今日は水準器のお話。と言っても、カメラに内蔵の電子水準器ではありません。
ホットシューにつけるタイプの水準器です。カメラ内蔵の電子水準器をお使いの方も敢えて使うのもオススメです。なぜって?カッコイイからですよ!
■レベラーを使う意味
レベラーを使う意味は言わずもがな、水平をとるためです。撮影後家で写真を見てみたら少し傾いていた、あるいはなんか傾いている気がするといった経験は誰しもあると思います。そんな時!レベラーを使っていれば傾いてしまうことを事前に予防できます。
■カメラ内蔵の電子水準器ではダメなの?
写真の水平をとるという意味ではもちろんカメラ内電子水準器でも構いません。今は上級機を中心に電子水準器の搭載機種が増えています。
がしかし、この記事の趣旨はそういうことではありません。アクセサリーシューにレベラーをのせることによる視覚的なロマンを求めています。そのため電子水準器機が搭載されている機種でもあえて、そうあえてレベラーをつけるのです。
■水準器の中の液体がグリーンのものと透明のものは何が違うの?
緑の液体は気泡の視認性を上げるための工夫ですが、経年変化で長くても数年で透明になります。店頭商品の中には展示している間に透明になっているものもありますが、いずれにしてもやがては透明になります。液体が透明になると気泡の視認性はやや落ちますが水準器としての機能は変わりありませんからそのままお使いいただけます。
製品によって最初から透明のものもあり、液色が薄くなっていくのが嫌な方は最初から透明のタイプを選ぶのも手です。
■安いレベラーと高いレベラーは何が違うの?
これは一概に言えませんが、安いものは水平がいい加減なものもあります。つまり樽型の部分が最初から水平に組みつけられておらず、水平が正しくとれなかったり、気泡の動きが渋くわずかに傾いていてもスムーズに気泡が動かないために傾いていないように錯覚する場合があります。
また、本体そのものが作りが雑でホットシューに刺しにくい、あるいは緩い、バリが残っているなどの場合があり、やはり高い製品の方が一般的には品質が高い場合が多いのが現実です。カメラ用の水準器としてはアクセサリーメーカーのUNが力を入れており、全般的に価格は高めですが品質には定評があります。
■おすすめのレベラー
レベラーと一口にいっても色々なタイプがあります。選ぶ際の注意点として、縦位置撮影をどうするかということが一つのポイントになります。
レベラーは液体の中に気泡が入っており、その気泡を見ながら水平をとります。その際、横位置では水平がとれて当たり前なのですが、写真の場合縦位置撮影もあるため、縦位置では水平がとれないものや、付け替えて縦位置用に出来るものがあります。
こちらはホットシューカバー型 水準器と呼ばれる製品で、丸型水準器を内蔵したホットシューカバーです。
もっともかさばらないタイプのため、コンパクトに運べて邪魔になりませんが、上からしか見ることが出来ず精度もそれほど高くないので本格的に使うには向きません。また目立たないため視覚的に物足りない部分があります。
これはUNのUNX-5688というレベラーです。かさばらずすっきりと収まる薄型の水準器で、レベラーとしての精度も高くおすすめの一つですが、縦位置には対応しません。
カメラを縦位置にすると樽型の水準器の中で気泡が上に上がってしまうので水平が見られないからです。カメラのポップアップストロボを立ち上げた際邪魔になりにくいというメリットがあります。
UNのUN-5681という製品です。こちらも縦位置には対応しませんが、質感が高く縦位置撮影での使用を求めないのであれば見た目的にもアピール出来ておすすめの一品です。
このレベラーはhama 5410という製品ですが、これもこのままだと縦位置撮影には対応しません。そこでホットシューにさす部分を差し替えて縦位置用に切り替えられるのですが、縦位置と横位置を頻繁に入れ替えるような撮影だと煩わしい部分もあります。その代わり縦位置横位置両対応のレベラーよりコンパクトに収まるというメリットがあります。
こちらはUNのUNX-5688で縦位置でも横位置でもレベラーの差し込みを入れ替えることなく水平がとれるため使いやすく機能性に優れたレベラーです。その代わり少し横方向にかさばるというデメリットもあります。本格的に使いたい方には一押しの水準器かと思います。
こちらはHAKUBAのKPA-02という製品で、レベラーが縦長になる方でホットシューに刺せば、縦位置横位置ともにそのままで対応できますが、その分カメラバッグに入れる時などには引っかかりやすくなります。横に伸びるのが視覚的にいや、縦に伸びる分には気にしないという方に良いと思います。
■レベラーは、あなたの心の水平線
人生は長い船旅に例えられます。水平が取れていなければ写真としてダメということはありませんし、カメラ内の電子水準器を使うのも良いでしょう。
しかし、電子水準器はカメラの水平はとれても、あなたの心まで穏やかな水面のようになるわけではありません。レベラーを使用することは、心静かに写真を撮ることに通じるのではないでしょうか?
この機会にカメラのワンポイントとしてレベラーを導入してみてはいかがでしょう。
Reported by 正隆