高感度番長はどれだ?D5・EOS-1D X Mark II・α7S II・K-1画質比較!

D5 vs EOS-1D X Mark II

各社から高感度撮影に力を入れた機種が発売されていますが、果たして高感度番長はどの機種なのか?

今回はNikon D5、Canon EOS-1D X Mark II、SONY α7S IIといった、各社の高感度重視モデルの画質をDPREVIEWの比較ツールを使用してみたいと思います。

今回はこの代表的な高感度重視モデルに加えて、PENTAX K-1のリアル・レゾリューション・システム使用時の高感度撮影も比較に加えてみました。



■各機種の画素数と常用ISO感度は?


まずは各機種の有効画素数と常用ISO感度を比較してみましょう。

  • Canon EOS-1D X Mark II:約2020万画素:常用感度ISO100-51200
  • Nikon D5:約2082万画素:常用感度ISO100-102400
  • SONY α7S II:約1220万画素:常用感度ISO100-102400
  • PENTAX K-1:約3640万画素:常用感度ISO100-204800

カタログ上の常用ISO感度では、K-1→D5・α7S II→EOS-1D X Mark IIとなっています。しかし実際の画質とカタログスペックは異なる事が往々にしてあるため、実写によるテスト撮影で比較していましょう。

PENTAX K-1は高画素機ですが、リアル・レゾリューション・システムと呼ばれるピクセルシフト撮影が可能なモデルで、通常撮影ではなく今回はこのリアル・レゾリューション・システムを使用した場合で比較しています。

K-1のリアル・レゾリューション・システムは、本来三脚使用、静物前提の機能であるため、リアル・レゾリューション・システムと高感度撮影を併用することは稀ですが、非常に優秀なシステムで高感度撮影でもその効果は大きいこともあり、実際にリアル・レゾリューション・システム使用時に高感度撮影を行うかは兎も角、その魅力を感じて頂きたく参考として加えています。

 

■高感度画質に優れているのはどの機種?


ISO100(RAW)による画質比較

まずは低感度時のRAW画質を見てみましょう。RAWということで、シャープネスやコントラストは低めですが、D5・EOS-1D X Mark IIは繊細に良く解像されています。

α7S IIは柔らかく、ISO100の時点ではまだこの機種の本領を発揮しているとは言えません。その中でK-1(リアル・レゾリューション・システム)は突出した解像感を出しており、他の機種と比較して図抜けています。

ISO100(JPEG)による画質比較

ISO100のJPEG撮影では、D5・EOS-1D X Mark IIはRAWと比較してコントラストやシャープネスがかかっていますが、RAWと比較すると、一見メリハリはあるものの、線が太くなっている感は否めません。

RAWでは柔らかすぎたα7S IIが適度なシャープネスとコントラストが付いたことで、程よい印象を得ています。K-1は元々高かったリアル・レゾリューション・システムが更に解像感を増し、ピクセルサイズも相まって、一本一本の線まで見て取れます。

ISO6400(RAW)による高感度画質比較

では今回の本番とも言える高感度画質を比較してみましょう。一気にISO6400まで感度を上げたRAW画質を見てみると、驚くべきことに、ISO100と比較して、どの機種もディテールの損失はほぼ見られず、ノイズも輝度ノイズとカラーノイズが僅かに見つけられる程度というレベルです。

現代のフルサイズ機の恐るべき性能を感じさせる画質で、ISO6400でディテールの損失もノイズも殆ど気にしなくて良いという事実に驚かされます。

ISO6400(JPEG)による高感度画質比較

ISO6400のJPEG画質では、ノイズリダクションがかかることで、全機種ともに輝度ノイズ・カラーノイズとも完全に消えています。粒状感は解像感を高く感じさせる効果がありますが、RAWでは見られた僅かなノイズによる粒状感とノイズリダクションの効果により、D5とEOS-1D X Mark IIでは細かい部分の解像感がやや失われてボヤッとした画質になっています。

対してα7S IIとK-1(リアル・レゾリューション・システム)はRAWでは見られた僅かなカラーノイズを消しつつも、ディテールの損失は殆ど感じられません。

ISO25600(RAW)による高感度画質比較

ISO25600のRAWでは、ISO6400時点と比べて全機種ともカラーノイズが増えています。ここまでどの機種も非常にクリアな画質を提供してきましたが、このあたりから徐々に機種による高感度耐性の差が見えるようになってきています。

もっともカラーノイズが多く発生しているのがEOS-1D X Mark IIで、非常に高い高感度耐性も持つキヤノンのフラッグシップでさえ、このモンスター揃いの中にあっては凡庸と言わざるを得ません。次にニコンのD5とα7S IIが続き、K-1(リアル・レゾリューション・システム)はカラーノイズは明確に発生しているものの、ディテールの損失は良く抑えられており、カラーノイズの粒が細かいこともあり好印象です。

ISO25600(JPEG)による高感度画質比較

ISO25600のJPEGでは、恐るべきことに全機種とも輝度ノイズ・カラーノイズをこの時点でさえ抑え込んでいます。しかしながらノイズリダクションによるディテールの損失は顕著になり、EOS-1D X Mark IIは完全にボヤけてしまっています。D5はEOS-1D X Mark IIよりはディテールを保持しています。

低感度ではD5やEOS-1D X Mark IIと比較して解像感の足りなかったα7S IIですが、ここにきてその突出したノイズ耐性の本領を発揮し、低ノイズ故にノイズリダクション効果を弱めにすることが出来ることが効いてきたことで、D5やEOS-1D X Mark IIとディテールの維持という意味でも逆転しています。

K-1(リアル・レゾリューション・システム)はRAWと比較すると柔らかい画質にはなるものの、輝度ノイズ・カラーノイズを抑えつつ、ディテールも良く残っており、特殊な撮影であるため他の機種と直接比較することは出来ませんが、非常に優れた高感度耐性を持っているのが分かります。

ISO102400(RAW)による高感度画質比較

ISO102400という超高感度撮影領域では、どの機種も盛大にカラーノイズが発生しており、EOS-1D X Mark IIは許容範囲を大きく外れてしまっています。またここまで高い画質性能を発揮していたK-1(リアル・レゾリューション・システム)も、カラーバランスが大きく崩れてしまい実用範囲外となっていますが、ディテールはきちんと残しています。

D5とα7S IIに関してもさすがに緊急用といった感は否めませんが、D5はノイズを残しつつもディテールは他の機種と比較すると良く粘っています。

ISO102400(JPEG)による高感度画質比較

ISO102400のJPEG画質では、どの機種もノイズリダクションが強烈にかかっており、ノイズこそ抑えられているものの、ディテールは完全に失っています。K-1(リアル・レゾリューション・システム)は他の機種よりもディテールを保持しており、RAWでは崩れてしまっていたカラーバランスも整えていますが、高周波数成分が失われたことによるモスキートノイズのようなものがシャドー部に目立っています。

α7S IIはRAWでは見られなかったカラーバランスの崩れが見られ、EOS-1D X Mark IIはRAW時点では他機種に見劣りしたものの、JPEGではその処理の上手さを感じさせます。

 

■まとめ 〜 驚くべきリアル・レゾリューション・システムの効果 〜


どの機種も非常に高感度撮影に強いモデルですが、ノイズが少ないという意味ではセンサー違いのバリエーション展開を行うことで、思い切った低画素設計を行っているα7S IIはこの中にあっても非常に優れた高感度耐性を示しています。

D5は低ノイズでありながらディテールを上手く残しており、単なる低ノイズであるだけに留まらず、超高感度領域ですら実用的な画質を提供している点に驚かされます。EOS-1D X Mark IIはこれらの驚異的な高感度耐性を持つモデルたちと比較するとやや見劣りするものの、その差は僅かであり、超高速連写やオートフォーカス速度などの総合力で勝負するカメラと言えるでしょう。

もっとも驚かされたのがK-1のリアル・レゾリューション・システムで、約3640万画素という高画素機でありながら、低ノイズとディテールの豊富さを非常に高いレベルで実現しています。

今回作例は掲載していませんが、リアル・レゾリューション・システムを使用しない状態のK-1での比較もしてみましたが、やはり高画素機ゆえに仕方のないことですが、単純な等倍比較では高感度画質を重視したD5・EOS-1D X Mark II・α7S IIには明確に見劣りする画質であったことも事実です。

しかしながらこれらの低画素機と画像サイズを揃えた場合その差は縮まることも忘れてはいけません。また、将来的にリアル・レゾリューション・システムが手持ち撮影や高感度撮影に対応するための研究もされているとの事で、それが実現した場合、この優れたシステムの持つ高いポテンシャルは他社にとって大きな脅威となるでしょう。

 

参考:DPREVIEW
画像:SONY

Reported by 山﨑将方