GR III vs GR II比較。伝統のスナップシューターはどう進化した?

RICOH GR III

GRファンの皆さんこんちは。

高級コンパクトデジタルカメラの歴史的なモデルである、GRシリーズですが、GR IIIでは前モデルとなるGR IIからイメージセンサーや画像処理エンジンといった主要な部品を全刷新したモデルとなり、画質・使い勝手とも向上しているとのことです。

そこで今回はこの伝統の高級コンパクトカメラの代表とも言えるRICOH GR IIIとGR IIの違いを比較してみたいと思います。

■GR IIIとGR IIの性能比較


GR III GR II
レンズ レンズ構成 4群6枚
非球面2枚
5群7枚
非球面2枚
焦点距離 18.3mm
35mm判換算約28mm相当
18.3mm
35mm判換算約28mm相当
F値 F2.8-F16 F2.8-F16
フォーカス フォーカスタイプ 像面位相差検出とコントラスト検出によるハイブリッド方式 コントラスト検出方式
フォーカスモード
  • オートエリアAF
  • セレクトAF
  • ピンポイントAF
  • 被写体追尾AF
  • コンティニュアスAF
  • MF
  • スナップ
  • マルチAF
  • スポットAF
  • ピンポイントAF
  • 被写体追尾AF
  • MF
  • スナップ
  • 顔検出優先
  • コンティニュアスAF
  • フルプレススナップ
撮影距離(レンズ先端から) 標準:約0.1m~∞
マクロモード:約0.06m~0.12m
標準:約0.3m~∞
マクロモード:約0.1m~∞
顔検出 不明 最大10人まで検出
有効画素数 約2424万画素 約1620万画素
撮像素子 23.5mm×15.6mm 23.7×15.7mmCMOS
ローパスフィルター ローパスセレクター ローパスレス
ダストリムーバル 超音波振動方式/DR II
手ぶれ補正 撮像素子シフト方式 /3軸補正 なし
記録画素数 静止画 【3:2】

  • 6000×4000(L)
  • 4800×3200(M)
  • 3360×2240(S)
  • 1920×1280(XS)

【1:1】

  • 4000×4000(L)
  • 3200×3200(M)
  • 2240×2240(S)
  • 1280×1280(XS)
【3:2】

  • 4928×3264(L)
  • 3936×2608(M)
  • 2912×1936(S)
  • 1280×864(XS)

【4:3】

  • 4352×3264(L)
  • 3488×2608(M)
  • 2592×1936(S)
  • 1152×864(XS)

【1:1】

  • 3264×3264(L)
  • 2608×2608(M)
  • 1936×1936(S)
  • 864×864(XS)
動画 【Full HD】 1920×1080
60p/30p/24p
【Full HD】
1920×1080
30fps/25fps/24fps
【HD】
1280×720
60fps/50fps/30fps/25fps/24fps
【VGA】
640×480
30fps/25fps/24fps
記録方式 静止画 JPEG Baseline準拠(Exif Ver2.3)
RAW (DNG規格に準拠)
JPEG Baseline準拠(Exif Ver2.3)
RAW (DNG規格に準拠)
動画 MPEG4 AVC/H.264 MPEG4 AVC/H.264
感度(標準出力感度) AUTO
マニュアル(ISO100~未確定)
AUTO
AUTO-HI(下限/上限設定可能)
マニュアル(ISO100 ~ 25600)
ホワイトバランス
  • AWB
  • マルチパターンAUTO
  • 太陽光
  • 日陰
  • 曇天
  • 昼光色蛍光灯
  • 昼白色蛍光灯
  • 白色蛍光灯
  • 電球色蛍光灯
  • 白熱灯
  • CTE
  • マニュアルWB
  • 色温度
  • AWB
  • マルチパターンAUTO
  • 屋外
  • 日陰
  • 曇天
  • 白熱灯1
  • 白熱灯2
  • 昼光色蛍光灯
  • 昼白色蛍光灯
  • 白色蛍光灯
  • 電球色蛍光灯
  • CTE
  • CT(色温度設定)
  • M(手動設定)
画像モニター
  • 3.0型TFTカラーLCD
  • 約103.7万ドット
  • 広視野角タイプ
  • エアギャップレス強化ガラス
  • 3.0型 透過型液晶
  • 約123万ドット
  • 保護カバー有り
  • 画像モニター輝度調節
    • AUTO
    • MANUAL
タッチパネル 静電容量方式
露出制御 測光方式
  • 分割測光
  • 中央重点測光
  • スポット測光
  • ハイライト重点測光
  • マルチ
  • 中央部重点
  • スポット
露出制御モード
  • プログラムAE
  • 絞り優先AE
  • シャッター優先AE
  • マニュアル露出
  • プログラムAE
  • 絞り優先AE
  • シャッター優先AE
  • シャッター&絞り優先AE
  • マニュアル露出
露出補正
  • 静止画撮影時:±5EV
  • 1/3EVステップ
  • 動画撮影時:±2EV
  • 1/3EVステップ
  • 静止画撮影時:±4EV
  • 1/3EVステップ
  • 動画撮影時:±2EV
  • 1/3EVステップ
NDフィルター 2段
オート、オン、オフ
オート、オン、オフ
撮影モード 不明
  • オート撮影モード
  • プログラムシフト
  • 絞り優先
  • シャッター優先
  • シャッター&絞り優先
  • マニュアル露出
  • 動画
  • マイセッティング
エフェクト
  • スタンダード
  • ビビッド
  • モノトーン
  • ソフトモノトーン
  • ハードモノトーン
  • ハイコントラスト白黒
  • ポジフィルム調
  • ブリーチバイパス
  • レトロ
  • HDR調
  • カスタム1
  • カスタム2
  • 白黒
  • 白黒(TE)
  • ハイコントラスト白黒
  • クロスプロセス
  • ポジフィルム調
  • ブリーチバイパス
  • レトロ
  • ミニチュアライズ
  • シフトクロップ
  • ハイキー
  • HDR調
  • 明瞭コントロール
  • 光沢コントロール
  • かすか
  • 雅(MIYABI)
  • 鮮やか
  • 人物
撮影時機能 不明
  • FA・ターゲット移動
  • クロップ(35mm、47mm)
  • 連写
  • AEブラケット(1/2EV / 1/3EV)
  • ホワイトバランスブラケット(プリセット可能)
  • エフェクトブラケット
  • ダイナミックレンジブラケット
  • コントラストブラケット
  • 多重露光撮影
  • インターバル撮影
  • セルフタイマー
  • ノイズリダクション
  • NDフィルター(ON/OFF/AUTO)
  • ダイナミックレンジ補正(AUTO/ 弱/ 中/ 強)
  • 長秒時ノイズ低減
  • 色空間設定
  • インターバル合成
  • ヒストグラム表示
  • グリッドガイド表示
  • 被写界深度表示
  • 電子水準器
再生時機能
  • 1画像
  • マルチ画面表示(20、48画面)
  • 拡大表示(拡大率最大16倍)
  • ヒストグラム表示
  • グリッド表示(9/16分割)
  • 白とび警告
  • 画像の自動回転
  • 縦横自動回転再生
  • 白とび警告表示
  • 一覧表示
  • 拡大表示(拡大倍率最大16倍)
  • スライドショー
  • プロテクト
  • 画像サイズ変更、斜め補正
  • レベル補正
  • ホワイトバランス補正
  • トリミング
  • DPOF設定
  • 色モアレ補正
  • RAW現像
  • 動画ファイル部分切り出し
  • 動画からの静止画保存
シャッタースピード
  • 1/4000~30秒
  • バルブ
  • タイム
  • タイマー(10秒-20分)
  • 1/4000 ~ 300秒
  • バルブ
  • タイム
フラッシュ 発光モード 不明
  • AUTO
  • 強制発光
  • スローシンクロ
  • マニュアル発光
  • 赤目軽減AUTO
  • 赤目軽減強制発光
  • 赤目軽減スローシンクロ
  • ワイヤレス
調光範囲 不明 約0.2m ~ 3.0m(ISO AUTO)
ガイドナンバー 不明 5.4(ISO 100換算)
連続撮影 不明 約4コマ/秒
連続撮影可能枚数 不明 JPEG : 999枚
RAW/RAW+:10枚
記録媒体
  • 内蔵メモリー(約2.0GB)
  • SD/SDHC/SDXC(UHS-I)
  • 内蔵メモリー(約54.0MB)
  • SD/SDHC/SDXC(UHS-I)
電源 バッテリー 専用充電池 リチャージャブルバッテリーDB-65
ACアダプターAC-5c(別売)
電池寿命 未確定
  • 静止画撮影:約320枚
  • 再生時間:約190分
  • 動画撮影時間:約45分
 外部インターフェイス
  • USB-C
  • USB/AV出力端子
  • HDMI出力端子
ビデオ出力方式 不明 NTSC/PAL
無線LAN 準拠規格 IEEE 802.11b/g/n IEEE 802.11b/g/n
使用周波数 2412MHz~2462MHz (1ch~11ch) 2412MHz~2462MHz (1ch~11ch)
セキュリティ 認証方式: WPA2
暗号化方式: AES
認証方式:WPA2
暗号化方式:AES
NFC 準拠規格 不明 ISO/IEC14443 TypeA
ISO/IEC14443 TypeB
JIS X 6319-4
使用周波数 不明 13.56MHz
外形・寸法
  • 約109.4mm(幅)
  • 約61.9mm(高)
  • 約33.2mm(厚)
約117.0mm(幅)
約62.8mm(高)
約34.7mm(厚)
質量 撮影時 約257g(電池、SD含む) 約251g(電池、SD含む)
本体 約227g(電池、SD含まず) 約221g(電池、SD含まず)
対応言語 英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、デンマーク語、スウェーデン語、フィンランド語、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語、トルコ語、ギリシャ語、ロシア語、タイ語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)、日本語 英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、デンマーク語、スウェーデン語、フィンランド語、ポーランド語、チェコ語、ハンガリー語、トルコ語、ギリシャ語、ロシア語、タイ語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)、日本語

削除された機能もあるが、全刷新で使い勝手は大幅に進化

GR IIIは前モデルであるGR IIと比較すると、

  • 像面位相差AF
  • ダストリダクション
  • 手ぶれ補正
  • ローパスセレクター
  • 内蔵メモリ容量
  • タッチパネル

など様々な進化点があり、使い勝手は大きく向上しており、かつ更なる小型化を実現しています。

ただエフェクトの数が減るなど、完全な上位互換とはなっておらず、その辺は3年ぶりに発表された後継機としては機になる部分もあります。

しかし、様々な改良点に加えて、横幅や奥行きは明確に小型化されており、カタログスペック的なものよりも、実用性を進化させたという意味で、非常に評価できる新モデルと言えるのではないかともいます。

また、デジカメWatchの開発者インタビューによると、メニュー画面の階層も並べ方や文字の見易さまでこだわって、一旦更地にして一から作り直されているそうです。

機能の一部削除については「迷ったら搭載しておく」という考え方ではなく、「こういう使い方をしてほしい」と明確に発信し、それに併せて機能を作っていったとのこと。

発売は来春ということでやや待たされる形となりますが、GR IIIは、28mm(※35mm判換算)単焦点の伝統のスナップシューターとして、さらに完成度を高めてきたと言えるでしょう。

参考:デジカメWatch
画像:RICOH

Reported by 正隆