デジタルカメラ2000年代の出荷台数・出荷金額・平均単価の推移

Nikon Z6/Z7

カメラ業界動向ファンの皆さんこんにちは。

日本のものづくり最後の砦とも言われてきたカメラ業界の凋落が叫ばれて久しいわけですが、実際に2000年代においてデジタルカメラの出荷台数や出荷金額はどのように推移してきたのでしょうか?

今回は、このデジタルカメラの出荷台数・出荷金額・平均単価の推移について、CIPAのデータからみていきたいと思います。

■デジタルカメラ出荷台数の推移(単位:台)


レンズ一体型 レンズ交換式カメラ カメラ全体
一眼レフ ミラーレス 合計
2000 10,342,000 10,342,000
2001 14,753,000 14,753,000
2002 24,551,000 24,551,000
2003 42,563,000 845,000 43,408,000
2004 57,290,000 2,476,000 59,766,000
2005 60,975,000 3,791,000 64,766,000
2006 73,717,000 5,264,000 78,981,000
2007 92,899,000 7,468,000 100,367,000
2008 110,070,000 9,687,000 119,757,000
2009 95,953,000 9,911,000 105,864,000
2010 108,576,000 12,887,000 121,463,000
2011 99,830,000 15,694,000 115,524,000
2012 77,982,000 16,200,000 3,957,000 20,157,000 98,139,000
2013 45,708,000 13,826,000 3,306,000 17,131,000 62,840,000
2014 29,595,000 10,550,000 3,289,000 13,839,000 43,434,000
2015 22,341,000 9,709,000 3,345,000 13,054,000 35,395,000
2016 12,582,000 8,449,000 3,159,000 11,608,000 24,190,000
2017 13,303,000 7,596,000 4,080,000 11,676,000 24,978,000
※前年から増加した場合は赤、減少した場合は青の背景で表記

右肩下がりとなっている出荷台数

総出荷台数の推移を見ると、2017年に一瞬盛り返しているものの、これは2016年に熊本地震の影響からカメラの生産が滞ったために出荷台数が大きく下落したことの反動によるものとみられています。

そのためレンズ一体型は東日本大震災のあった2011年以降、レンズ交換式カメラはブームが下火になった2013年以降ジリジリと出荷台数を下げているのが現状です。

■デジタルカメラ出荷金額の推移(単位:百万円)


レンズ一体型 レンズ交換式カメラ カメラ全体
一眼レフ ミラーレス 合計
2000 437,979 437,979
2001 545,434 545,434
2002 797,671 797,671
2003 1,139,541 85,502 1,225,043
2004 1,359,881 186,129 1,546,010
2005 1,297,416 261,210 1,558,626
2006 1,436,438 337,920 1,774,358
2007 1,615,431 445,100 2,060,531
2008 1,638,668 525,372 2,164,040
2009 1,161,941 458,858 1,620,799
2010 1,139,863 503,390 1,643,253
2011 917,674 534,569 1,452,242
2012 714,951 627,943 125,220 753,163 1,468,115
2013 490,230 556,509 121,753 678,262 1,168,492
2014 359,192 468,207 137,117 605,324 964,516
2015 307,148 429,033 149,265 578,298 885,446
2016 190,715 370,127 149,433 519,560 710,275
2017 214,489 356,912 221,417 578,329 792,817
※前年から増加した場合は赤、減少した場合は青の背景で表記

出荷金額はミラーレスカメラが健闘

出荷金額も全体の傾向としては近年下がり続けていましたが、フルサイズミラーレスをはじめとする高付加価値カメラが健闘し、ミラーレス部門は出荷金額を順調に伸ばしています。

一眼レフは出荷台数の低迷によって出荷金額も比例して落ちているものの、ミラーレスカメラの単価の伸びによって全体としてはやや回復しつつあるのかもしれません。

■デジタルカメラ平均単価の推移(単位:円)


レンズ一体型 レンズ交換式カメラ カメラ全体
一眼レフ ミラーレス 合計
2000 42,300 42,300
2001 37,000 37,000
2002 32,500 32,500
2003 26,800 101,200 28,200
2004 23,700 75,200 25,900
2005 21,300 68,900 24,100
2006 19,500 64,200 22,500
2007 17,400 59,600 20,500
2008 14,900 54,200 18,100
2009 14,900 46,300 15,300
2010 10,500 39,100 13,500
2011 9,200 34,100 12,600
2012 9,200 38,800 31,600 37,400 15,000
2013 10,700 40,300 36,800 39,600 18,600
2014 12,100 44,400 41,700 43,700 22,200
2015 13,700 44,200 44,600 44,300 25,000
2016 15,200 43,800 47,300 44,800 29,400
2017 16,100 47,000 54,300 49,500 31,700
※前年から増加した場合は赤、減少した場合は青の背景で表記

平均単価は全部門で回復傾向

カメラメーカーが高付加価値カメラに軸足を移していったことから、平均単価は全部門で回復傾向にあります。

高いカメラばかりでは一般層に写真趣味が広がりにくくなってしまうため、あまり極端な高級路線は良いことではありませんが、近年のデジタルカメラの値崩れはカメラメーカーに利益をもたらさないほどに下落してしまっていたため、それを踏まえて考えれば、平均単価は今しばらくは上がる方が健全な業界と言えるだろうという気がします。

参考:CIPA
画像:YouTube(Nikon Imaging Japan)

Reported by 正隆