高級雲台メーカーとして有名なアルカスイスが、マニアに人気のモノボールP0シリーズにギア機構を盛り込んだ、モノボールP0ハイブリッドシリーズ2機種を発表しました。
そこで今回はこのモノボールP0ハイブリッドクイックとモノボールP0ハイブリッドフリップロックをご紹介します。
■モノボールP0ハイブリッドの魅力
モノボールP0とモノボールP0ハイブリッドの違い
モノボールP0ハイブリッドは、雲台外周部にある大きなリングを回すことで素早く位置決めのできるモノボールP0雲台に、ギアヘッドを装備した自由雲台です。
モノボールP0ハイブリッドの元となっているモノボールP0は、一般的な自由雲台を反転させたような構造となっており、胴体部分のリングを回すことで固定できるようになっています。
カメラ取り付け部の直下にパノラマプレートを装備しているので、水平を出した後に簡単に水平方向のパンニングが可能です。
ギアヘッドが加わって構図の微調整・再調整が容易に
モノボールP0ハイブリッドではモノボールP0の上部にギアヘッド機構が加わっているため、X軸・Y軸ともに±10°の範囲で正確に微調整が行えます。
ギアヘッドは構図調整の際に、ロック&アンロックの動作が不要で、ロックを解除することなくダイレクトに構図調整、その後ロック不要でその位置で固定されるため、このギア機構を加えたことで、厳密なフレーミングが求められる物撮りや風景撮影時に構図の再調整を劇的に容易にしています。
また0度にはクリックがあり、傾きなしの状態も簡単に設定できます。ギアヘッドは扇状に動くため、傾けてもカメラの重心が三脚の真上からズレにくい上、安定性を落としにくく、また画面内の被写体位置をほとんど変えることなく水平・垂直の微妙な調整を可能にしています。
モノボールP0ハイブリッドクイック
モノボールP0ハイブリッドフリップロック
2種類のクランプタイプが用意される
ベース(クランプ)は、ノブタイプのモノボールP0ハイブリッドクイックとレバータイプのモノボールP0ハイブリッドフリップロックの2種類をラインナップしており、汎用性の高いクイックとロック・アンロックの素早いフリップロックから好みの方を選ぶことが可能です。
多くのアルカスイスファンがやっているように、クランプは他社製のクランプに交換するのも良いでしょう。クランプの交換はお約束のロックタイトが使われているため、ある程度の知識と道具が必要です。
良くわからなければ汎用性の高いノブ式のモノボールP0ハイブリッドクイックを選ぶのが無難ですが、適合するプレートをお持ちであれば着脱が容易なフリップロックタイプも有力です。もちろんどちらのタイプも適合するカメラプレートなどが必要です。
モノボールP0ハイブリッドクイックとモノボールP0ハイブリッドフリップロックの仕様と価格
製品名 | 大きさ | 重さ | 耐荷重 | 価格(税別) |
モノボールP0ハイブリッドクイック | 100×85×125mm | 620g | 20kg | 160,000円 |
モノボールP0ハイブリッドフリップロック | 100×85×125mm | 620g | 20kg | 165,000円 |
アルカスイスのギア雲台には、既に高い評価を得ている最高峰のギア雲台であるC1 キューブと、自由雲台とギア雲台の良い部分を組み合わせたようなD4がありますが、そこにさらに今回モノボールP0ハイブリッドが加わる形になります。
「革新のその先へ」といった感じのモノボールP0ハイブリッド雲台、これもまた所有欲を満たす一品です。
画像:KPI
Reported by 正隆