例によってデジカメinfoによると、シグマが近日中に50-100mm F1.8 DC HSM Artを発表するとのこと。
シグマArtレンズは非常に評価の高いレンズシリーズですが、ズームレンズでは、フルサイズ用の24-35mm F2 DG HSM ArtとAPS-C用の18-35mm F1.8 DC HSM Artの2本が発売されており、今回50-100mm F1.8 DC HSM Artが発売されると2本目のAPS-C用大口径ズームレンズとなります。
APS-Cでの開放F1.8は、フルサイズでのF2.8とほぼ同等のボケ量を得られるため、ズームレンズでもAPS-C機でもフルサイズ並みに大きくボカしたいという要望に応えるレンズとなっていますが、このレンズそれだけではないようです。そのレンズ構成たるや…。
■50-100mm F1.8 DC HSM Artの主な仕様
- レンズ構成:15群21枚
- 構成レンズ:FLDガラス3枚/SLDガラス1枚/高屈折率高分散ガラス1枚/高屈折率SLDガラス3枚
- フィルターサイズ:82mm
- 最短撮影距離:95cm
- 最大撮影倍率:1 : 6.7
- 全長:170.7mm
- 最大径:93.5mm
- 質量:1490g
- 絞り羽根:9枚(円形絞り)
- AF駆動システム:新開発の超音波モーター
- フォーカスタイプ:インナーフォーカス
- ズームタイプ:インナーズーム
- マウント:キヤノンEFマウント、ニコンFマウント、シグマSAマウント
- 発売予定日:2016年4月22日
- 希望小売価格:167,400円(税込)
サイズ感、重量感は、50-100mm F1.8 DC HSM Artの方がやや太くやや短いですが、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIやEF70-200mm F2.8L IS II USMとほぼ同等のスペックとなっており、レンズ構成枚数も近いものがあります。
画質面だけでなく全長や重量を抑えるためだと思われますが、FLDガラス3枚/SLDガラス1枚/高屈折率高分散ガラス1枚/高屈折率SLDガラス3枚という非常に贅沢なレンズ構成になっています。
蛍石と同等の性能という超低分散ガラスであるFLDガラスを3枚というのは驚きですが、SLDガラスもふんだんに使用されており、このレンズが単なるボケ量重視ではなく、画質最優先で設計されているのが分かります。
インナーフォーカスやインナーズームはこれだけの力の入ったレンズならまあ普通かなとも思いますが、オートフォーカス用の超音波ユニットも新設計ということで、オートフォーカスの速さにも十分な期待が持てます。
フィルターは82mmということでかなりの大口径ですが、折角のArtレンズですからシグマの高性能フィルター、82mm WR CERAMIC PROTECTORが最適でしょう。
■50-100mm F1.8 DC HSM Artの特長と魅力
シグマの50-100mm F1.8 DC HSM Artは、既に発売済みの18-35mm F1.8 DC HSM Artに続くシリーズとして見ることが出来ると思いますが、18-35mm F1.8 DC HSM Art自体、単なる非常に明るいズームレンズというだけでなく、その多くの単焦点をも凌駕する解像力など、画質面でも高い評価を受けています。
50-100mm F1.8 DC HSM Artは35mm判換算で言うと、ニコン機であれば75-150mm、キヤノン機であれば80-160mm相当ということになり、ポートレートにも非常に使いやすい画角を1本でカバーしているということなります。
また、APS-C機でズームレンズでありながらフルサイズ用F2.8通しのズームレンズ並みのボケ量を得られるため、その点も大きな魅力です。
大三元で言うと、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIやEF70-200mm F2.8L IS II USMと近い画角とボケ量があるため、D500+50-100mm F1.8 DC HSM Artや、EOS 7D Mark II+50-100mm F1.8 DC HSM Artなら、フルサイズに負けない表現力が得られるのではないかという期待が高まります。
■セレブリティレンズ
レンズ構成を見ればまるでビクトリア王朝のような絢爛豪華な構成で、今もっとも実写作例が楽しみなレンズです。
またD500やEOS 7D Mark IIを使われている方にもオススメできるスーパーレンズとなりそうな予感です。さすがシグマはいい意味で人を驚かせるのが大好きなメーカーですね。
Reported by 正隆