カメラメーカーにとってもビックイベント、リオ・デ・ジャネイロオリンピックが始まりましたが、2020年開催予定東京オリンピック前哨戦とも言える今回、ニコン・キヤノンともに過去最多の機材をオリンピックの報道拠点となるMPC(メーンプレスセンター)に持ち込んでいるようです。
今回はオリンピックMPCにニコン・キヤノンの機材がどのように持ち込まれているかを御紹介します。
■キヤノンブース
まずはキヤノンブースから。各国のカメラマンへの貸出しや修理時の代替品のために、カメラボディ・超広角〜超望遠レンズまで様々な撮影機材が揃っています。
用紙された機材は約2500点、総額は10億円を超えるとのことで過去最大規模とのこと。ブースでは修理なども随時受付ており、各国のオリンピックカメラマンをサポートしています。
フラッグシップ機のEOS-1D X Mark IIがズラリと並んでいる光景は壮観の一言です。ストラップの巻き方も決まりがあるようで整然と並んでいます。
棚にはカメラボディとレンズが大量に並んでいます。ボディはEOS-1D X Mark IIだけでなく、EOS 7D Mark IIやEOS 5D Mark IIIといった機種も用意されている様子が分かります。
レンズはEF300mm F2.8L IS II USMやEF400mm F2.8L IS II USMといった大口径望遠レンズだけでなく、各焦点距離のLレンズやEF-Sレンズも大量に用意されています。
所狭しという感じで並べられた機材の山の中をスタッフが行き来しています。忙しい時間帯は出入りだけでも大変そうです。
■ニコンブース
では次にニコンブースの御紹介。世界16カ国から約70名のスタッフが常駐し、カメラボディはもちろんAI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8Dのような魚眼レンズからAF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VRのような大口径超望遠レンズまであらゆる機材の貸出し・修理を受け付けています。
用意された機材は「家が何軒も建つ程度」とのことで、やはりキヤノンと同様あらゆるボディ・レンズを大量にストックしています。
ロンドンオリンピックからは部屋全体を金網のゲージで覆い、機材を空輸する際はトランクケースの上から更に大きなスチールケースに入れて運ぶなどの厳重な盗難対策がなされているそうです。
キヤノンブースはニコンブースと違って機材は棚に並べられていましたが、ニコンブースでは機材はケースに収納された状態で保管しているようです。部屋全体が金網に囲われている点はキヤノン・ニコンともに共通しており、高価な機材だけに盗難対策は厳重に行われています。
ニコンは当然新型フラッグシップ機であるD5が大量にストックされています。ストラップの巻き方は2社ともに共通しています。
キヤノンブースは機材を棚に直接並べていましたが、ニコンブースでは機材用のケースに入れて収納されています。安全のためとはいえ出し入れはなかなか大変そうです。
熟練の修理スタッフもオリンピック会場入りしており、世界中のカメラマンが持ち込む機材の修理にあたっています。
D5用のバッテリーEN-EL18aが大量にチャージされています。バッテリー無くしてカメラは使い物になりませんが、これだけ同時に充電するとなると電源もバカになりません。
オリンピックは選手だけでなく、プロスポーツカメラマン、更にはカメラメーカーにとっても4年に一度の最も忙しい2週間と言えるのかも知れません。
画像:産経フォト
Reported by 正隆