今日は老舗一眼レフメーカー、ニコンの2017年について考えてみたいと思います。
エントリー・ミドルクラスのAPS-C機、エントリーフルサイズ機など売れ筋モデルがこぞって登場すると予想される2017年、果たしてどんなカメラ・レンズが発表されるのでしょうか!?
■ニコンの2016年について
ニコンの2016年はD5とD500というフルサイズ・APS-Cのフラッグシップ機という非常に話題性の高い機種の登場で始まりました。9月のフォトキナでは、待望のD810後継機が登場すると予想されており、上級モデルがこぞって登場した2016年となりそうです。
2016年6月時点、一眼レフメーカーラインアップ | |||
メーカー | Nikon | Canon | PENTAX |
APS-C 入門機 | EOS Kiss X80 | ||
APS-C 入門機 | D3300 | EOS Kiss X7 | |
APS-C 入門機 | D5500 | EOS Kiss X8i | K-70 |
APS-C 中級機 | EOS 8000D | ||
APS-C 中級機 | D7200 | EOS 80D | |
APS-C 上級機 | D500 | EOS 7D Mark II | K-3 II |
フルサイズ 入門機 | D610 | EOS 6D | |
フルサイズ 中級機 | D750 | ||
フルサイズ 上級機 | D810 | EOS 5D Mark III | K-1 |
フルサイズ 上級機 | D810A | EOS 5Ds | |
フルサイズ 上級機 | Df | EOS 5Ds R | |
フラグシップ機 | D5 | EOS-1D X Mark II | 645Z |
機種合計 | 10機種 | 11機種 | 4機種 |
■D5S(D5後継機)について
オリンピックカメラマン御用達ニコン最高峰一眼レフ
ニコンフラッグシップ機は夏季オリンピックイヤーにフルモデルチェンジ、冬季オリンピックイヤーににマイナーチェンジされるのが慣習となっており、D5のマイナーチェンジ版であるD5Sは2018年の発表がほぼ確実です。
D4→D4Sの際には、撮影枚数の増加、高感度耐性の向上、AFアルゴリズムの変更、オートホワイトバランスの精度向上、グループエリアAFの追加などが行われました。D5でも同様に様々なブラッシュアップが行われると考えられます。
■Df II(Df後継機)について
撮る喜びを思い出させる唯一無二の一眼レフ
Dfは2013年11月28日の発売以来約3年が経過しています。前例のない機種であるため製品サイクルは不明ですが、2017年にニコンは創業100周年を迎えるにあたり、100周年記念としてDf IIが発表されるのではないかと目されています。
Dfに関してはD600にD4のイメージセンサーを搭載し、クラシカルなデザインを与えた機種と言えます。高画素を求めるユーザーよりも、カメラの操作を楽しみながらスナップ撮影などを行いたいというユーザーを対象としているため、後継機であるDf IIもD5と同等のイメージセンサーが採用される可能性が濃厚です。
Df登場時に要望があった部分として、機械式フィルムカメラのように薄型化を望む声が多くありました。
電子基板と液晶画面を搭載するデジタル一眼レフでは、フィルムカメラと同様の作りにしてしまうと分厚くなってしまうためDfでは致し方のない部分でしたが、炭素繊維複合素材を利用しモノコック構造を採用したことで薄型化に成功したD750やD500が登場したことで、デジタル一眼レフでも薄型化が可能になりました。
Df IIが引き続き一眼レフスタイルとして登場するのであれば、より薄型化を果たし、より本物のクラシックカメラ然としたスタイルを手にするでしょう。
■D900(D850後継機)について
高解像と高感度性能を兼ね備えたプロ用一眼レフ
D810後継機は2016年秋に登場することが確実視されています。後継機であるD900(D850)に期待される部分として、D5・D500で採用された新型オートフォーカスモジュール、マルチCAM 20Kの搭載、高感度性能の向上、タッチパネル液晶及び4K動画の採用は確実視される部分です。
撮像素子に関しては現行の3635万画素イメージセンサーは現在でもトップレベルのイメージセンサーですが、α7R IIに採用されている4240万画素のようなより高性能なイメージセンサーも登場しており、D810後継機には新型イメージセンサーが採用されることはほぼ間違いありません。
α7R IIに採用されている裏面照射型4240万画素イメージセンサーの可能性もありますが、恐らくは全く新型のイメージセンサーが採用されると予想され、どこまでの高画素化・高感度耐性を実現してくるのか興味深いところです。
連写速度に関しては現在でも高画素機としては十分な約5コマ/秒を実現しているD810ですが、D750との兼ね合いもあり、連写速度よりも解像力重視のモデルとなっていくのかも知れません。
■D760(D750後継機)について
風景・人物・スポーツ、あらゆる撮影に対応出来るバランスの良いフルサイズ中級機
D750は2014/09/25の登場ということで、後継機は2017年後半〜2018年の登場が予想されます。
現行のD750はバランスのとれた性能と優れた携帯性で人気のあるフルサイズ機ですが、D700ユーザーからは連写速度が物足りないという意見もあり、高解像が売りであるD800系との差別化という意味でも更なる連写性能の高速化が期待されています。
■D650(D610後継機)について
フルサイズへの橋渡しを行う重要なモデル
D610はD600のメカニカルダスト問題を解決するために登場したマイナーチェンジ版です。D600は2012年9月27日に発売されたこと、2016年秋にはD810後継機が登場することを考えると、D610後継機であるD650の登場は2017年が濃厚でしょう。
D600シリーズはエントリーフルサイズ機であり、D610後継機ではD750と同様の炭素繊維複合素材を使用したモノコック構造を採用し、薄型化・軽量化を実現しつつ、Bluetoothによる常時接続、オートフォーカスの多点化などを実現してくるでしょう。
■D550(D500後継機)について
あらゆる最新機能を盛り込んだAPS-Cフラッグシップ一眼レフ
D500は2016年4月28日に発売されたばかりの機種で、後継機の発売は2020年が予想されます。まだまだ先の話になるため、詳細なスペックを予想することは難しい部分がありますが、最高12コマ/秒へと連続撮影枚数を伸ばしてくるでしょう。
また2020年は夏季オリンピックイヤーということで、D6の発売が予想され、全刷新のモデルとなるため、それに合わせて登場するであろうD500後継機もフラッグシップと共通する部分を数多く持つモデルとなるでしょう。
■D7500(D7200後継機)について
画質・機能ともに高い完成度を誇る中級機は更に進化するのか!?
D7200は2015/3/19に発売されており、発売サイクルから考える後継機D7500の発売時期は2017年春頃が予想されます。
同時期にD610後継機も新機種のサイクルが考えられるため、D7200後継機・D610後継機のどちらかは2017年秋へとズレる可能性があります。
D7500では炭素繊維複合素材を使用したモノコック構造による薄型化と、D500と同じオートフォーカスモジュール(マルチCAM 20K)の搭載、タッチパネル液晶、イメージセンサー・画像処理エンジンの刷新が考えられます。
■D5600(D5500後継機)について
D5500は薄型・軽量を突き詰めた一眼レフで、バリアングル液晶モニター搭載の一眼レフとしては現在最軽量のモデルとなっています。また、Wi-Fiやタッチパネル液晶といった流行りの機能もしっかりと盛り込まれており、エントリー一眼レフとして死角のないスペックとなっています。
現行でも非常に高い完成度を持つ機種だけに、後継機であるD5600の登場は先になるのではないかと考えられますが、2015/2/5の発売ということで、実は本来の製品サイクルから考えると、2016年秋〜冬に登場してもおかしくないモデルです。
しかしながら2016年秋にはD810後継機という大物が控えているため、D5500後継機の登場は2017年春ではないかと考えられます。
■D3500(D3300後継機)について
D3300はニコン一眼レフで最も安価なエントリーモデルとなっており、登場は2014/2/6でした。エントリークラスの製品サイクルとして既に2年以上が経っているため、後継機であるD3500はいつ発表されてもおかしくない状況と言えます。
恐らくそう遠からず登場するはずですが、D3500に搭載されるイメージセンサーが、熊本地震によるSONYイメージセンサー工場の影響が無ければということになるでしょう。
進化点としては、Bluetoothによる常時接続、タッチパネル液晶、炭素繊維複合素材採用による本体の薄型化・小型化などになるのではないかと予想されます。
■Nikkorレンズについて
過去3年間に発売されたFマウントレンズは以下の通りです。
- AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
- AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
- AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED
- AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR
- AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
- AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR
- AF-S DX NIKKOR 55-200mm f/4-5.6G ED VR II
- AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR
- AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
- AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR
- AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
- AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II
- AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
ニコンはここ数年、F1.8単焦点レンズシリーズや超望遠レンズなどを次々と登場させており、400mm/F2.8,500mm/F4,600mm/F4といった代表的な大口径超望遠レンズを蛍石・電磁絞りなどを採用しリニューアルしています。
またF1.8単焦点レンズシリーズが非常に好調で、単焦点ブームに上手く乗った形となりました。
対して、依然として高画質ではあるものの、
上記の大三元レンズのうちの2本は発売から年数が経っており、そろそろリニューアルの話が欲しいところです。また、Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8DやAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDなども発売から年数が経っており、リニューアルが待たれます。
■ニコンの2017年予想、フルサイズミラーレスは?
ニコンは2017年には、APS-Cエントリー機、APS-C中級機、フルサイズエントリー機といった台数に直結するモデルのリニューアルが控えています。
また一方では苦戦しているミラーレス機においてフルサイズを投入してくるのではないかと噂されています。
もし実際にそちらが登場した場合、注目度は高くなると考えられますが、エントリークラス・ミドルクラスの一眼レフが売れるかどうかは市場シェアを大きく左右するため、D5500やD7200のような完成度の高いモデルの後継機がどのように進化するのか注目したいところです。
Reported by 正隆