昨日夜に正式発表されたハッセルブラッドの革新的中判ミラーレスカメラ、X1D-50cですが、このカメラのプロモーションムービーと実機レビューが早くもYouTubeに投稿されていましたのでご紹介します。
■HASSELBLAD X1D-50cの実機レビュー
The VERGEによるX1D-50cのレビュー動画となっています。それにしても昨日の夜に発表され、翌日にハンズオンレビューが掲載されるというのは驚きとともに、速報性が重視される時代なのだとつくづく感じさせられますね。
X1D-50cのサイズ感
実物のX1D-50cですが、サイズ感としてはX-Pro1よりも大きく、D800のようなフルサイズ一眼レフよりも小さいなっています。縦幅や横幅は諸元表上では、
となっていますが、LEICA SLの方は突起部を含めない厚みとなっているようで、サイズ感はLEICA SLとほぼ同等となっています。感覚的には突起部の少ないX1D-50cの方が100g以上軽いこともあり、携帯しやすいのではないかと思います。
質感の高いボディ
それにしてもセンサーサイズ(43.8×32.9mm)はフィルムの6×4.5(56×41.5mm)ほどの画面サイズがあるわけではないものの、フルサイズセンサーと比較しても約1.66倍大きく、明らかな大きさの差が見てとれます。
ボディはアルミのワンピース構造となっているようで、レビューでも言われているように頑丈そうで、中判の大きなマウント開口部がありますが、十分な剛性が確保されているようです。動画を見てもボディ剛性の高さが伝わってきます。
ただ開口部を見ると、これ以上大きなサイズのイメージセンサーの搭載を想定しているようには見えないため、フィルムの645サイズと同等の画面サイズ(56×41.5mm)のイメージセンサーの搭載は難しいと考えられ、今後イメージセンサーの更なる大型化は行われないのではないかと思います。
「HASSELBLAD」の刻印が美しいですね。
時代に即した機能性
約5000万画素ということで記録メディアの選択は悩ましい部分であったと思いますが、X1D-50cではデュアルSDカードスロットが採用されています。
インターフェースケーブルの接続部と合わせて、非常にコンパクトに収められており、ハッセルブラッドの意外なと言っては失礼ですが、高い小型軽量化技術があったことに驚かされます。
またタッチパネル液晶やWi-Fi・GPSも搭載していますが、残念ながらタッチパネル液晶の反応は良いとは言えず、このあたりはスマートフォンほど素早い反応は期待出来そうにありません。
X1D-50cの革新性と弱点
X1D-50cは世界初のオートフォーカス中判ミラーレス機となっており、その携帯性は期待以上のものであったように思います。またこの小型ボディにデュアルSDカードスロットやUSB3.0・Mini HDMI・音声入出力端子まで備えており、もちろんホットシューまでかなりの機能を詰め込むことに成功しています。
中判デジタルというとコマーシャルフォトのようなスタジオポートレートが最も大きな市場で、一部風景撮影や高解像を必要とする美術品の記録などに使用されることもありましたが、一般的なアマチュアカメラマンにはその価格とシステムの大きさから別世界のものという感覚であったように思います。
PENTAXが645D・645Zなどで中判デジタルカメラとしては画期的なプライスを実現し、一部のハイアマチュアにも使用されるようになったものの、その大きさはやはりネックとなっていました。
X1D-50cはそこに驚きの携帯性を加えたことで、ミラーレスの新たな地平を切り開いたと言えるでしょう。
同時に、最高約2.3コマ/秒という一眼レフや一般的なミラーレス機では時代遅れとも言える連続撮影枚数やタッチパネル液晶のレスポンス、約350枚という少ないバッテリーライフなど、中判デジタルカメラの弱点を克服しているとは言えず、中判ミラーレス機がフルサイズユーザーに強くアピールしていくには、まだまだ改善されるべき問題も存在します。
また、レンズラインアップも広角側・望遠側共に拡充が期待されます。
■HASSELBLAD X1D-50cの仕様
- マウント:Xマウント(XCDレンズ対応)
- センサータイプ:CMOSイメージセンサー
- 有効画素数:約5000万画素
- 記録画像サイズ:8272×6200ピクセル
- 画素ピッチ:5.3×5.3ミクロン
- センサーサイズ:43.8×32.9mm
- 画像サイズ:RAW/65MB・TIFF/154MB
- 記録品質:16bit記録/14EVダイナミックレンジ
- 連続撮影枚数:最高約2.3コマ/秒
- 動画記録:HD(1920×1080)/25fps
- 動画圧縮形式:H.264
- ISO感度設定範囲:ISO100-25600
- シャッタースピード:1/2000-60分
- ストロボ同調速度:全速同調
- オートフォーカス:コントラスト検出方式
- 測光方式:スポット測光/中央部重点測光
- ファインダー:約236万ドット電子ビューファインダー
- カードスロット:デュアルSDカードスロット
- カラーマネージメント:ハッセルブラッドナチュラルカラーソリューション
- 液晶モニター:92万ドット3.0型TFTタッチパネル液晶モニター
- USBインターフェース:USB3.0/Type-C
- 映像/音声入出力:Mini HDMI・オーディオIN/OUT
- 動作環境:-10℃〜+45℃
- Wi-Fi:802.11a,b,g,n
- GPS:内蔵
- 外径寸法:150×98×71mm
- 質量:725g(バッテリー含む)
- 対応OS:Mac OS X 10.10以降/Windows 7,8,10(64bitのみ)
動画:YouTube
画像:MING THEIN,Hasselblad
Reported by 正隆