皆さん超望遠レンズ使っていますか?
スポーツや野鳥撮影に必須の超望遠レンズですが、果たして各カメラメーカーからはどのような超望遠レンズが発売されているのでしょうか?
そこで今回は一眼レフ・ミラーレス各マウントの超望遠レンズラインアップをご紹介します。
■超望遠レンズの定義とは?
超望遠レンズの定義って?
実はカメラ業界には「焦点距離◯◯mm以上を望遠レンズと呼ぶ」といった厳密な定義はありませんが、現在では一般的に「焦点距離400mm以上のレンズ」が超望遠レンズと呼ばれているようです。
イメージセンサーのサイズによっては例えば実焦点距離が200mmであっても画角的にはフルサイズの400mm相当といった場合もありますが、そうしたものまで含めてしまうと、フルサイズとAPS-Cをラインアップしているメーカーが小さいフォーマットで使った場合やクロップで使用した場合に、一般的には超望遠レンズとして認識されていないものでも画角的には超望遠レンズになるというケースが出てきます。
そこで今回は「実焦点距離で400mm以上のレンズ」を対象としたいと思います。
また「マウントアダプターを使えば使える」といった場合も、一般的には「そのマウント用のレンズ」とは言えず、またキリがないためこちらも除外させて頂きます。
というわけで、
- 実焦点距離400mm以上の単焦点レンズ及びズームレンズ
- 使用に際しマウントアダプター等を必要しない
- 現行の純正オートフォーカスレンズ
以上のような条件に該当するものを条件とさせて頂いています。
■各マウントの実焦点距離400mm以上の超望遠レンズ
こうして各社の超望遠レンズを比較してみると、キヤノン・ニコンの超望遠レンズのラインアップはさすがと言えるでしょう。
実焦点距離が400mmを超えるレンズはミラーレスではソニーが1本、パナソニックが1本、フジフイルムが1本というラインアップで、数としてはまだまだですが、最近はミラーレスメーカー各社がプロスポーツカメラマンの市場への参入を目標に掲げているため、これからの超望遠レンズラインアップへの拡充には十分な期待が出来るでしょう。
また、野鳥をはじめとする野生動物撮影は多くの写真愛好家の方に人気のあるジャンルですから、超望遠レンズラインアップの充実はそちらの方面でも大きな影響を与える事でしょう。
■キヤノンEFマウント用超望遠レンズ
機種名 | レンズ構成 | 絞り羽根 | 最小絞り | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 外形寸法 | 質量 | 発売日 |
EF400mm F2.8L IS II USM | 12群16枚 | 9枚 | 32 | 2.7m | 0.17倍 | 163×343mm | 3850g | 2011年08月31日 |
EF400mm F4 DO IS II USM | 12群18枚 | 9枚 | 32 | 3.3m | 0.13倍 | 128×232.7mm | 2100g | 2014年11月28日 |
EF400mm F5.6L USM | 6群7枚 | 8枚 | 32 | 3.5m | 0.12倍 | 90mm×256.5mm | 1250g | 1993年05月 |
EF500mm F4L IS II USM | 12群16枚 | 9枚 | 32 | 3.7m | 0.15倍 | 146×383mm | 3190g | 2012年05月31日 |
EF600mm F4L IS II USM | 12群16枚 | 9枚 | 32 | 4.5m | 0.15倍 | 68×448mm | 3920g | 2012年05月31日 |
EF800mm F5.6L IS USM | 14群18枚 | 8枚 | 32 | 6.0m | 0.14倍 | 163×461mm | 4500g | 2008年05月 |
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM | 16群21枚 | 9枚 | 32-40 | 0.98m | 0.31倍 | 94×193mm | 1570g | 2014年12月19日 |
EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4× | 20群25枚 | 9枚 | 32 | 2.0m | 0.15倍 | 128×366mm | 3620g | 2013年05月30日 |
超望遠レンズ最多ラインアップを誇るキヤノンですが、EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×はプロスポーツ撮影の世界でも最近人気が高いようで、テレコンまで内蔵しているため、屋外・屋内スポーツあらゆるシチュエーションに対応できる非常に利便性の高い大口径超望遠ズームレンズとなっています。
800mmまでのラインアップは、あらゆるプロスポーツ・野生動物撮影に対応できる充実のラインアップとなっています。
また画質面では賛否があるものの、EF400mm F4 DO IS II USMといった回折光学素子を利用した望遠レンズの開発を続けている点も流石のトップランナーと言える部分でしょう。
■ニコンFマウント用超望遠レンズ
機種名 | レンズ構成 | 絞り羽根 | 最小絞り | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 外形寸法 | 質量 | 発売日 |
AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR | 12群16枚 | 9枚 | 22 | 2.6m | 0.17倍 | 159.5×358mm | 3800g | 2014年08月28日 |
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR | 12群16枚 | 9枚 | 22 | 3.6m | 0.15倍 | 140×387mm | 3090g | 2015年07月16日 |
AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR | 12群16枚 | 9枚 | 22 | 4.4m | 0.14倍 | 166×432mm | 3810g | 2015年07月16日 |
AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR | 13群20枚 | 9枚 | 32 | 5.9m | 0.15倍 | 160×461mm | 4590g | 2013年05月31日 |
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR | 12群20枚 | 9枚 | 32-40 | 1.75m | 0.17倍 | 95.5×203mm | 1570g | 2013年03月14日 |
AF-S NIKKOR 200-400mm f/4G ED VR II | 17群24枚 | 9枚 | 32 | 2m | 0.26倍 | 124×365.5mm | 3360g | 2010年05月28日 |
AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR | 12群19枚 | 9枚 | 32 | 2.2m | 0.22倍 | 108×267.5mm | 2300g | 2015年09月17日 |
ニコン超望遠レンズのラインアップは数もさることながら超望遠レンズとしては比較的新しく、電磁絞り(Eタイプレンズ)や蛍石(FLレンズ)を採用したリニューアルが進んでおり、大口径単焦点超望遠レンズに関してはそれらを採用したものとなっています。また設計が新しいだけに画質に関する評判も上々です。
以前は競合するキヤノンよりも重かったのですが、蛍石やマグネシウム合金ボディを採用したことで軽量化も進みライバルよりも全般的に軽量に仕上がっています。
ただしAF-S NIKKOR 200-400mm f/4G ED VR IIは2010年の発売から7年が経過しており、キヤノンの大口径ズームレンズのEF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×のような新型が待ち望まれています。
■ペンタックスKマウント用超望遠レンズ
機種名 | レンズ構成 | 絞り羽根 | 最小絞り | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 外形寸法 | 質量 | 発売日 |
HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AW | 14群18枚 | 9枚 | 45 | 5.6m | 0.10倍 | 130.3×521.7 mm | 3040g | 2012年09月11日 |
HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW | 6群7枚 | 9枚 | 22-27 | 2m | 0.22倍 | 95×241.5mm | 2130g | 2015年04月17日 |
ペンタックスはあまりスポーツ撮影のイメージがないこともあり、超望遠レンズのラインアップはあまり充実しているとは言えません。
しかしながらKマウントには根付いファンが多く、K-1が登場したことで今後のフルサイズレンズラインアップの拡充に期待がかかります。
■ソニーAマウント用超望遠レンズ
機種名 | レンズ構成 | 絞り羽根 | 最小絞り | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 外形寸法 | 質量 | 発売日 |
500mm F4 G SSM | 10群11枚 | 9枚 | 32 | 4.0m | 0.135倍 | 140×367.5mm | 3460g | 2012年05月 |
70-400mm F4-5.6 G SSM II | 12群18枚 | 9枚 | 22-32 | 1.5m | 0.27倍 | 94.5×196mm | 1500g | 2013年03月08日 |
ソニーAマウントは500mmまでラインアップされており、イメージに反してというとアレですが、Aマウントは意外にも野鳥や野生動物を撮影されている方が多いマウントです。
最近はEマウントに主軸を移しつつあるソニーですが、Aマウントの今後がどうなっていくのか、興味深いところです。
■ソニーEマウント用超望遠レンズ
機種名 | レンズ構成 | 絞り羽根 | 最小絞り | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 外形寸法 | 質量 | 発売日 |
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS | 16群22枚 | 9枚 | 32-40 | 0.98m | 0.12-0.35 | 93.9×205mm | 1395g | 2017年07月 |
α9を発表し、ついにプロスポーツ撮影への参入への第一歩を歩みだしたソニーですが、現在は超望遠レンズが発表されたFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSのみとなっており、数としてはまだ十分とは言えないものの、ソニーとしてはプロスポーツへの参入を狙っているという事ですから、これからの大口径超望遠レンズの投入に十分な期待ができるでしょう。
またFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSはこのクラスとしては非常に軽量に仕上がっている点も見逃せないポイントとなっています。16群22枚構成のフルサイズ対応レンズでこの重量というのはソニーの技術力の高さを感じさせます。
■パナソニックマイクロフォーサーズマウント用超望遠レンズ
機種名 | レンズ構成 | 絞り羽根 | 最小絞り | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 外形寸法 | 質量 | 発売日 |
LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S. | 13群20枚 | 9枚 | 22 | 1.3m | 0.25倍 | 83.0×171.5mm | 985g | 2016年03月10日 |
実焦点距離で400mmを超えるマイクロフォーサーズ用の超望遠レンズは現時点ではパナソニックのLEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.のみとなっています。
数としてはまだ物足りないものの、このクオリティのレンズが100-400mm/F4.0-6.3で1kgを切るというのはフルサイズではまず考えられないことで、マイクロフォーサーズの優れた特徴と言えるでしょう。
■フジフイルムXマウント用超望遠レンズ
機種名 | レンズ構成 | 絞り羽根 | 最小絞り | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | 外形寸法 | 質量 | 発売日 |
FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR | 14群21枚 | 9枚 | 22 | 1.75m | 0.19倍 | 94.8×210.5mm | 1375g | 2016年02月18日 |
フジフイルムで超望遠レンズというのはあまりイメージはないかとは思いますが、FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRを昨年から発売しており、実焦点距離400mmを超えるレンズは実はミラーレス用レンズとしては非常に早い着手でした。
Xマウントのレンズロードマップでも平成30年(2018年)には望遠単焦点レンズの登場が示唆されており、積極的にレンズを投入していくフジフイルムが今後どのような超望遠レンズを送り出していくのか、気になるところです。
ここまでお読み頂き誠にありがとうございます。
画像:Quesabesde
Reported by 正隆