撮影が本業でなくても、仕事の一つになりがちな職業…それが美容師さんではないでしょうか?
カットモデル(ヘアモデル・サロンモデル)を使用した魅力的な写真は、お客さんのヘアスタイル選びの参考になるだけでなく、美容室とスタイリストの個性を伝える重要なツールです。
この頃は「最新のヘアスタイルをいち早く紹介したい!」「予算を掛けずにWebページを充実させたい!」などのニーズによって、撮影をプロカメラマンに依頼するのではなく、美容師さんが自分たちで撮影するケースが増えています。
そんな美容師さんを応援するべく、ヘアサロンからの依頼で撮影することも多い私ひらはらあいが、初心者の方にもわかりやすくヘアカタログ撮影のノウハウを伝授します!
キレイな写真を撮ってヘアサロンの集客UPに役立てよう☆
■目次
- プロに頼むか?自分たちで撮るか?
- スタジオを使ってみよう!
- 自然光だけで撮る?ライティングは必要?
- ヘアカタログ撮影のライティング入門
- 少しの工夫でクオリティUP!
- ポージングのコツを覚えよう
- いわゆる「ふんわりした写真」とは?
- 使いやすいライティング機材はこれだ!
- 使いやすいスタジオ小物はこれだ!
■プロに頼むか?自分たちで撮るか?
カメラマンに頼んだ方がいい場合
カメラマンに撮影してもらうメリットは、プロが使用するハイエンドな機種で、撮影に合わせたポートレート向けのレンズを使用し、その環境に合わせたライティング(照明)を組んでスマートに撮影が進行できることではないでしょうか。
その間、美容師さんはヘアメイクに専念できます。時間を有効に使うなら、複数人の美容師さんとモデルさんがスタンバイし、準備ができた方から順にカメラマンが撮影する、という効率のいい撮り方もできます。
納品された写真もクオリティが期待できますし、カメラマンによってはレタッチまで依頼することもできるので、そのまますぐWebや雑誌などに掲載できるのもメリットです。
次回も同じカメラマンに頼めば、ヘアカタログ内で統一された撮り方の写真が期待でき、並べてみたときに整然とした美しさを出すことができるでしょう。こうした安定したクオリティを提供できるのが、プロに撮影を依頼する一番のメリットではないでしょうか。ちなみにAmazing Graphの撮影依頼は下記から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
【撮影依頼はこちら】
美容師さんが自分たちで撮影する場合
美容師さんが撮影する場合、カメラが趣味の方でなければ、EOS Kissなどのエントリーモデルにキットレンズを装着し、ヘアサロンの一角で撮影するというケースが多いようです。
低予算の機材でもきちんとした撮り方をすれば問題ないのですが、ライティングを組まず明るく撮るために感度を上げて撮影してしまうケースが多く、看板やWebのトップページに大きく掲載するような高解像度の写真が欲しい場合、やや心細さを感じるかもしれません。(※ISO感度を上げすぎるとノイズが発生し、画質が低下してしまいます)
そうした場合オススメなのは、ブログやSNSなどでいち早くお知らせしたいヘアスタイル写真は「自分たちで撮る」、トップページ用や雑誌に掲載するとっておきの写真は「プロカメラマンに依頼する」という使い分けです。
この記事では美容師さんが自分たちでヘアカタログ写真を撮影する際にヒントになる情報をたくさん書いていきますので、ぜひ参考にして撮影の腕を上達させてくださいね!
■スタジオを使ってみよう!
レンタルスタジオは大きく分けて2つあります。白背景や白ホリゾントと呼ばれる撮影スペースをメインとしたシンプルなスタジオと、インテリアや小物が充実しており、何かを持ち込まなくてもそのままで様々なイメージが撮れるハウススタジオです。
どちらのスタジオも、自分のカメラは持っていくのが一般的ですが、ライティング機材に関しては無料や有料で貸し出しがある場合があります。
スタジオ選びは見た目や価格だけではなく、そうした機材の充実度もポイントになってくるでしょう。
機材のレンタルが全くないスタジオもありますが、そうしたスタジオは自分でライティング機材を持ち込むのが一般的です。
「自然光が降り注ぐスタジオ」と謳っている場合でも、本当に何も使わず自然光だけで撮るのは、天候に左右される部分もありなかなか難しいことが多いと思います。手持ちのライティング機材がない場合は避けた方がいいかもしれません。
美容師さんがヘアカタログ撮影でスタジオを使用するメリットは、レンタルがあればそうした機材を使えることや、ハウススタジオなら多彩なインテリアのイメージで撮影できることなどが挙げられます。撮影用に適した空間のあるスタジオ撮影でしたら、ヘアサロンの店舗内では真似できない、質の高い写真が得られるでしょう。
美容師さんがスタジオを選ぶポイント
撮影経験の少ない美容師さんが、それなりの雰囲気のヘアメイク撮影をしたいという場合、個人的にオススメなのは「ライティング機材が無料である程度使える、インテリアが好みに合うハウススタジオ」です。
背景が白やカラーペーパーのみのスタジオでは、そのぶんライティングやポージングの完成度が作品のクオリティに直結します。
反面いろいろな要素があるハウススタジオでは、少しくらいライティングが上手くいかなくても、その場にあるものを使ってフォローできる可能性があります。家具があればモデルさんと絡めることでポージングのバリエーションも増やすことができ、ネタ切れに困りにくいというメリットもあります。
そしてライティング機材が無料であれば、いろいろな機材を心置きなく試せるという点で、ライティング初心者の方にお勧めです。
ストロボ1灯1時間いくら、という価格設定だと、使うべきか使うまいか悩んでしまいますよね。慣れないうちは心配事をできるだけ減らすのも、スタジオ撮影を成功させるために大切なポイントです。
メイクルームの有無や備品をチェックしよう
美容師さんの視点でスタジオ選びをする際は、メイクルームの使いやすさも大切です。
ヘアアイロンやドライヤー、時にはスタイリング剤まで無料で使えるスタジオもあり、そうしたところは美容師さんにとって快適に利用できるスタジオといえるでしょう。
備品が充実していれば、そのぶん持ち込む道具が少なくて済みます。撮影となるといろいろな点に配慮が必要ですから、そうした便利なスタジオを積極的に利用するのも手です。
衣装がある場合、モデルさんのお着換えのスペースがあるか確認しましょう。(メイクルームのカーテンを閉じられるようになっているスタジオが多いです)
こうした「メイクルームが充実している」スタジオというのは、それだけポートレート撮影に向けられたスタジオということで、置いてある機材やスタジオの構成も、ポートレートが撮りやすいように特化されています。
一口にレンタルスタジオといっても、料理撮影がメインのキッチンスタジオや、物撮りをメインに想定されているスタジオもありますので、特に理由がなければポートレート向けのスタジオをお勧めします。
基本的な注意点として、土足禁止のスタジオが多くなっていますので、床が汚れないようモデルさんの靴には目張りをする必要があります。スタジオにテープが置いてあるかと思いますので貼ってあげましょう。
■自然光だけで撮る?ライティングは必要?
「自然光が一番」とおっしゃる方もいますが、自然光にすべて頼ってしまうのは天気に左右されるということですので、毎回安定した撮り方ができません。毎回安定した撮り方ができないということは、ヘアカタログ内の写真の印象がバラつくという残念なことになります。
それに対し、きちんとライティングを行えば、組み方次第では日中の窓から差し込む光のように見せたり、陰影の落ち方までコントロールしてよりイメージに近づけた撮影が、どのような天気・時間帯でも可能になります。
確かに自然光は、ありのままで「よく回る、柔らかい光」という女性を撮影するのに絶好の光源ではあるのですが、いつも自然光だけで思い通りのイメージが撮れるかというと、かなり難しくなってくると思います。
■ヘアカタログ撮影のライティング入門
自然光を利用した撮り方
とはいえ、もとから大きな光源である太陽光の魅力は捨てがたいですよね。太陽光が雲や窓のカーテンによってディフューズされると、理想的な柔らかい光となって被写体に降り注いでくれます。
実はそうした自然光をメインにするにしろ、意図的なライティングを補助的に取り入れることで、ぐっと美しい写真に仕上げることができるのです。
例えば、ヘアメイクの撮影は屋内で行われることが多いかと思いますので、室内でいちばん自然光が採り入れられるのは明るい窓際です。ですが、窓を背にして人物を立たせても、人物は逆光となるため影になってしまいますよね。
そこで、カメラの露出補正を+にして、人物の露出を適正にするという方法もありますが、順光のように被写体の色が出るわけではなく、全体のコントラストが低下した絵となります。
これはこれで雰囲気のある写真の撮り方ではあるのですが、ヘアカタログ用の撮影では髪の質感やカラーの色合いまで正確に見せる必要があるため、不向きな表現といえます。
そこでオススメなのが、自然光に+1灯を追加して、逆向を補うライティングを組むことです。その際は自然光に合わせた柔らかいライティングが理想なので、できるだけ大きめのソフトボックスを使用することが望ましいでしょう。
その1灯を窓を背に立たせた人物に向かって発光させることで、背後からの柔らかい自然光によって髪の毛の透け感などを演出しつつ、手前の1灯によって順光状態の適切なコントラストや色合いの鮮やかさをキープすることができます。
窓から差し込む光のように見せるライティング
窓から差し込む光を利用する場合、カーテンがディフューザーの役割を果たしてくれますが、この状態を再現しようとしてカーテンと同じような巨大なソフトボックスを用意するのはなかなか難しいものです。
そういうときは、ストロボ一灯を壁に向けてバウンスしてみてください。
自然光と全く同じとはいかないまでも、かなり拡散された光になりますので、バウンスする壁の向きにより、そこに窓があって光が差し込んでいるかのように見せることができます。何度か試して発光量を調整し、不自然にならない光の強さがポイントです。
少し硬めのライティングに挑戦しよう
印象的な陰影のついた、ビューティフォトのようなライティングにはコツが必要で、単純に柔らかく光を回すよりずっと難しいものです。
それでもやってみたいという方は、ビューティーディッシュとも呼ばれる「オパライト」というライティングアクセサリーを使うのがオススメです。
その際に使うストロボは、光量をできる限り小さく絞れるものを使ってください。例えば1/8までしか絞れないと、どうしても光が強すぎて困ってしまうということが多いものです。
■少しの工夫でクオリティUP!
撮影メイクは少し濃いめがマスト
美容師さんがメイクを一から仕上げる場合はもちろん、モデルさんにお任せする場合でも、メイクは「やや濃いめ」にすると良いでしょう。
女性モデルの写真では、肌をきれいに見せるため露出をハイキー気味で撮影したり、ライティングする場合も明るめの仕上がりが好まれます。
そんなとき、メイクがナチュラル仕上げですとどうしても、アイメイクやチークの色味が飛んでしまい綺麗に写りません。
ベースメイクは後でレタッチの負担を軽くするためにもしっかりと作りこみ、ポイントメイクは少し濃いめを意識することで、写真写りがぐんと良くなります。
最近はやりの「色っぽメイク」などを取り入れたい場合にはさらに、わざとらしいかな?というくらいハッキリとメイクすることで、写真にもトレンド感が出てきます。
ヘアの乱れはこまめに直そう
撮影に向けてしっかりセットしたヘアスタイルでも、モデルさんがポーズを取って動くたびに少しずつ乱れが気になるものです。
また、肩にかかる髪のバランスが多すぎたり少なすぎたり、という問題も出てくるでしょう。
そんな場合は遠慮せずヘアメイクさんモードに切り替わって、こまめに乱れを直していきましょう。ヘアカタログ写真はいうまでもなく、ヘアスタイルが主役です。ビシッと決めて素敵な写真を撮影してあげてくださいね。
大きなアイキャッチの入れ方
例えばお手軽なクリップオンストロボで人物を撮影すると、瞳にキャッチライトが入りますが、ごく小さな光となります。
それはクリップオンストロボの発光面が小さいからで、これがより大きな発光面を持つ光源なら、それだけキャッチライトも大きくなるというわけです。
手軽なのは大きめのレフ板をできるだけ人物に近づけることです。ストロボ撮影の場合、ライティングの項目で解説しているアンブレラやソフトボックスも有効です。
ソフトボックスは形状がそのままアイキャッチの形になるので、四角いキャッチライトが苦手という方は、五角形のソフトボックスを使用するのがいいでしょう。
■ポージングのコツを覚えよう
最近はヘアカタログ撮影でも、ファッション撮影のように自由にポーズを付けた写真が人気があります。
ただシンプルにヘアスタイルを記録するだけでなく、髪形を変えることによって新しくなるライフスタイルを提案したり、おしゃれな映画のワンシーンを想起させるようなイメージ的な写真が喜ばれるということでしょう。
ヘアモデルをいつもプロのモデルさんに依頼することができるとは限りません。ヘアモデルは募集をかけて応募してきた一般の女性からお願いすることになるケースが多いかと思います。
そうなるとモデルの経験が乏しい一般の方にとっては、こちらから的確な指示をしない限り、自然かつ魅力的なポージングは難しいはずです。
ファッション誌を見て練習しよう
そこで自然なポージングを付けたいのなら、まず撮影者(この場合は美容師さん)がよく勉強することが大事です。ファッション誌などを見ながら魅力的なポージングを探し、鏡の前でそっくり真似できるように練習しましょう。
「右足をこうやって一歩手前に出すんだな」とか「腰をぐいっと入れているな」というふうに、そのポーズを取るための動作を分析し、心の中で言葉にしてみましょう。そのとき表現した言葉が、実際にモデルさんに指示するとき役立ちます。
「全身はいらないから、そんな本格的なポーズは必要ない」という場合でも、ちょっとしたバストアップやウエストショットだって、手の動きや肩の落とし方一つでぐっとイメージが変わります。
カッコよく見える動きを鏡の前で研究するのは、上手なポージングの第一歩です。
自分で上手くできるようになって初めて、モデルさんにも的確な指示でポーズを表現できます。実際に自分がやってみせるのはもちろん、言葉で補いながら伝えていきましょう。どう伝えたら上手くいくか、実践を積むたびに少しずつわかってきます。
髪を触るポーズをやってみよう
手の動き一つでも印象が変わるとお話ししましたが、例えば髪の毛に軽く触れる、少し引っ張る、くしゃっと持ち上げる…これだけで多彩なパターンが生まれます。
せっかくセットしたヘアスタイルなので、髪の毛に触るのは基本のカットを撮影した最後にやってみましょう。
プロのモデルさんなら心配なし
どうしても上手くいかないときや、さらに本格的なクオリティを目指したいときは、ぜひプロのモデルさんに依頼してください。
「ここはバストアップでいきます」とか「座り」「振り向き」など大雑把な指示だけで、次から次へと美しいポーズを取ってくれるはずです。
■いわゆる「ふんわりした写真」とは?
「ふんわりした写真」と一口に言ってもいろいろな要素があるのですが、「ヘアカタログでよく見る、ふんわりした写真」と言えば、モデルさんの肌がふわっとなめらかで内側から発光しているような、独特な写真を指していると思います。
これは美容師さんにとても人気のある表現で、多くのサロンのWebサイトやホットペッパービューティにもよく掲載されていますね。私も美容師さんからご依頼を受けてヘアスタイル撮影を行っていると、ご注文を受けることがよくあります。
「ふんわりした写真」の撮り方
このような表現はどうやっているのかと言うと、カメラの設定やレタッチで「明瞭度」を下げることで実現しています。
カメラメーカーや機種ごとに呼び方は違うのですが、メニューから下記の順番で探してみてください。
Nikon:ピクチャーコントロール→明瞭度
Cannon:ピクチャースタイル→明瞭度
残念ながら、一眼レフでも昔の機種や下位機種では、「明瞭度」の項目がない場合もあります。その場合は、撮影後に現像ソフトで「明瞭度」を探してみてください。
スライダーを下げると徐々に「ふわっ」としてくるのがお分かりいただけると思います。
また、こうしたレタッチが似合う写真のポイントは、もとから髪が光に透けるようなライティングで撮影した写真です。大きな窓の近くに寄ったり、ライティング機材の発光面をぎりぎりまで近づけると、髪が光に透けやすくなります。
明瞭度を下げるメリット、デメリット
明瞭度を下げると、ふんわりと幻想的な表現が可能なうえ、「モデルさんの肌をなめらかに見せる」というメリットもありますが、デメリットもあります。
肌がなめらかに見えるということは、そのぶん解像したディテールを損なっている、つまり意図的に解像感を下げていることになります。
小さめに掲載するヘアカタログでは気にならなくても、例えば大きく掲載するWebサイトのキービジュアルに使用するには、やや不自然な感が否めず、一歩間違えれば「安っぽい加工」に見えてしまいます。
一部の女性誌でもこの明瞭度を下げる手法が多用されている場合がありますが、私が見る限りほぼ10代をターゲットにしたファッション誌に限られるのも、そうした要因ではないでしょうか。
いくら世間で「陶器のような肌」が求められているといっても、モデルさんの肌のディテールが完全に潰れてツルツルというのでは、少し寂しいものです。
ちなみに一般的な広告写真でモデルさんのお肌がシミ・吹き出物一つないのは、明瞭度を下げているのではなく、気になる部分を少しずつ丁寧にレタッチしているからです。(モデルさんも人間なので、全く修正しなくてパーフェクトということはほとんどありません)
明瞭度を下げるときの注意
ときどき、明瞭度を下げすぎて、ピントの芯さえよくわからない写真を見かけますが、とても素人臭く見えてしまいます。
ピントはカメラに近い側の目(まつげ)に合わせるのが基本ですので、あくまでまつげがぼやけないことを基準にしてみると調整しやすいかと思います。何事もやりすぎは禁物ですので、ナチュラルなレタッチを心がけましょう。
「ふんわり写真は万人ウケする」というイメージが根強いようですが、やはり一般的なプロカメラマンから見れば安易に見えてしまうことも多く、女性のお客さんでも目が肥えている方には安っぽく映るということは十分考えられます。
「ふんわり写真」はとても手軽に実現できる効果的な演出ですが、そういったネガティブな要素も考慮しつつ、上手に活用していってほしいテクニックです。
■使いやすいライティング機材はこれだ!
モノブロックストロボ
スタジオで使用する一灯で独立したストロボを「モノブロックストロボ」といい、スタジオではレンタル機材として置いてあることがよくあります。(機材がスタジオ使用料に含まれているのか、別料金なのかはスタジオによります。)
敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、使い方はやってみると意外と簡単です。カメラ本体とストロボを「シンクロコード」と呼ばれるケーブルで繋ぎ、ストロボの電源を入れて光量を調整するくらいですので、機会があればぜひチャレンジしてみてください。
ライティングアクセサリーを使わない場合でも、単にストロボを直射すると硬すぎる光になってしまいますので、天井や壁などに向けて発光させる「バウンス」という方法を試してみてください。
詳細はこちらの記事「超詳細!ゼロから学ぶモノブロックストロボの使い方!」でも紹介していますので、より詳しく知りたい方は読んでみてくださいね。
ストロボを使用する場合は、カメラの感度設定を「ISO100」から始め、撮影された画像の明るさを見ながら「ISO100~400」くらいの間で固定するのが、良好な画質を維持できるためお勧めです。
感度がうっかりオートになっていると、シャッターを切るたびに明るさが変わってしまうのでお気を付けください。
ソフトボックス
その名のとおり、ストロボ光を柔らかい光にしてくれるのがソフトボックスです。置いてあるスタジオは多いので、ぜひモノブロックストロボと組み合わせて使用してみてください。
より柔らかい光にするコツは、意外なのですが「ギリギリまで被写体に近づけること」です。近づけたぶん光は強くなるので発光量を絞る必要はありますが、被写体から遠ざけるほど光は直線的で硬くなり、フレームに見切れるギリギリまで近づけるほど光は拡散し柔らかくなるのが見て取れるかと思います。
また、カメラのシャッターと同調させる必要がない分よりお手軽なLEDや定常光のソフトボックスもありますが、光量が足りずそれだけで撮影するのは難しい場合がままあります。メインのライティングの補助的に使用するくらいのつもりがいいでしょう。
アンブレラ
アンブレラも手軽に光を拡散させることができる、便利なライティングアクセサリーです。いろいろな大きさや傘の深さがありますが、一般的にはソフトボックスよりやや硬い光になります。
スタジオの備品としてある場合はそちらを使って頂ければ良いと思います。100cmまでの小型のアンブレラはあまり広い範囲に光が回らないため、バストアップ用と割り切ってください。全身を撮る場合は、できる限り大型のアンブレラがお勧めです。
■使いやすいスタジオ小物はこれだ!
サイコロ
サイコロとは、その名のとおり四角い形をしたブロックのようなものです。椅子くらいの大きさがあり、モデルさんを座らせて椅子のように使うのはもちろん、安定感があるので脚立代わりに乗っても問題ありません。
個人的にお勧めな使い方は、床にモデルさんを座らせて、その前にサイコロを置き、簡易的なテーブルのようにして撮影する方法です。頬杖を突いたり、手を伸ばしたりして、バストアップのポージングのバリエーションを増やすことができます。
ポージングに慣れていないモデルさんも、座っている状態で目の前にテーブルまである状態だと、安定したポーズを取ることができます。撮影者も床に座りながら撮れるので、落ち着いた撮影が可能です。ぜひ試してみてください。
カポック
カポックは大型のレフで、発泡スチロールなどの軽い素材でできており、持ち運びが容易です。例えば大きな窓があり採光が良いのでその自然光を活かして撮影したい場合、モデルさんの反対側にできる影を起こすため、モデルさんを窓とカポックで挟むように配置すると、影を和らげることができるでしょう。
もちろんストロボライティングできる影を起こすのにも使えます。
また、もしモデルさんのお着換えのスペースがない場合に、カポックで部屋を仕切って簡易的なプライベートスペースを作るなど、工夫次第でいろいろ便利に使えます。
電動式ブロワ
ブロワは、風を送って髪をなびかせるために使います。広告写真でよく髪がなびいているアレです。普通のヘアカタログ撮影ではあまり使わないかと思いますが、もしブロアがスタジオにあれば、イメージ写真用として使ってみるのもアリではないでしょうか。
■まとめ ~髪も撮影も奥が深いのです~
いかがでしたでしょうか?カメラマンでなくても簡単にトライできるテクニックを満載しましたので、自分たちで撮影できる自信が沸いてきたら幸いです!
それでも、やっぱり撮影はプロカメラマンに頼みたい…という際には、Amazing Graphにお任せください。撮影はとても奥が深いものなので、美容師さんはヘアサロン業務に集中し、撮影は外注!というのも賢い判断です。私も髪は自分で切れずに美容室へ行くので…。
私たちはご希望の店舗またはスタジオまで出張して撮影が可能です。ご相談お待ちしております♪
【撮影依頼はこちら】
Reported by ひらはらあい