超詳細!ゼロから学ぶジェネレーターとフラッシュヘッドの使い方!

Profoto D4

今日はモノブロック編に続いて、スタジオライティングの王道、ジネェレーターの使い方を解説いたします。

機種によってダイヤルやボタンの配置は違いますが、基本的な操作方法はどのジェネレーターでも同じですから、ぜひ覚えて本格的なスタジオライティングに挑戦してくださいね!簡単ですよ!



■ジェネレーターとモノブロックストロボの違い


まずはジェネレーターとはなんなのか?モノブロックストロボと何が違うのかを学びましょう。

ジェネレーターの役割ですが、電源部となっており、発光するフラッシュヘッド複数個の発光量を一元的に管理できるのが特徴です。もちろん電源をジェネレーターが担うため、ヘッド部分にはモノブロックストロボのように電源が必要ありません。そのためヘッドが軽くなり、取り回しが楽になります。

大掛かりな多灯ライティングでは全てをモノブロックストロボにしてしまうと調光時の変更が非常に大変になりますから、スタジオでは主にジェネレーター+フラッシュヘッドが使われるケースが多くなります。

またジェネレータータイプは基本的にモノブロックストロボよりもリサイクルタイムが短く、連続して撮影する際レスポンスの良い撮影が可能です。モデルさんが動きながらポーズをとるような場合にはタイミングを逃さずシャッターを次々切れるジェネレータータイプは重宝します。

しかしながら出張撮影のような1灯もしくは2灯で行う撮影の場合はモノブロックストロボの方が運搬や設置が楽であったり、コスト的に安いため、ジェネレータータイプとモノブロックストロボはケースバイケースで使い分けるのがオススメです。

■ジェネレーターの選び方


ではジェネレーターを選ぶ際にどこを気にすれば良いでしょうか?

・出力コネクター(ソケット)数はいくつか?
まず気にするべきはソケット数、つまり全部でヘッドを何灯つなげられるのかということです。ジェネレーターは一般的に少ないもので2灯、多いもので4灯が一般的です。出力ソケットが多ければそれだけヘッドが付けられますから、ライティングの幅が広がると言えます。

人物ライティングの場合2灯あればそれなりのライティングが作れますが、例えばメインライト、フィルライト、バックグラウンドライトといった一般的なライティングを行う際に、3灯使えればメイン、フィル、バックグラウンドとそれぞれにヘッドを割り当てられますが、2灯の場合はフィルライトをカポックで代用するといった必要が出てきます。

理想とすれば4灯付けられるのがオススメですが、3灯あれば一般的にはストレスなく使えます。限定的なライティングしか行わない場合や被写体がそれほど大きくないブツ取り、出張用ということであれば2灯のタイプでも問題ありません。

調光範囲は広いか?

フラッシュヘッドの発光は強力であるため、最大出力、つまりフル発光させることは稀で、実際は絞って使うことが多くなります。逆に難儀するのは出力を絞れないことであったり、出力調整のステップ幅となります。1/64〜1/128程度まで絞り込めるもの使いやすでしょう。

しかし場合によってはフル発光させる場合もあります。ジェネレーターには、各ソケットの出力の合計値を最大出力として表記している機種もあれば、コネクターの1つあたりの出力を最大出力として表記している機種もあります。

なぜ統一されていないかと言うと、仮に「コネクターが3つ、最高出力1200Wsの機種」があった場合、「3灯であれば各コネクターに400Wsずつ3、1灯であればその1灯に対して1200Wsを出力出来る機種」もあれば、「合計で1200Ws出力出来るが、例え1灯しか接続して付いなくても、1つのコネクターには最大400Wsまでの機種」もあるからです。

全てのコネクターにヘッドを接続したと仮定して、各ライトを400Ws程度使える出力があれば余裕のあるライティングが可能になります。もし予算的に厳しい場合は、各コネクターの出力が200Ws程度まででも実用にそれほど問題は起こらないため、ワンランク出力を落として良いかと思います。

チャージタイムは速いか?

チャージタイムはストロボ発光から次の発光可能までの待ち時間を表します。これが短ければ次々とシャッターをテンポ良く切ることが出来ますから、モデルさんに動きながらポーズをとってもらう際などもチャンスを逃さず、モデルさんと自分のタイミングでシャッターを切ることが出来ます。

逆にチャージタイムが長いと、ジェネレーター待ちになってしまい、レリーズのタイミングが常にチャージを気にしながらになってしまいます。カメラマンにとってもモデルさんに不要なストレスがかかってしまいます。最近のジェネレーターはチャージが非常に速いモデルが出ており選ぶ際の重要なポイントとなっています。

独立調光出来るか?

出力コネクターが複数個あっても、低価格のジェネレーターは独立調光が出来ないモデルがあります。幾ら灯数を付けられても、それぞれを独立調光出来ないと、ディフューズしたりヘッドを被写体から離して使うという必要が出てきます。

離して使うと影の出方が変わってしまったり硬い光になるケースが多く、調光を行うのに出力バリエーターを操作するのとヘッドそのものを動かすのでは手間が大きく変わってきます。独立調光はセッティングの利便性に大きく関わる部分ですから、多少高価になっても必ず独立調光出来るものを選んでください。

リモートコントロール(ワイヤレスコントロール)可能か?

最近ではワイヤレスのコントローラーで調光や発光のON,OFFを切り替えられるジェネレーターが出ています。ジェネレーターはバリエーターで各ヘッドの出力を制御できるとは言え、そもそもジェネレーターがカメラマンの足元に置けるとは限りません。またアシスタントに頼むにせよ口頭で伝えるのも手間がかかりますし、アシスタントが必要になるのも出張撮影では当然人件費がかかります。

リモートコントロール出来る機種であれば、カメラマンはカメラのホットシューに付けたコントローラーで細かい調整が素早く出来ますし、シンクロコードが不要になるためカメラの取り回しが非常に楽になります。

ワイヤレスコントロールはジェネレーター選択の際必須の機能とまでは言えませんが、あると利便性が大幅に向上しますから、ご予算があればオススメの機能です。

■おすすめジェネレーター


ジェネレーターのおすすめ機種をご紹介します。もちろんジェネレーターだけではライティングは出来ませんから、合わせてフラッシュヘッドなど必要になります。現時点では国内のスタジオで一番普及しているのはおそらくCOMET社、海外ではProfoto社かと思います。どちらも信頼性の高いシステムです。

ジェネレーターの操作方法はどのメーカーもシンプルで、見た目が若干違っても基本的に同じですから、特別に操作が簡単な機種や難しい機種というのはありません。高性能なものほど価格も高くなりますが、先ほどご説明した選び方を参考に求めるスペックを満たしている機種をお使い頂ければと思います。

おすすめジェネレーター比較表
メーカー COMET COMET Profoto Profoto Profoto Profoto Profoto
型番 CM-1200T CM-4XT D4 1200 Air D4 2400 Air D4 4800 Air Pro-8a 1200 Air Pro-8a 2400 Air
定格電圧 AC100V±10% AC100V±10% 100-240V 100-240V 100-240V 100-240V 100-240V
出力コネクター x3 x3 x4 x4 x4 x2 x2
最大出力 1200Ws 400Ws×3 1200Ws 2400Ws 4800Ws 1200Ws 2400Ws
調光 1/1~1/64 1/1~1/64 1/1〜1/133 1/1〜1/133 1/1〜1/133 1/1〜240 1/1〜240
チャージ 2.0秒 2.6秒 1.2秒 2.2秒 4.4秒 0.5秒 0.9秒
独立調光 可能 可能 可能 可能 可能 可能 可能
出力表示 デジタル デジタル デジタル デジタル デジタル デジタル デジタル
フォトセル 内臓 内臓 内臓 内臓 内臓 内臓 内臓
リモート操作 不可 不可 可能 可能 可能 可能 可能
シンクロソケット x2 x2 x2 x2 x2 x2 x2
冷却ファン 内臓 内臓 内臓 内臓 内臓 内臓 内臓
サイズ(mm) 199(W)
192(H)
140(D)
199(W)
187(H)
140(D)
280(W)
290(H)
200(D)
280(W)
320(H)
200(D)
280(W)
360(H) 200(D)
185(H)
345(W) 250(D)
185(W)
370(H)
250(D)
重量 4.0kg 3.8Kg 10kg 11.5kg 13.5kg 11.4kg 12.2kg

■ジェネレーターの操作


では実際のジェネレーターの操作方法をCOMETのCM-1200Tを例にご説明していきます。ジェネレーターの基本操作はメーカーや機種が違っても同じですから参考にしてみて下さい。

ジェネレーター

操作手順

1. ヘッドコードを電源部へ接続します ヘッドコードを電源部の出力コネクターへ接続します。 ” カチッ ” と音がするまで十分に差し込んでください。

2. 充電サウンドを選択します 充電状態を知らせるサウンド(SOUND)が必要なときは、「充電完了音 = READY」「充電中音= CHG」のいずれかにセットします。

3. ACコードを接続します 電源部のメインスイッチ(MAIN)が「OFF」になっていることを確かめ てから、ACコードを電源部のACコネクターへ十分に差し込んでくださ い。 そのあと、ACコードをコンセントへ差し込みます。

4. メインスイッチを「ON」にします メインスイッチ(MAIN)を「ON」にします。 ACパイロットランプが点灯して充電が始まります。

5. 充電の完了 充電が完了すると、レディーランプ(テスト 発光スイッチ兼用)が点灯し、発光準備が 完了します。

6. 各灯スイッチを選択します 各灯スイッチ 1 ~ 3 で発光させる発光部を選択します。 「ON」にすると出力表示に出力が表示され発光可能となります。 「OFF」にすると出力表示に OFFと表示されます。

7. モデリングランプモードを選択します モデリングランプモードスイッチ(MOD MODE)でモデリングランプの点灯 モードを選択します。

8. テスト発光をします テスト発光スイッチ(READY)を軽く押して、接続したヘッドが正常に発光していることを確か めてください。

9. カメラとのシンクロを確認します シンクロコードでカメラと接続し、カメラでの発光テストをします。

出力バリエーター

出力バリエーターは、各出力をFULLから1/64まで1/6EVステップで調光します。 本機は電圧調光方式を採用していますので、出力を下げた時には、カラ発光が必要です。 1. 各灯表示部下の で調光します。

連続押しで ±1EV ステップになります。 2. 使用しない発光部の各灯スイッチを「OFF」にします。

モデリングランプモード

モデリングランプモードスイッチ モデリングランプは 3 つのモードから選択することができます。

  • CONST:出力バリエーターに関係なく、モデリングランプが常に100%の明るさで 点灯します。
  • VARI:モデリングランプをストロボ出力と連動して、FULLから1/16まで調光 します。
  • OFF:モデリングランプを消灯します。

各灯モデリングランプスイッチ ・各発光部毎にモデリング ON /OFF の選択ができます。 「ON」にすると LED が点灯し、該当する発光部のモデリングランプが点灯します。
※モデリングの ON/OFF はモデリングランプモード「MOD MODE」が優先されます。

充電モード

使用状況や電力事情によってブレーカー容量が不足のときは、スロー充電モードで使用すること ができます。

充電サウンド

充電の状況をブザー音で知らせます。

・READY 充電が完了したときブザーが鳴ります。
・CHG 充電中ブザー(断続音)が鳴り完了すると止まります。
・OFF 消音。

※警報はサウンドモードに関係なく鳴ります。

フォトセル

他のストロボ光を受けて同調発光したい場合、フォトセルスイッチを「P.CELL」 にします。「P.CELL」にすると、スイッチのランプが点灯します。

※赤外シンクロ装置を使うときは必ず「OFF」にしてください。

フォトセル受光部周辺に直射日光など強い光が当たると作動しないことが あります。同調発光させないときは「OFF」にしてご使用ください。

不発光モード

発光操作をしても、何らかの原因で発光しないとき、該当する出力コネクターの出力表示 (デジタル数字)が点滅しブザーが鳴り不発光を知らせます。充電完了前に発光操作を行ったときも、同様に警報が出ます。

※警報はサウンドモードに関係なく鳴ります。

警報の解除 不発光警報の解除は、充電完了後ふたたび発光 操作をして正常に発光すると解除されます。また、メインスイッチ(MAIN)をいったん「OFF」にすることでも解除されます。

過熱警報

連続発光などにより内部の電子部品が所定の温度以上になったと き、メインスイッチ(MAIN)のパイロットランプが点滅し、ブザーの連 続音で知らせます。

このときは、ただちに使用を中止してください。

※警報はサウンドモードに関係なく鳴ります。

警報の解除 メインスイッチ(MAIN)をいったん「OFF」にして、ふたたび「ON」にするとブザー音は停止します。内部温度が下がるまでメインスイッチのパイロットランプは点滅します。

ヒューズ交換

ヒューズホルダーの蓋をドライバーで外し、断線したヒューズを取り出します。 切れたヒューズと同じ定格のものと交換してください。

※ヒューズ交換はメインスイッチ(MAIN)を「OFF」にし必ずACプラグをコンセントから抜いて行ってください。

■ジェネレーター、それは比類なき王者のライティング


ジェネレーターというとまさにスタジオライティングの定番中の定番で、写真撮影を趣味にしておられるかたでも触る機会は少ないかと思います。

しかし実際に使ってみれば操作は非常に簡単で、様々なライティングを行えます。

一歩、いや二歩三歩進んだライティングテクニックの習得にジェネレーターにトライしてみて下さいね!

画像:Profoto,COMET

Reported by 正隆