CIPAが7月のデジタルカメラ出荷台数を発表いたしましたのでご紹介します。
それによると、2017年のレンズ交換式デジタルカメラの出荷台数は、1-7月の間で3月のみ昨年比97.9%と昨年割れしているものの、その他の6ヶ月間全ての月で昨年の出荷台数を上回っており、1-7月の累計で111.1%と増加。
特にミラーレス(ノンレフレックス)は、昨年比で台数ベースで159.5%、金額ベースでは182.2%の大幅増となっています。
またコンパクトデジタルカメラを含めたデジタルスチルカメラ全体でも、昨年比で112.4%と大幅増とのこと。
そこで今回はこのデジタルカメラ出荷台数増加のニュースをご紹介します。
■デジタルカメラ出荷台数と出荷金額状況
レンズ交換式カメラは昨年比11.1%増。特にミラーレスが絶好調
昨年は熊本地震の影響で春のデジタルカメラの出荷台数が大幅に落ち込んだこともありますが、2017年は1-7月の累計では昨年比111.1%となっており、11.1%増加しています。
特にミラーレス(CIPAでは「ノンレフレックス」と表記)は、出荷台数ベースで1-7月の累計が何と前年比159.5%、金額では182.2%という驚異的な伸びを示しています。
累計出荷台数と出荷金額の比較
1-7月までの総出荷数の累計を見てみると、このようになります。
レンズ交換式デジタルカメラ出荷台数(単位:台) | ||||
年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 昨年比 |
レンズ交換式カメラ | 7,449,004 | 6,050,515 | 6,720,689 | 111.1% |
一眼レフ | 5,629,887 | 4,547,337 | 4,322,753 | 95.1% |
ミラーレス | 1,819,117 | 1,503,178 | 2,397,936 | 159.5% |
1-7月までを金額ベースで比較してみると、このようになります。
レンズ交換式デジタルカメラ出荷金額(単位:千円) | ||||
年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 昨年比 |
レンズ交換式カメラ | 338,401,668 | 270,111,648 | 329,942,860 | 122.2% |
一眼レフ | 261,685,199 | 198,690,857 | 199,784,763 | 100.6% |
ミラーレス | 76,716,469 | 71,420,791 | 130,158,097 | 182.2% |
ミラーレス絶好調!遂にデジタルカメラ完全復活か!?
レンズ交換式カメラ全体では出荷台数で111.1%、出荷金額で122.2%と共に増加しており、また特定の月だけでなくほとんどの月で増加傾向にあることから、デジタルカメラが復調していることがうかがえます。
一眼レフは出荷台数で微減(-4.9%)、出荷金額で微増(+0.6%)。ミラーレスは出荷台数で+59.5%、出荷金額でも+82.2%の大幅増となっています。
またなんとコンパクトデジタルカメラも、出荷台数で113.5%、出荷金額で126.6%と共に大幅に増加、ついにコンパクトデジタルカメラも下げ止まりし反転しつつあるようです。
デジタルカメラ全体では出荷台数ベースで112.4%、出荷金額べースで123.4%と共に増加しています。
日本でも世界でも、実はデジカメは売れ行き好調!
ちなみにこの傾向は全世界的なものとなっているようです。
デジタルスチルカメラ出荷台数・出荷金額 | ||||||
地域 | 世界 | 日本 | 欧州 | 米州 | アジア | その他 |
出荷台数 | 112.4% | 100.9% | 115.5% | 113.5% | 112.4% | 139.4% |
出荷金額 | 123.4% | 109.9% | 129.2% | 123.6% | 122.3% | 163.4% |
日本以外の全ての地域で出荷台数・出荷金額共に2017年1-7月の累計で100%を大幅に超えており、出荷台数で10%以上、出荷金額で20%以上も増加していることに驚かされます。
またもっとも伸びが緩やかな日本も、台数ベースでは微増であるものの、金額ベースでは+9.9%と顕著な伸びを示しています。
カメラはオワコン?いいえ、むしろ未来は明るい
重ねて申し上げますが、これは7月限定の話ではなく、2017年1-7月の累計であることがポイントです。
今年も既に、α9やD850といった話題性のあるカメラが登場していますが、意外にも我々が「カメラの未来は暗い」と悲観的に思い込んでいるだけで、実際にはカメラ市場には「明るい未来が既に来ている」のかも知れません。
Reported by 正隆