕しているとのことです。
高感度画質も向上し、通常感度はISO200~12800。拡張でISO100/25600/51200での撮影も可能です。
フジならではのフィルムシミュレーションモードも強化され、新モードの「ACROS」が追加され、従来のモノクロモード以上の「滑らかな階調表現、引き締まった黒、美しい質感再現」が特徴とされています。
また、フィルムの粒状感を再現する「グレイン・エフェクト」機能が新たに搭載されました。効果は「強」「弱」の2段階から選択できます。現像する時まで待てない、今すぐ粒状感が欲しいアナタにオススメです。
2.さらに進化したハイブリッドビューファインダー
光学ファインダーと電子ビューファインダーを使い分けられる点はそのままに、最新の機能が組み込まれました。
EVFはX-Pro1の0.47型約144万ドットから、今回新たに0.48型約236万ドットの液晶パネルが採用され、よりキレイに見やすくなりました。
さらに光学ファインダー使用時、実際にレンズを交換することなくレンズごとの画角を確認できる「ブライトフレームシミュレーション」が搭載され、いまの景色を切り取るには何mmが最適か?レンズ交換せずとも的確なイメージが掴めるというわけです。
そしてコントラストAFのみだったX-Pro1から、新たに像面位相差エリアが加わり、「Xシリーズ最速AF」を実現しました。連射性能は約8コマ/秒です。
3.初のダブルスロット
なんとフジフイルム初の、SDダブルスロットを搭載。これで一生に一度のブライダル撮影も可能になってまいりました!
4.従来通りのX-Proらしい重厚なボディ
ボディ本体にはマグネシウム合金を採用。防塵防滴です。ボタンなどの細かいパーツはプラスチックで残念ですが、そこは目をつぶってあげてください。
Fn(ファンクション)ボタンは驚きの計6個!!これでもかというほどカスタマイズし放題!!どんな機能を割り当てたか、アナタは覚えられるかッ…?
5.外付けハンドグリップなどアクセサリーも充実
メタルハンドグリップMHG-XPRO2やボトムレザーケースBLC-XPRO2も合わせて登場しますので、あなた好みのカスタマイズがさらに捗ること請け合いです!
■X-Pro2予約キャンペーンとは?
ちょっと変わったキャンペーンが行われています。X-Pro2発売前の1月15日~2月17日までに、公式サイトにて「予約宣言」をし必要事項を記入した後、X-Pro2を購入すると、「X-Pro2で撮影された魅惑のプレミアム写真集」(限定非売品)がもらえるとのことです。
出典写真家は、アラーキーこと荒木経惟や、マグナムフォトのデビッド・アラン・ハービーなど、世界各国の著名写真家の夢の競演とのこと。
開発スタッフトークなども収録されているそうなので、面白い裏話が聞けるかもしれません。フジフイルムファンならずともぜひ見てみたいところです。
■アナタ色に染まりたい
基本性能のパワーアップはもちろんですが、フィルムシミュレーションや粒状感の追加、Fnボタンが6個もついてくるなど、ニッチな方向に進化を続けるXシリーズの最新作をご覧になっていかがでしたでしょうか。
時代の本流とは違うかもしれませんが、昔のフィルムカメラが懐かしい世代や、独自のこだわりを持ち続ける人にこそ使いこなして欲しい、フジフイルム渾身のカメラでした。
画像:FUJIFILM
Reported by ひらはらあい