今日は一眼レフの老舗PENTAXのこれからについて考えてみたいと思います!
■PENTAXの2015年について
2015年PENTAXが発売した一眼レフはK-S2、K-3 IIだった訳ですが、K-S2の前モデルK-S1はPENTAXが売りにしている防塵防滴がなかった為にPENTAXファンの受けは今ひとつでした。
K-S2になってPENTAXらしい機種になり、K-3 IIはリアル・レゾリューション・システムなど正常進化した非常に優れたモデルとなっています。
しかしながら、やはりPENTAXをとりまく状況は芳しくなく、PENTAX一眼レフのシェアは年々僅かずつではありますが低下しているのが現実です。
一眼レフメーカー全ラインアップと当初月産台数 | ||||||
メーカー | Nikon | 当初月産 | Canon | 当初月産 | PENTAX | 当初月産 |
APS-C 入門機 | EOS Kiss X70 | 160,000台 | ||||
APS-C 入門機 | D3300 | 120,000台 | EOS Kiss X7 | 200,000台 | K-S1 | 20,000台 |
APS-C 入門機 | D5300 | 100,000台 | EOS Kiss X7i | 110,000台 | ||
APS-C 入門機 | D5500 | 90,000台 | EOS Kiss X8i | 100,000台 | K-S2 | 15,000台 |
APS-C 中級機 | EOS 8000D | 30,000台 | ||||
APS-C 中級機 | D7200 | 40,000台 | EOS 70D | 140,000台 | ||
APS-C 上級機 | EOS 7D Mark II | 45,000台 | K-3 II | 10,000台 | ||
フルサイズ 入門機 | D610 | 60,000台 | EOS 6D | 70,000台 | ||
フルサイズ 中級機 | D750 | 40,000台 | ||||
フルサイズ 上級機 | EOS 5D Mark III | 60,000台 | ||||
フルサイズ 上級機 | D810 | 20,000台 | EOS 5Ds | 15,000台 | ||
フルサイズ 上級機 | EOS 5Ds R | 15,000台 | ||||
フルサイズ 天体用 | D810A | 300台 | ||||
フルサイズ クラシック | Df | 12,000台 | ||||
フラグシップ機 | D4S | 3,000台 | EOS-1D X | 7,000台 | 645Z | 400台 |
機種合計 | 10機種 | 485,300台 | 12機種 | 837,000台 | 3機種 | 45,000台 |
ラインアップ上も2機種+旧機種併売の1機種と、3機種体制で製品ラインアップとしては厳しい状況が今も続いています。
そこに起死回生、とまではいかなくても、PENTAXファン待望のフルサイズ一眼レフが2016年には予定されています!
■PENTAX K-1について
PENTAXの2016年注目の話題と言えばKマウントのフラグシップにしてPENTAX初のフルサイズデジタル一眼レフK-1以外にはないでしょう。
何年も前から噂やPENTAX自身の発言があり、CP+ではモックアップが参考展示され、2015年中の発売を予定しているという発言がありました。
しかしながらつい先日PENTAX公式サイトにティザー広告が掲載され、2016年春発売との発表がなされました。
噂→開発中→発売時期の発言→延期と、フルサイズ機を待ち望んでいるPENTAXユーザーはかなり待たされている状態ですが、本当に2016年春に発売出来るかはまだ未知数かも知れません。
あとは製品仕様がPENTAXユーザーだけでなく、他社ユーザーに響くものに出来るかどうかが重要で、今後のPENTAX一眼レフの状況を考えると、現PENTAXユーザーがフルサイズ機に期待するものを作っただけではダメだろうと思っています。
高品位な光学ファインダーやリアルレゾリューションシステムは予想される範囲内ですし、α7R IIに搭載されたSONY製裏面照射型フルサイズCMOSセンサーの搭載も想定の範囲内。
PENTAXだけの武器となり、他社フルサイズユーザーも乗り換えを考えるほどインパクトのある機種を期待したいところです。
細かいところを言うと、癖のあるユーザーインターフェイスや古臭いフォントなども見直して欲しい部分です。
■レンズについて
PENTAX(Kマウント)フルサイズ用ズームレンズ | ||||
メーカー | 焦点距離 | F値 | AF/MF | レンズ名 |
PENTAX | 24-70mm | F2.8 | AF | HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR |
PENTAX | 70-200mm | F2.8 | AF | HD PENTAX-D FA★ 70-200mmF2.8ED DC AW |
PENTAX | 150-450mm | F4.5-5.6 | AF | HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW |
PENTAX(Kマウント)フルサイズ用単焦点レンズ | ||||
メーカー | 焦点距離 | F値 | AF/MF | レンズ名 |
Sigma | 15mm | F2.8 | AF | 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE |
SAMYANG | 24mm | F3.5 | MF | T-S 24mm F3.5 ED AS UMC |
PENTAX | 31mm | F1.8 | AF | FA31mm F1.8 AL Limited |
Sigma | 35mm | F1.4 | AF | 35mm F1.4 DG HSM Art |
PENTAX | 43mm | F1.9 | AF | FA43mm F1.9 Limited |
PENTAX | 50mm | F1.4 | AF | FA50mm F1.4 |
PENTAX | 77mm | F1.8 | AF | FA77mm F1.8 Limited |
Sigma | 85mm | F1.4 | AF | 85mm F1.4 EX DG HSM |
PENTAX | 100mm | F2.8 | AF | smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR |
レンズに関してはフルサイズ対応Kマウントレンズはサードパーティ製を含めてもそれほどある訳ではありません。
PENTAXフルサイズを定着させるにはD FAレンズの充実が必要で、サードパーティも来たるフルサイズ機K-1が売れれば対応する姿勢でしょうから、現行サードパーティ製の最新高画質レンズは35mm F1.4 DG HSM Artくらいしかないのが実情です。
APS-C用レンズも大切ですが、K-1が本格的に他メーカーユーザーも取り込んでいくつもりであれば、広角・標準・望遠のズームレンズでF2.8とF4.0通しのレンズラインアップは必須でしょう。
PENTAXでは現在SP 24-70mm F/2.8 Di VC USDを基に、OEMと思われるHD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8ED SDM WRの発売が確定しており、いわゆる大三元のうちの標準ズームと望遠ズームが揃うことになります。
F2.8通しの広角ズームレンズに関しては、フルサイズ対応のKマウントレンズがサードパーティにもないため、やや不安がありますが、フルサイズ機が発売された際にはPENTAXもしくはサードパーティから早期の供給が期待できるように思います。
■PENTAXの2016年予想
PENTAXは現在エントリーモデル(K-S1、K-S2)とAPS-C上級機(K-3 II)のラインアップですが、来年はPENTAX初のフルサイズデジタル一眼レフであるK-1に期待と注目が集まる事は間違いなく、ここでカメラ市場にどれだけのインパクトを与えられるかが今後のPENTAXを左右するでしょう。
圧倒的にPENTAXらしく、それでいて他社ユーザーにも響く機種を期待しています。
画像:PENTAX
Reported by 正隆