2016年、ニコンはどのようなカメラをラインナップしていくのか?
Amazing Graphでも撮影のメインカメラとしてD810を使っていますが、今日は一眼レフメーカーNikonのこれからについて考えてみたいと思います!
■Nikonの2015年について
ここ1,2年のNikonはお世辞にも勢いがあったとは言えなかったと思います。昨年2014年販売シェアをBCN AWARD 2015で見ると、
デジタルカメラ(一眼レフ)部門
1位 Canon:54.7%
2位 Nikon:39.1%
3位 RICOH:4.5%
と、なっており、2013年シェアからCanonは5.5%アップ、対するNikonは3.4%ダウンしています。
D750は使いやすい良い機種ですし、実際売れている機種でもありますが、D700後継機を期待されていた方にはD750が高速連写機ではなかったこと、D810よりも下のクラスとして出てきてしまったことで当初批判がありました。
またいつまでも要望があり、同時にいつまでも発表されないD300S後継機への不満、ライバルCanonのKissシリーズに押され続けるエントリークラス。
ライバルCanonと現行機ラインアップで競合機を比較すると、
一眼レフメーカー全ラインアップと当初月産台数 | ||||||
メーカー | Nikon | 当初月産 | Canon | 当初月産 | PENTAX | 当初月産 |
APS-C 入門機 | EOS Kiss X70 | 160,000台 | ||||
APS-C 入門機 | D3300 | 120,000台 | EOS Kiss X7 | 200,000台 | K-S1 | 20,000台 |
APS-C 入門機 | D5300 | 100,000台 | EOS Kiss X7i | 110,000台 | ||
APS-C 入門機 | D5500 | 90,000台 | EOS Kiss X8i | 100,000台 | K-S2 | 15,000台 |
APS-C 中級機 | EOS 8000D | 30,000台 | ||||
APS-C 中級機 | D7200 | 40,000台 | EOS 70D | 140,000台 | ||
APS-C 上級機 | EOS 7D Mark II | 45,000台 | K-3 II | 10,000台 | ||
フルサイズ 入門機 | D610 | 60,000台 | EOS 6D | 70,000台 | ||
フルサイズ 中級機 | D750 | 40,000台 | ||||
フルサイズ 上級機 | EOS 5D Mark III | 60,000台 | ||||
フルサイズ 上級機 | D810 | 20,000台 | EOS 5Ds | 15,000台 | ||
フルサイズ 上級機 | EOS 5Ds R | 15,000台 | ||||
フルサイズ 天体用 | D810A | 300台 | ||||
フルサイズ クラシック | Df | 12,000台 | ||||
フラグシップ機 | D4S | 3,000台 | EOS-1D X | 7,000台 | 645Z | 400台 |
機種合計 | 10機種 | 485,300台 | 12機種 | 837,000台 | 3機種 | 45,000台 |
こういう状態です。
機種数も販売台数もCanonに負けており、高速連写モデルが弱いのが分かります。
またCanonは入門機クラスのKissシリーズの知名度とブランド力が強く、型落ちの併売も合わせてシェアを稼いでいるのでここでも差がついています。
■D5(D4S後継機)について
Nikonは当面発売されそうなのが年末年始のD5でしょうか。オリンピックイヤーに必ず出してきますから確実だと思います。
ライバルはEOS-1D X Mark IIになるのは確実ですが、現行モデルでは連写性能で負けているのと、EOS-1D XはAPS-HからフルサイズになったインパクトがありD5ではインパクトが欲しいところです。
新型AFセンサーを搭載し、秒間コマ数が最低でも13コマ/秒以上にならないとEOS-1D X Mark IIに再び苦戦を強いられる事になるでしょう。
2000万画素/秒14コマ(AF追従)あたりが達成して欲しいスペック、ガチガチのプロ機ですからあとは完成度の高さの勝負になるでしょう。
■D500(D300S後継機)について
何年も待ち望まれているD300S後継機ですが、CanonがEOS 7D Mark IIをヒットさせている以上、NikonがAPS-C機の将来性をどう考えているとしても出さざるを得ないように思います。
D7200では物足りず、フルサイズでも高速連写機がD4Sしかないのでは、スポーツや野鳥を撮影する一般の写真愛好家はNikonを買いたくても選ぶ機種が無い状態です。
2016年は本当にD500、もしくはその代わりになるD5より下のクラスの高速連写機が出てくるという気がします。
■D900(D810後継機)について
これもまたライバルCanonがEOS 5Ds/5Ds Rを出してきているので、一眼レフ高画素機として唯一無二の存在ではなくなったため、なんらかの進化が必要でしょう。
SONYセンサーとの絡みを考えれば、恐らくはα7R IIで採用されている4,240万画素裏面照射CMOSセンサーを搭載してくるのではないかと思います。
解像力と高感度性能を両立したこのセンサーは非常に評判が良い撮像素子です。
あとは51点AFのアドバンストマルチCAM3500FXからの進化も必須であると思います。
■Df II(Df後継機)について
発売当初Dfは長期間の納期待ちが出るほどヒットしましたが、最近は売れ行きも落ち着いており、ボディ形状などもD750のような薄型化が可能になったこともあって、Dfの時に不評だった厚みも解消できる目処が立ってきたように思います。
来年の隠し球として出て来れば良い刺激になるでしょう。
エントリークラスについて
D5500はD5300からの大幅な軽量化もあって人気がありますが、D3300が古臭く、D5300は在庫処分状態ではCanonエントリークラスのEOS Kiss X70、EOS Kiss X7、EOS Kiss X7i、EOS Kiss X8i、EOS 8000Dという5機種にはとても対抗しきれない状況のように見受けられるため、入門機も型番の整理やラインアップでも分かりやすく選びやすい工夫が必要だと感じます。
■レンズについて
蛍石レンズや電磁絞りでCanonのような進化を見せている最近のNikkorレンズですが、レンズに関しては非常に意欲的に発売しており、またその殆どが非常に評判が良くまたセールス的にも好調なようです。
フルサイズ対応のF1.8単焦点シリーズ
- AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
- AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED
- AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
- AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
- AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
回折光学素子を利用し大幅な小型軽量化を果たしたPFレンズ
蛍石や電磁絞りを採用した新世代超望遠レンズシリーズ
- AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR
- AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
- AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR
- AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR
戦略的な価格設定と高画質を両立した超望遠ズームレンズ
初の手振れ補正付きで大幅なAFの高速化を実現したF2.8通しの標準ズームレンズ
などなど、いずれも非常に評判が良い物となっています。
次に待ち望まれるレンズとしてはCanonのEF11-24mm F4L USMのような、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDを超える超広角レンズや、大口径望遠レンズの象徴AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR IIの蛍石採用による小型軽量化、電磁絞り化などでしょう。
■Nikonの2016年予想
2015年はCanonが話題性のある機種を続々出したこともあり、全体的に押され気味だったNikonですが、2016年はD4S後継機、D810後継機、D610後継機、D300S後継機、D3300後継機など、期待される機種が多数あるため、Nikonから目が離せません。
来年こそはNikonのコーポレートステートメント、「期待を超えて、期待に応える。」を実践し、現ユーザーの期待を超えまくって欲しいところです。
アイキャッチ画像はBrikkという海外メーカーが製作しているDfの24金コーティングバージョン、LUX NIKON KIT FINISHED IN 24K YELLOW GOLDという製品で、お値段は57,995ドル(記事執筆時点で日本円換算700万円)となっています。ぜひぜひお買い求め下さいね!
画像:Brikk
Reported by 正隆