付けるべきか付けないべきか!?レンズ保護フィルターの選び方

zeta uv

カメラ店に行くと、レンズ保護用のプロテクターフィルターが各メーカーから数多出ており、値段もまちまちです。なぜ同じプロテクターフィルターでこうも値段が違うのか?

今日はレンズ保護フィルター(プロテクターフィルター)の違いを解説したいと思います。



■レンズ保護フィルターのランク


プロテクターフィルターの値段の違いですが、

・安いフィルター
・普通のフィルター
・高いフィルター
・凄い高いフィルター
・メチャメチャ高いフィルター

という感じで分かれています。なぜそのような価格差が出るのか?ざっくり説明すると、

安いフィルター
フィルム時代からある透過率の低いフィルター

普通のフィルター
デジタル時代に作られた透過率の高いフィルター

高いフィルター
透過率が高く、薄枠で撥水防汚コートがされているフィルター

凄い高いフィルター
非常に高い透過率を誇り、非常に薄枠で撥水防汚コートがされており、物によっては静電気を帯びにくいコーティングもされているフィルター

メチャメチャ高いフィルター
非常に高い透過率を誇り、非常に薄枠で、撥水防汚がされており、更に強化ガラスやガラスを留めている金枠に使われている素材に硬い素材が使われているフィルター

といった感じで分かれています。

■各機能のメリット


ではそれらの違いは何を意味するのでしょうか?

透過率の高さ
コーティングが弱いと、フィルターに当たった光がフレアやゴーストを引き起こします。

また、カメラのイメージセンサーはフィルムと違って光を反射してしまうため、撮像素子に当たった光が跳ね返りレンズ側に抜けようとしますが、その際にも透過率が低いフィルターだと、フィルター内側で反射を起こしてしまうため、レンズ内部で乱反射が起こりこれもフレアやゴーストの原因となると言われています。

枠の厚さ
枠が厚いと超広角レンズなどでケラれてしまいます。つまり枠が写真に写ってしまうということです。

また、本来はプロテクターフィルターを外してから装着するべきではありますが、面倒なのでプロテクターフィルターの上から特殊効果フィルターを使った際などは元々厚いフィルターだと更に枠の厚さが増してしまうのでよりケラれやすくなります。

デジタル時代に設計されたプロテクターは多くが最初から薄枠にはなっていますが、高級品は更に薄くよりケラれにくく作られています。

撥水防汚コート
最近は撥水防汚コーティングがされているフィルターが増えており、汚れや雨粒をかなり強力に弾いてくれます。

雨粒や雨粒がフィルターに当たったあとの水垢などは撮影中は気づきにくく、撮影画像をみて部分的に画像がボヤけていることに気づいてレンズを確認して気づくというケースが多く、撥水コーティングは大変心強いものです。

帯電防止コート
フィルターは静電気を帯びてしまうため、その静電気がホコリを寄せ付けてしまい、ブロアで吹き飛ばしても吹き飛ばしてもすぐホコリが付いてしまうもの。

帯電防止コートはフィルターに静電気を帯びにくくしてくれるため、ホコリの吸着をかなり防いでくれます。完全なものではありませんが、ホコリを飛ばす手間を省いてくれるという意味では大変心強いものです。

強化ガラス
最近は強化ガラスを使ったフィルターもあり、非常に割れにくく、長期間過酷な環境で使用しても傷つきにくく耐久性があります。

枠強度
ガラスを固定している枠は通常アルミなどが使用されていますが、高級なものでは硬質アルマイト仕上げやジュラルミンなどが使用され、薄枠でありながらガラス面の平滑性を保ち、フィルターの変形や引っかかりを防ぐためフィルターの着脱が容易になります。

またぶつけたりといったアクシデントにあった際、枠が変形してプロテクターフィルターが外れなくなるというトラブルを緩和する効果もあります。

■レンズプロテクターフィルター比較表


メーカー Kenko marumi HAKUBA
品名 Pro1D Lotus Zeta Zeta Quint DHG DHG Super EXUS SMC-PRO XC-PRO ULTIMA
透過率 99.6% 99.7% 99.7% 99.5% 99.5% 99.7% 99.5% 99.7% 99.7%
枠厚 普通 薄い 極薄 普通 普通 普通 普通 普通 薄枠
撥水防汚 あり なし あり なし あり あり なし あり なし
強化ガラス なし なし あり なし なし なし なし なし なし
枠強化 強い 普通 非常に強い なし なし 強い なし なし なし
帯電防止 なし なし なし なし なし あり なし なし なし

■プロテクターは心の余裕


この比較表を見てみると、HAKUBAのプロテクターはほとんど機能がなく魅力がないように思えます。しかしよく売れているのも事実です。ULTIMAは光学レンズと同じガラスを使用しているのと、同等クラスを比較した場合他社よりも安価というメリットがあります。

レンズ保護フィルターはつけた方が良いという人と、撮影に不要なガラス面を増やすべきではないという考えからつけない方が良いという二つの流派のようなものがあります。

私の考えはシンプルで、絶対にレンズを擦ったり傷つけたりしないという自信がある方はつけなくて良いでしょう。

逆に僅かでもレンズを傷つける心配がある方はつけた方が良いと思います。また、汚した際にも気楽に掃除できるためメンテナンスが容易という部分もあります。

最近の高級プロテクターフィルターは非常に品質が良く透過率も高いため、画質に及ぼす影響は非常に少ないので気にしなくて良いかと思います。高価なレンズですから、この機会にぜひ良い保護フィルターを使ってみてはいかがでしょうか?

画像:Kenko,marumi,HAKUBA,Cokin

Reported by 正隆