安いだけじゃない、超高画質で時代を切り開け!シグマレンズのススメ!

Art 50mm F1.4

今日は今や飛ぶ鳥を落とす勢いのシグマレンズの理解を深めようというお話です。

安かろう悪かろうは昔の話、今や純正以上、世界屈指のレンズを連発しているシグマレンズを知って活用しましょう!Contemporary、Art、Sportsなど評判の良い新シリーズを解説していきます。



■シグマレンズにはどんなシリーズがある?


シグマレンズは多岐に渡りますが、古いタイプは別として、評判の良い最近のレンズは、Contemporary、Art、Sportsの3シリーズがあります。これらには3つのプロダクトラインがあり、シリーズごとに特徴やコンセプトが決まっています。

Contemporaryライン

・標準ズームレンズ
・望遠ズームレンズ
・高倍率ズームレンズ

高い光学性能とコンパクトを両立し、幅広い撮影シーンに対応するべく設計されているのがハイパフォーマンス・ラインです。高度な光学性能とユーティリティを維持しながら、小型・軽量をも実現しており、旅行やアウトドア、スナップ・ショットなど、幅広い撮影シーンに対応するシリーズです。

Artライン

・大口径単焦点レンズ
・広角レンズ
・超広角レンズ
・マクロレンズ
・フィッシュアイレンズ

最高の光学性能と豊かな表現力を実現するというのがアーティスティック・ラインのコンセプトです。圧倒的な描写性能と芸術的表現力に最大の力点をおいて開発されており、サイズや多機能性を犠牲にしてでも、「とにかく最高の写りを」との期待に応え、風景、ポートレート、静物、接写、スナップをはじめ、多くの作品作りに適しています。

Sportsライン

・望遠レンズ
・望遠ズームレンズ
・超望遠レンズ
・超望遠ズームレンズ

高度な光学性能と実現しつつ、高い運動性能を発揮するスポーティ・ライン。動きの速い被写体や、遠方の被写体を捉えることができる望遠レンズと中心にラインアップされており、加えて過酷な条件下でも対応できるように設計されています。

スポーツ写真全般、鳥や野生動物などのネイチャーフォト、飛行機・鉄道・モータースポーツなどに最適です。また、ソフトウェアとの連携により、撮影者の多彩なカスタマイズ機能も備えていることも大きな特長です。

要約すると、

Contemporary:小型軽量高品質を狙ったスタンダードライン
Art:最高の画質と品質を求める高級ライン
Sports:望遠レンズ主体の高級ライン

となります。スタンダードであるContemporaryシリーズでさえ、従来のシグマシリーズと比較すると光学性能は勿論ですが、質感が大幅に向上しており、純正の高級レンズと比較してもむしろ質感は勝っています。

またここ数年シグマレンズの評価を大幅に上げる原動力となっているのがArtラインで、世界屈指の光学性能を実現したレンズを連発しており、以前の「安かろう悪かろう」「純正が高いからシグマ」という考えは完全に過去のものとなりました。

プロカメラマンも純正以上の性能を求めて積極的にシグマArtシリーズのレンズを使う方が増えている状況です。

■シグマレンズの写りの特徴


シグマレンズの特徴は、解像力にあります。Foveonセンサーに代表されるように、シグマは写りとはまず解像ありきという考え方があり、シャープに写ることを最優先しているように感じられます。

反面ボケ味に関してはあまり評価は高くなく、今後に期待される部分もあります。

従来までは、一般的なセンサーを使ったMTF測定器を用いてレンズの性能を測定してきましたが、新シリーズでは、4,600万画素FOVEONダイレクトイメージセンサーを用いたMTF測定器「A1」を独自に開発。これまで検出できなかった高周波成分の検査までも可能になりました。

新ラインのレンズはすべてこの「A1」でチェックを受けてから出荷されます。現在シグマは殆どのレンズを国内会津工場にて生産しており、普及価格帯のレンズから全数検査、Made in Japanになっているそうです。

■AFや品質面で不安はある?


正直完全にないとは言い切れません。この点に関しては純正に勝る物はないでしょう。しかしながらシグマもこの点に関してはかなり気を使っており、様々な改善が行われています。

まずひとつに、部品に関しては細かな部品一つに至るまで会津工場で一貫生産を行い、新シリーズレンズに関しては出荷前に全数検査を実施しているとのことです。

SIGMA USB DOCK 2

また、SIGMA USB DOCKと呼ばれる機器も合わせて販売しており、こちらを利用する事でレンズのファームアップデートや、従来はメーカーに送る事でしか行えなかったピント調整が自宅のPCで行えるようになりました。

サードパーティ製レンズでもっとも不安視されるピント不良やカメラボディとの相性問題を解決する手段として用意されています。

精度や耐久性に関しても大幅な改良がなされています。カメラやレンズの機構設計では、主要構造部を、金属とポリカーボネートそれぞれの特性を生かして、最適にレイアウトする必要があります。

全てを金属製にしてしまうと重くなるだけではなく、衝撃が加わった際に鏡筒が塑性変形してしまいレンズの動作に支障を来してしまうからです。

本レンズでは、アルミニウムと同等の熱収縮率をもち、温度による収縮が特に少なく、硬度が秀れている新複合材「TSC (Thermally Stable Composite)」を業界で初めて採用。熱収縮率が少ないので金属部品との親和性が高く、精度の高い製品作りに貢献しています。

「TSC(Thermally Stable Composite)」とは、アルミニウムと同等の熱収縮率を持つポリカーボネートのことで、部品が変形しにくいため、高い精度でレンズ形成が可能。

さらに、一般的に使用されているガラス含有率20%のポリカーボネートと比べ、約70%、ガラス含有率が30%のポリカーボネートと比べても、約25%高い弾性率を持ちます。これによりレンズ鏡筒の耐久性を向上させています。

レンズマウントにも高い精度と堅牢性を兼ね備えた真鍮製マウントを採用することで、長期使用に耐え、スムーズなレンズ着脱を実現しています。

■新シリーズラインアップ


新シリーズのラインアップの中から特にオススメのレンズをご紹介します。まさにハズレなしのクラス最高峰の高画質レンズです。

18-35mm F1.8 DC HSM Art
18-35mm F1.8 DC HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
12群17枚 F16 φ72㎜ 84.1°-63.4° 28cm φ78×121.0mm 9枚 1:4.3 810g
APS-C専用レンズでありながらF1.8通しの非常に明るいレンズであり、フルサイズF2.8大口径標準ズームレンズと同等のボケを得ることが出来る画期的なレンズです。

ボケを活かした独特の表現力と、高い光学性能が魅力の大口径単焦点レンズ。その一方で、撮影シーンによっては画角を変えられないもどかしさを感じてしまうこともまた事実です。

この長年の課題を解決すべく、シグマが満を持して送り出すのが新世代APS-Cサイズデジタル一眼レフ専用大口径標準ズームレンズ18-35mm F1.8 DC HSM Artです。

フルサイズに比べ被写界深度が深くなるAPS-Cセンサー用だからこその威力を発揮します。既成概念をもくつがえすこの画期的なレンズが、撮影と表現の新しい可能性をひらきます。

24-35mm F2 DG HSM Art
24-35mm F2 DG HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
13群18枚 F16 φ82㎜ 84.1°-63.4° 28cm φ87.6×122.7mm 9枚 1:4.4 940g
ズームレンズありながら、単焦点レンズと同等の明るさと解像力をもつ最高レベルの性能を追求したい。それが世界初、ズーム全域で開放F値1.8を実現した18-35mm F1.8 DC HSMでした。

そのコンセプトを受け継ぎつつ、35mmフルサイズ対応したのがこの24-35mm F2 DG HSM Artです。24mm F2、28mm F2、35mm F2の単焦点レンズを一度に持ち歩く感覚で、自在に使い分けられる高い機能性と利便性を備えています。

20mm F1.4 DG HSM Art
20mm F1.4 DG HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
11群15枚 F16 取付け不可 94.5° 27.6cm φ90.7×129.8mm 9枚 1:7.1 950g
最新の設計と最先端の製造技術により、超高画素デジタル一眼レフにふさわしい大口径単焦点レンズを生み出してきたシグマが、新たに挑んだ超広角でありながら開放F値1.4の20mm超広角レンズです。

超広角レンズといえば風景・星景の撮影で多用されますが、大口径レンズの持ち味を最大限に活かした低照度下でのスナップや室内での撮影、寄ってデフォルメさせる新しいポートレートなどにも最適です。

もちろん明るさと画角が欲しい星野撮影には最高の一本となるでしょう。

24mm F1.4 DG HSM Art
24mm F1.4 DG HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
11群15枚 F16 φ77㎜ 84.1° 25cm φ85×90.2mm 9枚 1:5.3 665g
35mm F1.4 DG HSM50mm F1.4 DG HSMなどで培ってきた設計ノウハウを生かして、サジタルコマフレア、色収差、歪曲収差、周辺減光などを追い込み、滲みや歪みのほとんどないクラス最高レベルの光学性能を実現しました。

広大な山並み、都市の景観、そして満天の星空など周辺まで厳しい描写性能が求められる被写体から、低照度下での室内撮影やボケを生かした撮影においても最高のパフォーマンスを発揮する一本です。

35mm F1.4 DG HSM Art
35mm F1.4 DG HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
11群13枚 F16 φ67㎜ 63.4° 30cm φ77×94.0mm 9枚 1:5.2 665g
常に最新の光学技術を採り入れ、高性能なレンズを発売して きたシグマの新プロダクト・ライン第1号となったのが、この35mm F1.4 DG HSMです。

広角での撮影において、最高レベルの明るさと美しいボケ味を生み出す大口径F1.4の広角レンズ。浅い被写界深度を生かした撮影や、光量の少ない夕景、室内での手持ち撮影など、大口径F1.4ならではの画づくりが可能です。

このレンズの圧倒的な性能によってシグマの評価は大幅に上がり、サードパーティ製レンズ=コストパフォーマンスが売りではなく、純正レンズ以上の写りを求めてサードパーティ製を求めるという新しい流れを生み出しました。

50mm F1.4 DG HSM Art
50mm F1.4 DG HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
8群13枚 F16 77㎜ 46.8° 40cm φ85.4×99.9mm 9枚 1:5.6 815g
超高画素時代に最適化したどこまでも高い解像力。それが50mm F1.4 DG HSMです。35mm一眼レフ用レンズでこれを超える光学性能をもつ標準単焦点レンズは今のところ超弩級のZEISSのOtus 1.4/55のみとなっており、とてつもないコストパフォーマンスを誇る標準レンズと言えるでしょう。

スナップ派、50mm単焦点派にとって、新たな必携レンズとなるに違いありません。

150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Sports
150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
16群24枚 F22 105㎜ 16.4° – 4.1° 260cm φ121×290.2mm 9枚 1:5 2,860g
600mmという圧倒的な超望遠、周辺の倍率色収差をしっかり補正した高い光学性能、撮影と所有の喜びを加速させる質感…。とかくハードな撮影環境・条件に置かれがちな超望遠ズームレンズですが、どのようなタフな要求水準にも負けない「最高レベルの光学性能と運動性能」を実現するために、いまシグマが持ちうる技術を凝縮したレンズです。

機動性と堅牢性を兼ね備えながらも圧倒的な描写性能を発揮するSportsラインならではの高性能超望遠ズームレンズは、スポーツ撮影や野鳥撮影における撮影スタイル、撮影可能なシーンを拡げ、新たな表現欲を刺激してくれることでしょう。

120-300mm F2.8 DG OS HSM Sports
120-300mm F2.8 DG OS HSM
レンズ構成 最小絞り フィルター径 画角 最短撮影距離 最大径×全長 絞り羽根 最大倍率 重さ
18群23枚 F22 105mm 20.4° – 8.2° 150cm – 250cm φ121.4× 291mm 9枚 1:8.1 3,390g
描写の良さと開放値の明るさにより、「サンニッパ」としてプロの使用機材には欠かせないレンズの立ち位置を確立してきた300mm F2.8大口径レンズ 。この「サンニッパ」をズームレンズ化すれば撮影範囲が拡がる、というコンセプトに基づきレンズ開発を行い、120-300mm F2.8という今までにないコンセプトのレンズがこの120-300mm F2.8 DG OS HSM Sportsです。

300mmレンズで構図を決定することは容易ではありません。特にスポーツ写真や舞台撮影など、撮影場所を変えられない場合には、レンズを交換しなければならず、その間に撮りたいシーンを逃してしまうこともあります。

大口径300mmF2.8をズーム化したことにより、レンズを交換する必要がなく、ズームリングを回すだけで、フレーミングを容易に行うことができ、厳しい条件下での写真表現の幅を拡げます。

■誰よりも先駆者でありたい


いかがでしたでしょうか?気になるレンズはありましたか?SIGMAの名物社長といえば山木社長ですね。イケメンでスタイル抜群、おまけに面白い人です。

開発部門の提案をマーケティングの面から振り落とすのではなく、我々から見て「そんなの売れるの?」という物でもドンドン開発を後押ししていく攻めの社長です。

SONYとSIGMAは我々カメラマニアの想像を超える製品を出してくるのでとても面白いですね。これからもその型破りな製品で我々を驚き・興奮させていって欲しいと思います。

画像:SIGMA,HICONSUMPTION

Reported by 正隆