フォトマスター検定の予想問題です。フォトマスター検定勉強法も掲載していますので、参考にして頂ければと思います。
過去の各級の予想問題のまとめ
合格目指してさっそく問題です!
難易度:2級レベル
問:PLフィルターやC-PLフィルターといった偏光フィルターは様々な物質の光の反射を取り除く効果があるが、偏光フィルターで取り除くことが「出来ない」ものはどれか、次の中から選べ。
① 金属面の反射
② ガラス面の反射
③ 水面の反射
正解はこのあとすぐ!
■正解は①(金属面の反射)
PLフィルター(偏光フィルター)の原理
PLフィルターはガラスに偏光膜を挟んだ構造のフィルターで、レンズにフィルターを取り付けて回転枠を回すことでコントロールし、さまざまな物体からの反射を除去して撮影することが可能です。
自然光はさまざまな方向に振動していますが、物質を透過したり物質に当たって反射した時、この光は特定の方向にだけ振動した光になります。これが「偏光」と呼ばれる現象です。
PLフィルターに内蔵された偏光膜は、言うなれば鉄格子のようなスリット状の隙間があるため、この偏光した(特定方向にだけ振動した)光と直交(直角交わること)するようにスリットの位置が来ると、反射光はスリットを通過できなくなるためにそこでカットされ、反射を取り除いた状態で撮影できるというわけです。
どの程度反射光がカットされるかは、偏光フィルターと反射光の振動がどの程度直交に近い形になるかによって変わりますから、偏光フィルターの枠を回転させていくことでPLフィルターの効きをコントロールできます。
なぜ金属や鏡の反射には偏光フィルターの効果がないのか
先ほどご説明したように、偏光フィルターは例えて言うなら鉄格子の隙間のような部分を偏光した光を通したり通さなかったりすることで反射光をコントロールします。
しかし、金属面や鏡面では光が反射する際に偏光が起こりません。そのため自然光と同様に、さまざまな方向に振動した光のまま反射されます。
ですから金属や鏡の反射光は、偏光フィルターの偏光膜の向きをどのように動かしても、偏光膜のスリットを透過してしまうために効果がありません。
つまりこの問題では、「① 金属面の反射」が、取り除けない反射光ということで正解となります。
偏光フィルターの使い所
PLフィルター(偏光フィルター)やC-PLフィルター(円偏光フィルター)は、ガラス面の反射や水面の反射など様々な反射光をカットすることが出来るため、水面の反射を抑えて水中の様子をクリアに写したい場合や、ショーウィンドウの反射光を抑えてショーウィンドウの中をクリアに撮影する際などに使われます。
その他にも木々の葉のてかりなども反射ですから、それらを抑えて木々の緑を濃く出したり、空気中のチリやホコリによる乱反射によって空が白っぽく写るのを防ぎ、青空をより青く写すといった効果も期待できます。
ただし偏光フィルターは逆光など光源との角度によっては効果が期待できませんし、「ある部分の反射は軽減されるが違う部分の反射は目立ってしまう」という場合もあります。
そのため偏光フィルターを使用する際は、画面の隅々まで良く確認し、期待する効果が発揮されているかを確かめながら使用しましょう。
画像:Kenko Tokina
Reported by 正隆