コマーシャルフォト(商業施設や駅で見かける企業や製品の宣伝に使われる広告写真のこと)のプロカメラマンは一体どんなカメラを使っているのでしょうか?
コマーシャル・フォト 2017年2月号で151人の広告写真家を対象にアンケートが行われ、使用しているカメラが掲載されています。
そこで今回は、コマーシャル・フォトグラファーの使用カメラをご紹介します。
■広告写真のカメラマンはどんなカメラを使っている?
151人のコマーシャル・フォトグラファーによる回答は以下のようになっています。
メインで使用しているスチールカメラは?
順位 | メーカー | モデル名 | 回答者数 |
1位 | キヤノン | EOS 5D Mark III | 26人 |
2位 | キヤノン | EOS 5Ds/EOS 5Ds R | 17人 |
3位 | ニコン | D810 | 15人 |
4位 | ニコン | D800/D800E | 11人 |
5位 | キヤノン | EOS 5D Mark IV | 6人 |
6位 | キヤノン | EOS-1D X | 6人 |
7位 | キヤノン | EOS 6D | 5人 |
8位 | ニコン | D5 | 4人 |
9位 | キヤノン | EOS 5D Mark II | 4人 |
10位 | キヤノン | EOS 5D | 4人 |
EOS 5D Mark IIIが栄えある1位となっています。また大きなポスターなどにも使われる場合もあるコマーシャル・フォトグラファーだけに、2位には有効画素数約5,060万画素を誇るEOS 5Ds/EOS 5Ds Rが入っており、EOS 5Dシリーズはここでも定番となっていることがわかります。
ニコン勢としては3位と4位にD810とD800/D800Eがランクインしており、ニコンユーザーのコマーシャルフォトグラファーにD800シリーズが非常に人気があることが伺えます。
意外かもしれませんがEOS-1D XやD5といった高速連射機もランクインしており、ピクセルサイズをそれほど必要としないケースでは、フラッグシップ機ならではの作りの良さや操作フィーリングなどの好みから、低感度で連写をあまり使わないコマーシャルフォトでもEOS-1D XやD5といったハイエンド機を使うカメラマンが結構いることが分かります。
おそらくは2017年中にはEOS 5D Mark IVがEOS 5D Mark IIIを逆転し、D810後継機も登場し、来年のアンケートではランクインしてくるのではないかと予想されます。
表以外のカメラでは、Mamiya RZ67 Pro II、Phase One IQシリーズ、Leaf Aptus 22などの中判カメラが挙げられました。
メインで使用しているムービーカメラは?
順位 | メーカー | モデル名 | 回答者数 |
1位 | キヤノン | EOS 5D Mark III | 14人 |
2位 | ニコン | D810 | 8人 |
3位 | ARRI | ALEXA | 8人 |
4位 | キヤノン | EOS 5D Mark IV | 4人 |
近年ではコマーシャル・フォトグラファーも動画撮影を行う場合もあります。とは言え専門のビデオカメラマンほどハイレベルの動画撮影を求められる事は少ないため、多くの場合1位のEOS 5D Mark IIIや2位のD810のようなスチールカメラとして人気の一眼レフを動画用に使用しているようです。
また4位にはEOS 5D Mark IVがランクインしており、今年中にはEOS 5D Mark IIIと逆転することでしょう。
3位にはARRI ALEXAが、また表以外のカメラでは、SONY αシリーズやEOS C300 Mark II、RED、Blackmagicなどのシネマカメラがランクインしています。
コマーシャル・フォトは基本的にはプロカメラマン向けの内容であるため一般的なカメラ系雑誌とは性質が違いますが、コマーシャル・フォト 2017年2月号の特集「フォトグラファー仕事白書2017」では、今回ご紹介したものの他にも多くのアンケートが掲載されているため、コマーシャルフォトの世界に興味がある方にはおすすめ一冊となっています。
参考:COMMERCIAL PHOTO
画像:Canon USA
Reported by 正隆