OM-D E-M1の登場から3年近くが経ちます。フォトキナでの発表が有力視されているOLYMPUSミラーレス機のフラッグシップ機後継、OM-D E-M1 Mark IIですが、果たしてどのような進化を果たすのでしょうか?
今回はOM-D E-M1 Mark IIの詳細スペックを予想してみたいと思います。
■画質面での進化点
画質面での進化はマイクロフォーサーズ機では、イメージセンサーよりもレンズ性能に頼りがちな部分ですがSONYからマイクロフォーサーズセンサーが発表されており、LUMIX GH4後継機であるLUMIX GH5にはSONY製センサーが採用されるのではないか?という噂も出ています。
画素数に関しては画素ピッチの問題やマイクロフォーサーズユーザーからも画素数アップに対する要望が少ないこともあり、大幅な画素数アップは行われないでしょう。
■オートフォーカス性能はどうなるのか?
オリンパスはOM-D E-M1 Mark IIでプロスポーツカメラマンの市場を狙っているという噂があり、オートフォーカス性能を大幅に向上してくるという情報があります。
OM-D E-M1も決してオートフォーカス性能が悪い機種ではありませんが、後発のα6300が驚異的なオートフォーカス性能を実現しており、またプロスポーツカメラマンの市場では定番といえるD5やEOS-1D X Mark II、APS-C機でもD500やEOS 7D Mark IIといった動体撮影に適した優れたオートフォーカス性能を誇る機種も登場しており、OM-D E-M1 Mark IIでは、オートフォーカス性能を大幅に引き上げてくることが予想されてます。
その為には測距点数、カバーエリア、オートフォーカス速度など様々な点での向上が期待できます。
■プロスポーツカメラマンの市場を狙う上で、連写性能はどうなるのか?
オートフォーカス性能と合わせて連写性能を引き上げることは、スポーツ撮影では重要な要素であるため、OM-D E-M1 Mark IIでは、秒間コマ数及び連続撮影枚数両面で性能の大幅な向上が望めるでしょう。
具体的には秒間コマ数がOM-D E-M1では9枚でしたが、OM-D E-M1 Mark IIでは12枚程度には引き上げられ、従来JPEGではメモリーカード上限まで制限なく連続での撮影が可能でしたが、OM-D E-M1 Mark IIでは、RAWによる連写時でも100枚以上の連続撮影を可能にしてくることが予想されます。
■オリンパスの命、手ブレ補正は?
オリンパスと言えば非常に強力なボディ内手ブレ補正が大きな売りの一つですが、最近ではM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROなどでレンズ内手ブレ補正とボディ内手ブレ補正を協調動作させる、「5軸シンクロ手ブレ補正」を実現し、なんとシャッタースピード6段分という驚異的な補正能力を実現しています。
6段分と言っても常に100%の効果を発揮するわけではありませんが、例えば手ブレ補正がない状態で1/300秒程度のシャッタースピードが必要な状況で、1/300秒→1/150秒→1/80秒→1/40秒→1/20秒→1/10秒→1/5秒という、理論上1/5秒でも手ブレをある程度の確率で抑えられるということになります。
センサーサイズの小さいマイクロフォーサーズ機は、とかく高感度耐性においてAPS-C機やフルサイズ機と比較して不利になりますが、他社フルサイズ機がマイクロフォーサーズ機よりも2段分高感度耐性に優れていたとしても、6段分の手ブレ補正を生かして、感度を下げるということが可能になります。
そのため今後もM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROのようなシンクロ手振れ補正対応レンズが増えてくることが予想されます。また、ハイレゾショットも手持ち撮影に対応してくる可能性が高いと考えられます。
■動画性能はどうなる?
動画性能に関しては4K動画の搭載が確実されています。従来オリンパスは一眼動画に関してそれほど積極的ではありませんでしたが、他社がこぞって4K動画を搭載してきていること、ここにきてオリンパスの強力なボディ内手ブレ補正を生かした手持ち動画撮影に一定のファンが付き始めたことなどもあり、OM-D E-M1 Mark IIでは、4K動画の搭載は確実と予想されています。
SONY機やPanasonic機では、噂されるα9やLUMIX GH5で6K/30pと4K/60p動画の搭載が予想されていますが、オリンパスが4K/30pなのか4K/60pなのかは現時点では不明で、6K/30pや4K/60pを処理するには相当な画像処理エンジンのパワーが必要になるため、静止画に軸足を置いているオリンパスとしては4K/30pの可能性が高いと考えられます。
■OM-D E-M1 Mark IIのボディデザインは?
ボディデザインに関しては現行機のOM-D E-M1が支持されていることもあり、後継機のOM-D E-M1 Mark IIはキープコンセプトで来ることが予想されます。
スポーツ撮影に力を入れるということもあり、フォーカスセレクターレバーが追加される可能性が高いでしょう。ボディ自体はOM-D E-M1からそれほど大きくはならないと考えられます。
■OM-D E-M1 Mark IIの発表・発売時期・価格は?
気になる発売日ですが、2016年9月に開催されるフォトキナでの発表が有力視されています。発売サイクルとしてもOM-D E-M1から丸3年が経過し、フラッグシップ機を発表する場所としてもふさわしいかと思われるため、フォトキナ直前の8月末〜9月のフォトキナでの発表が本命と考えられます。
発売時期は9月末〜10月が予想されます。価格に関しては基本的にはOM-D E-M1(発売当初最安値:197,819円)と同価格帯での発売が予想されます。
■OM-D E-M1 Mark IIの仕様とOM-D E-M1の仕様比較
OM-D E-M1 vs OM-D E-M1 Mark II(予想)仕様比較 | ||
機種 | OM-D E-M1 | OM-D E-M1 Mark II |
有効画素数 | 約1628万画素 | 約2020万画素 |
撮像素子 | 約17.3×13.0mm | 約17.3×13.0mm |
画像処理エンジン | TruePic Ⅶ | TruePic Ⅷ |
記録媒体 | SDXC(UHS-I対応) | SDXC(UHS-II対応)/ダブルスロット |
ファインダー | 約236万画素 | 約236万ドット |
ファインダー視野率 | 上下/左右とも約100% | 上下/左右とも約100% |
ファインダー倍率 | 約1.30倍~約1.48倍 | 約1.48倍~約1.68倍 |
アイポイント | 約21mm | 約21mm |
シャッタースピード | 1/8000-60秒 | 1/8000-60秒 |
ストロボ同調速度 | 1/320秒 | 1/320秒 |
秒間コマ数(AF追随) | 最高約9コマ/秒 | 最高約12コマ/秒 |
連続撮影枚数(RAW/14ビット) | 約50枚 | 約100枚 |
連続撮影枚数(JPEG/FINE) | メモリーカード上限まで | メモリーカード上限まで |
常用ISO感度 | ISO100-1600(初期設定) | ISO100-3200(初期設定) |
最高ISO感度 | ISO25600 | ISO51200 |
フォーカスポイント | 81点 | 399点 |
AF検出範囲 | -2~+20EV | -3~+20EV |
調光センサー | 324分割デジタルESP測光 | 324分割デジタルESP測光 |
動画記録形式 | MOV(MPEG-4) AVI(Motion JPEG) |
MOV(MPEG-4) AVI(Motion JPEG) |
動画記録画素数 | 1920×1080:FHD 1280×720:HD |
3840×2160:4K 1920×1080:FHD 1280×720:HD |
フレームレート | FHD:30p/25p/24p HD:30p/25p/30p |
4K:30p/25p/24p FHD:60p/30p/25p/24p HD:120p/60p/30p/25p/30p |
圧縮形式 | MOV:MPEG-4AVC/H.264 AVI/Motion JPEG |
MOV:MPEG-4AVC/H.264 AVI/Motion JPEG |
モニター種別 | 3.0型可動式液晶 | 3.2型可動式液晶 |
モニター解像度 | 約104万ドット | 122万ドット |
タッチパネル | あり | あり |
GPS | GPS機能付きスマートフォンから取得 | GPS機能付きスマートフォンから取得 |
Wi-Fi | あり | あり |
バッテリー寿命 | ファインダー使用時:約290枚 液晶モニター使用時:約340枚 |
ファインダー使用時:約350枚 液晶モニター使用時:約400枚 |
大きさ | 130.4×93.5×63.1mm | 133.5×99.2×65.0mm |
重量 | 約443g(ボディのみ) 約497g(CIPA準拠) |
約485g(ボディのみ) 約542g(CIPA準拠) |
画像:OLYMPUS
Reported by 正隆