ちょっとヘンなカメラ・写真業界用語集!

カメラ業界用語集

写真の世界にも普通の人にはちょっと伝わりにくい「業界用語」があります。何も通ぶって使うわけではなく、スタジオなど同業者の間では当たり前になっていて、意味を知れば「なるほど」というような便利なフレーズも。

今回はそんな、撮影関係の業界用語や専門的な言い回し、あまり聞かない機材の呼び方などを、スチールの現場中心に集めてみました!



■あ行


アイレベル
目線の高さ。

あおる
被写体の下から見上げるように撮影すること。ローアングルと同じ。

あがり
撮影してできた写真のこと。あがりよければ全てよし。


三脚の雲台をのぞいた脚部分。またはライトスタンドのこと。

後ピン
ピントが合ってほしい部分より後方に来ていること。反対は前ピン。

甘い
1.ピントが少しズレていること。
2.レンズの描写が柔らかく、解像感がない様子。

ありネガ
雑誌や広告で、撮り下ろしではなくすでにある写真を使うこと。コマーシャルフォトの世界でよく使われる。

ありもの
新たに購入したり手配したのではない、すでにあるもの。撮影小物など。

アングル
カメラの向き。水平アングル、ローアングル、ハイアングルなど。

アンダー
適正露出より露出が低いこと。

色かぶり
照明の色が被写体に影響すること。黄色かぶり、マゼンタかぶりなど。

押す
撮影が長引くこと。長引きそうなときは押し気味。

オーバー
適正露出より露出が高いこと。

オーバーインフ
無限遠を出そうとしているのに、ピントが無限遠を超えて戻ってしまうこと。

■か行


過焦点距離
被写界深度の後端が、無限遠にかかる一番近い距離のこと。

カポック
発泡スチロール製の反射板。屏風のような二つ折りや、表が白、裏が黒が多い。白面をレフ代わりに反射させたり、逆に反射させないために黒面を使用する。

大きいが軽くて移動しやすいので、スタジオではパーテーションのように簡単な目隠しにも使われる。発泡スチロールのカポックはうっかり密着させてストロボを発光させると溶けることがあるので注意!

キャッチライト
モデルの瞳の中に入る光。人物をいきいきと見せる。発光面の形によってキャッチライトの形も変わる。

空撮
航空撮影の略で、主にヘリコプター、最近ではドローンでも撮影する。

クロマキー
合成の切り抜きのため、ブルーやグリーンの背景で撮影すること。

ケラレる
フィルターの枠など、画面の隅に何かの影が写ってしまうこと。

ゴースト
光害によって本来ないはずの光の玉のようなものが写ってしまうこと。光源の対角に発生する。

コンポジ
モデルのプロフィール用写真のこと。本来は1枚の紙に複数の写真を合成したもの。

コンポジット撮影
比較明合成のこと。

■さ行


サイコロ
立つことも座ることもできる丈夫な箱状のスタジオ用品。名前の通りサイコロ状の6面ある箱が主流だが、5面や4面もある。白が一般的だが無塗装(木の色のまま)もある。持ち手の穴が空いているものもある。

シズル感
新鮮な、瑞々しいというようなニュアンス。食品撮影によく使われる。ジュージューという肉の焼ける音から来たといわれる。

白飛び
ハイライトが強すぎて、その部分の情報がなくなってしまうこと。

白ホリ
白ホリゾントの略。壁と床に境目ができないよう曲線をつけた撮影環境のこと。壁にアールが付いている場合や背景紙で作る場合もある。

社カメ
会社に所属する、社員カメラマンの略。

宣材
宣材写真の略。モデルやタレントなどの宣伝用のプロフィール写真のこと。

■た行


単玉(たんたま)
単焦点レンズのこと。本来はレンズ一枚のことを単玉(たんぎょく)と呼ぶ。

トップライト
被写体のほぼ真上からのライト。人物撮影で強すぎるとおでこが白飛びしてしまうので注意。

トレペ
トレーシングペーパーの略。撮影では光を拡散させるため、ライティングの一部に使用する。

出目・撮り目
露出計で出た数値が「出目」、それに対して実際に撮影する数値が「撮り目」。適正露出よりあえて上げたり下げたりする場合があるので、二つを呼び分けるときに。

撮って出し
JPEGで撮影したまま、何も調整していない状態。

■な行


長玉(ながたま)
焦点距離の長い、望遠系レンズのこと。

なめる
被写体の手前に小物や花などを配置し、「何か」越しに撮影すること。

ニコパチ
モデルが「ニコッ」と笑った瞬間を「パチッ」と撮影する。

■は行


ハイキー
画面全体に占める白の割合が多い写真。黒が多い場合はローキー。

はこ
室内ロケやスタジオを指す。

箱馬
長方形で、独特の形状をしたスタジオ用品。主に踏み台に使う。英語ではAppleBoxと呼ぶそう。大きい物は平台と呼ぶ。

バストアップ
胸から上のショット。バストショットと同じ。

パーマセル
パーマセルテープの略。白や黒のテープで、剥がしても跡が残らない。

引き
寄りの反対で、被写体から離れて撮影すること。被写体の周囲の状況を含めて撮影する。

ハレ切り
ハレーション切りの略。手で遮ったり、黒い下敷きなどをレンズに近づけることが多い。

ハレーション
余分な光によって、コントラストが低下して白っぽくなってしまう状態。ハレ切りをすると回復する。

パン
手持ちや三脚の上で、カメラを水平方向に動かすこと。その向き。ビデオカメラマンはパンが上手。

パンフォーカス
手前から奥まで、すべての距離でピントが合っていること。実際に合っていなくてもほとんど合っている状態を「パンフォーカス気味で」などという。

ピーカン
眩しいくらいの快晴。シャッタースピードが早くなりすぎて不都合な時もある。モデル撮影では気を使うことが多いので、一般的にはピーカンより薄曇りが好まれる。

ピン
ピントの略。ピンぼけ、ピン抜けなど。

ひな壇
集合写真を撮る際に使用する、並んでもらうための台。段数はさまざま。なかなか高価で場所をとるので、使用する際だけレンタルを検討しても。

フットライト
足元からのライティング。フロアライトとも。顎下の影を和らげたりする。

フィルライト
ライティングの中で、メインライトを補助するライト。

フリッカー現象
点滅する照明器具の環境下で撮影した際、画面上の明るさや色ムラができる現象。

振る
動かす。カメラを振る→カメラを動かす。

フレア
極めて明るい光源が存在すると発生する、画面が白っぽくなりコントラストが低下する現象。

ブロアー
1.カメラやレンズのホコリを吹き飛ばすための用具。
2.大きなドライヤーのような形状で、撮影の際風を起こすための器具。

ポージング
ポーズを取ること。モデルさんに取ってもらうため、カメラマンやディレクターがポージングの指示をすることもある。

■ま行


前ピン
ピントが合ってほしい部分より前方に来ていること。反対は後ピン。

巻き
急ぐこと。押しているから巻きで。

見切れる
写ってはいけない人・物が写ってしまうこと。例えばライティング時のソフトボックスなどは面積が大きいぶん見切れやすいので気をつける。

無限遠
レンズのピント合わせの際、それ以降ピント合わせが不要になる距離。およそ焦点距離の2000倍といわれている。レンズでは無限大「∞」のマークで表されることから、無限大と呼ぶ人もいる。

メインライト
ライティングの中で一番光量の多いライト。

目線
モデルの視線。撮影会では声をかけて目線をもらう。

モアレ
服の模様など規則的な模様を撮影した場合、本来ないしま模様や色(偽色)が発生してしまうこと。カメラはローパスフィルターなどによって緩和している。

■や行


寄り
引きの反対で、被写体に近づいて撮影すること。クローズアップ。

■ら行


レフ板
白い反射板のこと。白レフ。白以外では金・銀などがある。形状は丸から始まってさまざま。大きいと畳むのが大変。

レンブラントライト
画家のレンブラントの絵画で見られるような、斜め45度からの1灯を強調したドラマティックなライティングのこと。

コントラストが強くなり、顔の立体感が強調される。緊張感のあるポートレートでよく使われ、写真館ではお馴染み。

ローキー
画面全体に占める黒の割合が多い写真。白が多い場合はハイキー。

ロケーション
屋外で撮影すること。主に景色のいい場所。町中だと町ロケ。

ロケバス
ロケでスタッフの移動に使う、小~中型のバス。寝たりおにぎりを食べたり、思い思いに過ごしている。アイマスクを忘れずに。

ロケハン
ロケーション・ハンティングの略で、撮影より前に撮影地の下見をしておくこと。撮影の背景やアングル、段取りを考えながら下見をする。

■ザギンでスーシー


いかがでしたか?ぜひ全部使いこなして匠の技を気取ってくださいね☆ちょっぴりうっとうしい人になれること請け合いです。

他にも思いついたら追加していきたいと思います!

Reported by ひらはらあい