史上最強の9本の途方もないレンズたち!

ZEISS Apo Sonnar T* 1700mm f:4

皆さん巨大レンズ使ってますか?

PetaPixelに世界でも珍しいレンズの紹介がされていましたので、今回はその中から9本を厳選し、とてつもない超望遠レンズや世界一明るいレンズなど、さまざまな切り口から、世界でも珍しいレンズをご紹介します。



■途方もない画角を持つ超巨大魚眼レンズ!:ニコンNikkor 6mm f/2.8 Fisheye


Nikkor 6mm f/2.8 Fisheye

  • マウント:ニコンFマウント
  • 焦点距離:6mm
  • 解放絞り値:F2.8
  • レンズ構成:9群12枚
  • 画角:220°
  • 有効画面:23mmφ
  • 絞り方式:自動絞り
  • 測光方式:開放測光
  • 外径寸法:236mm × 171mm(最大径 × 全長)
  • 質量:5,200g

真横どころかやや後ろまで写すことの出来るニコンFマウントフルサイズ対応円周魚眼レンズが、このNikkor 6mm f/2.8 Fisheyeです。

単体のレンズとしては最も画角の広い一眼レフ用レンズとなっており、その前玉は驚くべき大きさです。

このNikkor 6mm f/2.8 Fisheyeは大卒サラリーマンの初任給が5万円だった時代に60万円というほぼ1年分の年収に匹敵する価格で売り出されました。2012年にはロンドンのオークションで出品され、1300万円で競り落とされました。

 

■最も明るい写真用レンズ!:ツァイスPlanar 50mm f/0.7


ZEISS Carl Zeiss Planar 50mm f/0.7

カールツァイスのPlanar 50mm f/0.7は世界で最も明るい写真用レンズとして知られています。F値はなんとF0.7という途方もない明るさを実現しています。

Planar 50mm f/0.7は1966年のフォトキナで発表されたレンズで、このレンズはNASAの依頼によって開発され、1968年12月21日発のアポロ8号に搭載されました。

当時の高感度フィルムでは月の暗部を撮影することが出来なかったために、NASAからのもっと明るいレンズを開発して欲しいという依頼に応える形で10本だけ製作されたそうです。バックフォーカスはわずかに4mmという特殊な構造をしています。

このレンズは映画監督のスタンリー・キューブリックにも映画「バリー・リンドン」の撮影時に使用されました。18世紀という時代背景に合わせ、ろうそくの明かりだけの中での撮影を行うため、このレンズは使用されました。

キューブリック監督はPlanar 50mm f/0.7の噂を聞きつけるや、3本購入しましたが、Planar 50mm f/0.7はバックフォーカスが4mmしかないためにそのままでは映画用のカメラに使用することは出来ませんでした。そこでさまざまな改造が行われました。

Planar 50mm f/0.7は大判カメラ用レンズのように、レンズシャッターのNo.3が使用されています。前玉の口径は76mmとなっており、EF50mm F1.2L USMのフィルター径が72mmであることを考えると、Planar 50mm f/0.7の前玉の大きさが分かろうというものです。

6群8枚のレンズ構成となっており、後玉は巨大なガラスの塊のようなレンズとなっています。

 

■軍事用にも使われる途方もない超々望遠レンズ!:ツァイスApo Sonnar T* 1700mm f/4


ZEISS Apo Sonnar T* 1700mm f/4

Apo Sonnar T* 1700mm f/4は何と言っても1700mmというとんでもない焦点距離を持つレンズで、屈折式の写真用レンズとしては最も長い焦点距離を持ちます。

フォトキナ2006で発表されたこのレンズは、ハッセルブラッドのVマウントとなっています。つまり中判カメラにも対応出来るイメージサークルを持っているというのも驚きのポイントと言えるでしょう。

軍事用・野生動物などにも使われています。重量は255kgとなっておりとても一人では運べないレンズです。今回ご紹介しているレンズの中でも特にスケールの大きなレンズと言えるでしょう。

 

■世界一のブランドが作る最も高価な民生用レンズ!:ライカAPO-Telyt-R 1600mm F5.6


LEICA APO-Telyt-R 1600mm F5.6

APO-Telyt-R 1600mm F5.6はあのライカが世に送り出した、35mm判レンズとして世界最高額を誇る超望遠レンズです。まさか野鳥撮影はしないと思いますが、1600mmという焦点距離を誇り、ライカRマウント用となっています。きになる価格はなんと2億円というとんでもないプライスが付けられています。

ドイツのライカショールームに展示されており、そちらで実物に触ることが出来るとのこと。レンズ全長は約1.2m、付属のレンズフードと合わせると約1.55m、最大系は42cmとなっています。また重量は60kgあるため、一人で持ち運ぶのは現実的ではありません。

 

■「黒マグロ」と呼ばれた超巨大ズームレンズ!:ニコンAI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-ED


AI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-ED

  • マウント:ニコンFマウント
  • レンズ構成:13群18枚
  • 画角(対角線):2°~1°30′
  • 絞り羽根枚数:9枚
  • 最短撮影距離:10m
  • 質量:16,000g
  • 外径寸法(最大径×最大長):237×888mm
  • 発売当時価格:600万円(受注生産)

AI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-EDは、甲子園のバックスクリーン横から本塁上のプレーを撮影するために開発されたスーパーズームレンズです。

甲子園のバックスクリーンから投手・捕手・打者を画面内に収めようとした場合、横位置では1200mm、縦位置では1700mm相当の画角が必要となるため、この焦点距離となったとのこと。

当時キヤノンが1200mm/F5.6のレンズを発売しており、それに対抗する形でAI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-EDは登場しました。

キヤノンはテレコンバーターを内蔵することで1200mmと1700mmの焦点距離を切り替える方式でしたが、ニコンは1200-1700mmの焦点距離をシームレスに画角変更出来るようにするためにズーム方式を選択したとのことです。

1990(平成2)年3月25日、春の甲子園開幕の前日、AI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-EDはその試作機が甲子園に運ばれれ、AI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-EDを収めた巨大なトランクケースを運ぶため、新大阪行き新幹線の3人がけシートを確保したと言います。

 

■これで野鳥を撮ってみたい1200mm超望遠!:キヤノンEF1200mm F5.6L USM


EF1200mm F5.6L USM

EF1200mm F5.6L USMは11群13枚のレンズ構成を持つキヤノンEFレンズ史上最も長い焦点距離を持つレンズとなっています。元々はFDマウントでしたが、のちEFマウントとしてリニューアルされました。

ロサンゼルスオリンピックでデビューしたこのレンズは、スポーツや野生動物のカメラマンに重宝されました。税別980万円という価格で発売されたキヤノンEFレンズ史に残るスーパーレンズです。

 

■レンズというよりもはや大砲!:キヤノン5200mm F14 Mirror


5200mm F14 Mirror

  • マウント:キヤノンFDマウント
  • 焦点距離:5150mm
  • 最短撮影距離:120m
  • 外径寸法:全長1890mm×全幅500mm×全高600mm
  • 質量:100kg

5200mm F14 Mirrorはミラーレンズではありますが、5150mmという途方もない焦点距離を持つレンズで、最短撮影距離が120メートルとなっています。台座も一般的な写真用レンズと思えないものとなっており、大砲と見紛うばかりの外観となっています。

 

■最も明るい非球面レンズ!:ライカNOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH.


LEICA NOCTILUX-M F0.95:50mm ASPH.

ライカのNOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH.は非球面レンズを採用した35mm判写真用レンズとして最も明るいレンズとなっています。標準画角のレンズですが、非常に大きくボカすことが出来るため、夜景スナップなども重宝する1本であり、今回ご紹介したレンズの中でも珍しい現行品であるため価格を無視すれば入手も比較的容易です。

シリーズとして存在するノクティルクスですが、現行レンズでは3枚の非球面レンズを採用し、フローティング機構も搭載されています。口径色なども良好に抑えられており、「単に一番明るいレンズ」ではなく、開放F値から使えるレンズとなっています。

 

■サンニッパならぬサンイッパ!?:キヤノンPE 300mm F1.8


PE 300mm F1.8

300mm/F1.8という凄まじい明るさを持つ望遠レンズで、競馬の写真判定ように使われたレンズのようです。このレンズは4本しか存在せず、1秒間に10,000本のスリット状の写真を撮影することが出来るようになっているそうです。

 

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Reported by 山﨑将方