皆さんRAW現像やレタッチ時、何か音楽などは聴かれていますか?私は大体ニュースかdTVで映画を画面の隅っこなどに表示させて作業していますが、時々は音楽を聴きながら作業を行います。
さて、唐突ですが私はTM NETWORKのデビュー曲である「金曜日のライオン」からCDを買っていたという相当初期からの小室哲哉ファンです。
そこで今回は1995年から現在まで20年以上も続く小室哲哉の音楽ユニット「globe」の個人的なオススメの楽曲ベスト10をご紹介します(独断と偏見に基づく個人的なものです)。
またavexはglobeな主要なシングルリリース曲をYouTubeで無料公開しており、こちらでご覧いただけます。avex太っ腹ですね。
どれも素晴らしい曲ですので、レタッチや画像編集などの合間に作業用BGMとして視聴するのもおすすめです。
■globeのおすすめ楽曲ベスト10
01位:Perfume of love
このPerfume of loveはwanna Be A Dreammakerと同時リリースされた楽曲です。wanna Be A Dreammakerが「悪夢」をテーマにしているのに対し、こちらのPerfume of loveは「悪夢からの目覚め」をテーマにしています。
非常に長いイントロ部分を抜けると一気に加速します。歌詞・メロディ共に小室哲哉が抱える深い悲しみと絶望を込めたような重苦しい曲ですが、その苦しみがやがて突き抜け昇華されていく流れは優れた純文学のクライマックスを読んでいるかのような開放感があります。
一部wanna Be A Dreammakerの映像が使われており、悪夢の始まりであったwanna Be A Dreammakerで破壊された物がPerfume of loveで修復されていくさまは、悪夢の終わりを感じさせます。
KEIKOの歌唱力の絶頂期でもあり名曲ですが、聴くのが疲れる曲でもあるため、globeを初めて聴くという方は後にとっておいても良いかもしれません。
02位:Anytime smokin’ cigarette
Anytime smokin’ cigaretteは「いつでも煙草を吸っている」という意味ですが、マークがジッポライターでタバコに火をつけて深々と煙を吸い込む映画のようなシーンから始まります。
簡単に言うとやさぐれてた曲で、「仕事上がりの気持ちのいい一服」というよりは、「人生の苦しみから逃れるためにタバコで気を紛らわしている」というような歌詞になっています。
Anytime smokin’ cigaretteは退廃的でやさぐれた印象のある曲ですが、そうした孤独や苦しみの中生きる者にのみ宿る美しさや儚さを見事に表現している楽曲です。
03位:FACES PLACES
FACES PLACESはまだJ-POP色のあった1stアルバムと比較し、globeが一気に深みを増した時期を象徴する楽曲となっています。現代女性の抱える孤独が見事に表現された曲で、KEIKOは後にインタビューでこの曲がglobeの(インタビュー時までにリリースされた曲の中で)最も好きであると答えています。
プロモーションビデオの映像には、台湾でのプロモーション活動と3人が喝采を浴びる数々の映像が採用されていますが、曲そのものは人々の内面に抱える孤独を描いた楽曲であり、globeの華やかな活躍の映像と見事な対比となっています。
この時期のglobeの曲は退廃的な曲が多く、小室哲哉の抱える孤独がいい意味で現れているように感じられます。
04位:wanna Be A Dreammaker
wanna Be A DreammakerはKEIKO自身が見た悪夢をテーマにプロモーションビデオが製作されており、美しくも恐ろしい映像が展開されています。映画SAWの第1作をイメージさせるような映像ですが、勿論映画SAWは2004年公開、wanna Be A Dreammakerは1998年に発表されていますので、直接的な関係はありません。
wanna Be A Dreammakerは重厚感のあるメロディですが、転調の激しさや暗い歌詞とダークな世界観でありながら、どこか突き抜け感や開放感も感じさせる不思議とスカッとする曲に仕上がっています。
ちなみにwanna Be A Dreammakerの表記の「B」「A」「D」だけが大文字なっているのは、大文字の部分を繋げると「BAD」となり、「悪くなれ」という意味合いがあるのですが、このことは小室哲哉がテレビで語るまでKEIKOは知らず、その場で「そうだったんですか!?」と驚いたというエピソードがあります。
05位:Is this love
Is this loveは発表当時、マーク・パンサー曰く「夏のDEPARTURES」という紹介をしていたと記憶しています。プロモーションビデオはアメリカアリゾナ州で撮影されており、この撮影には総額1億円という破格の費用がかけられたと言われています。
夏の真っ青なアリゾナの空と美しいメロディが何とも言えない独特の雰囲気を醸し出すバラードです。当時は若かったせいかインパクトが強いわけではないIs this loveはそれほど好きな曲ではありませんでしたが、年をとるにつれ良さを感じる名曲です。
06位:DEPARTURES
DEPARTURESはglobeの楽曲の中で最も売れた曲で、globeの数々の曲の中でも最も有名な楽曲と言えるでしょう。
まさに名曲中の名曲で、レコーディングの最中からKEIKOやマークも含めスタッフ一同涙が止まらなかったという伝説を残しています。
DEPARTURESは「出発」という意味ですが、小室哲哉は空港でこの表記を見て名曲「DEPARTURES」を発想したとのこと。
1996年の1月1日発売。元日という普通は避けたい日にリリースしたあたりに「この曲はglobeの代表作になる」という確信がスタッフの中にあったことを感じさせます。
美しい旋律とドラマティックな盛り上がりが、深い深い愛を感じさるラブソングとなっています。冬にピッタリの楽曲です。
07位:Can’t Stop Fallin’ in Love
Can’t Stop Fallin’ in Loveは不倫する女性の恋心を歌った曲です。「彼氏が浮気をしている」というシチュエーションを歌った曲は沢山ありますが、不倫側の女性の切ない想いを歌った曲は珍しいように思います。
DEPARTURESの約11ヶ月後となる1996年10月30日に発売された曲で、このCan’t Stop Fallin’ in Loveも冬にピッタリの切ない曲となっています。
どうやっても奥さんには敵わない、人にも言えない、やがてはこの関係も消えていく予感を感じながらも恋に落ちることを止められないという切ない心情を歌っています。
08位:UNDER Your Sky
UNDER Your Skyは今回ご紹介するglobeの楽曲の中でも最も知名度が低く、小室世代の方でもglobeや小室哲哉マニア以外で知っておられる方はほとんどいないであろう楽曲です。
しかしはUNDER Your Skyはglobeファンに「globeの隠れた名曲といえば?」という質問をした場合おそらく1位になるであろうという名曲です。
なぜかシングルリリースされていない不思議な曲で、何のジャンルにカテゴライズすればいいのか、そもそも何を歌った曲なのかさえ良くわかりませんが、名曲です。
09位:Try This Shoot
Try This Shootは、トランスミュージックとなっており、一般的にはそれほど知られていませんが、UNDER Your Skyと並んで、知る人ぞ知る神曲としてファンには非常に人気のある楽曲です。
元々こうした曲は得意な小室哲哉でしたが、globeではこうした方向性とは異なる楽曲をリリースする傾向にありました。
Try This Shootはこうした中に、かつて得意としていたダンスミュージックを持ってきたことによってglobeに新たな一面を加えた、疾走感と爽快感のある一曲です。
10位:Feel Like dance
「なぜ名曲にしてglobeのデビュー曲でもあるFeel Like danceが10位なんだ!」と憤られている方も多いことでしょう。
確かにFeel Like danceはむしろ1位にしても良かったくらいの素晴らしい曲なのですが、1位から10位へとスクロールしていった際に最後が尻すぼみになったのでは寂しいので、敢えてFeel Like danceを10位とし、大トリを勤めて頂きました。
この後スターダムへと駆け登っていくKEIKOの心情を表したような楽曲となっていますが、同時にこの頃既に音楽プロデューサーとして頂点を極めていた小室哲哉自身の飽くなき情熱を表現しているかのような曲でもあります。
画像:globe
Reported by 正隆