今日はミラーレスのトップブランドOLYMPUSの2016年について考えてみたいと思います!
■まずはOLYMPUSの2015年について
OLYMPUSは2011年から2013年までミラーレスの国内シェア1位を守っていたOLYMPUSですが、昨年はかなりの差をつけられた上で1位を逃しました。
デジタルカメラ(ミラーレス一眼)部門
1位 SONY:34.3%
2位 OLYMPUS:22.3%
3位 Panasonic:11.9%
2015年は、二機種が発売されています。
どちらもOLYMPUSの主力機種ですが、OM-D E-M10 Mark IIは初期にマウントのトラブルを抱えたことで苦戦を強いられました。またPENシリーズに勢いがなく、OM-Dシリーズに頼っている状況が続いています。
もともとOLYMPUSがミラーレスで大躍進したきっかけにカメラ女子ブームがブームが終わったことで無条件にOLYMPUSという指名買いが減ったこと、またPENシリーズが苦戦していることがSONYにミラーレスシェアを奪われた要因のように見受けられます。
入れ替わるようにOM-Dが男性層に売れて利益は改善傾向にありますが、価格帯の差もあり台数的には以前ほどの勢いが感じられませんでした。それに加えてSONYがフルサイズ機の投入で話題を独占し勢いを増したことが2014年のシェア逆転に繋がったと考えられます。
ミラーレス一眼メーカー全ラインアップ | |||||||
メーカー | SONY | OLYMPUS | Panasonic | Canon | Nikon | RICOH | FUJIFILM |
入門機 | α5000 | E-PL6 | DMC-GM1S | EOS M2 | Nikon 1 AW1 | Q-S1 | X-A2 |
入門機 | α5100 | E-PL7 | DMC-GM5 | Nikon 1 S2 | |||
入門機 | DMC-GF7 | Nikon 1 J5 | |||||
中級機 | α6000 | DMC-G7 | X-T10 | ||||
中級機 | E-P5 | DMC-GX8 | EOS M3 | Nikon 1 V3 | X-E2 | ||
中級機 | E-M10 Mark II | ||||||
中級機 | E-M5 | ||||||
上級機 | E-M1 | DMC-GH4 | X-T1 | ||||
上級機 | X-Pro1 | ||||||
上級機 | X-Pro2 | ||||||
フルサイズカテゴリー | |||||||
入門機 | α7 | ||||||
α7R | |||||||
α7S | |||||||
中級機 | α7 II | ||||||
α7R II | |||||||
α7S II | |||||||
機種合計 | 6機種 | 6機種 | 6機種 | 2機種 | 4機種 | 1機種 | 5機種 |
しかしながらOLYMPUSは2015年上半期のBCNランキングのシェアでは32.9%と上半期シェア1位を維持しており、これは昨年2014年のSONYの年間シェア34.3%に近いことを考えると、今年の上半期に関してはOLYMPUSが独走していたと考えられます。
本来であれば良いタイミングで投入出来たOM-D E-M10 Mark IIの不具合による延期が起きなければこのまま快走出来たと思われるのは残念ですが、通年でも今年はSONYとOLYMPUSのシェア争いは昨年以上の激戦になることが予想されます。恐らく2015年のシェアは年末商戦までもつれ込む接戦になるのではないかと予想しています。
OLYMPUSのもう一つの懸念はそのセンサーサイズにあります。
SONYはフルサイズ機を瞬く間に6機種もラインアップしており、マウントの制限もありフルサイズ機を投入出来ないOLYMPUSにとって画質面でSONYに対抗することは難しく、カメラ界の大巨人であるCanonもEOS Mシリーズで着々とシェアを伸ばしていることを考えるとミラーレスでのシェア争いは激烈になっています。
OLYMPUSの強みの一つとしてボディ内5軸手振れ補正がありましたが、これもSONYやPanasonicに似たような機能が搭載されたことでアドバンテージを失いました。
ライブコンポジットなど新しい試みもありますが、結局のところソフトウェアによる新機能は他メーカーも追随が容易で長期間のアドバンテージとはなりにくい傾向があります。
果たしてOLYMPUSの次の一手は何なのか?フルサイズセンサーを前面に攻勢をかけてくるSONY、強大なブランド力で押してくるCanonに対してOLYMPUSがどのように対抗していくのかが見どころです。
■PEN E-P6(PEN E-P5後継機)について
PENシリーズはE-P、E-PL、PEN mini E-PMと3シリーズありますが、PEN mini E-PMシリーズに関しては生産が完了し後継機の噂もありません。
利益改善が至上命題となっているOLYMPUSにとって、E-PLシリーズでさえ価格下落が大きく安くなり過ぎることを考えると恐らくPEN mini E-PMシリーズは廃止の方向で進んでいると思われます。
E-P5後継機となるE-P6ですが、こちらはEVF内蔵型になる可能性が高いと思われます。ファインダー内蔵型のOM-Dシリーズがあるのにそんな必要あるのかな?と思われるでしょうし、私も機能的な必然性は薄いと思いますが、現代のユーザー特にミラーレス機を検討している層は機能だけでなくデザインを非常に重視します。
ファインダーは欲しいが一眼レフのような形状ではなくレンジファインダー型でという要望は少なくありません。もちろん逆もありますが、見た目や出っ張りの収納性からレンジファインダー型を望む声は多く、現行のE-P5から明確な付加価値を求めるとファインダー内蔵になるのではないかと予想されます。
それに対してOM-D E-M10 Mark II後継機であるOM-D E-M10 Mark IIIがどのようなコンセプトで差別化を図るのかも見どころです。
■OM-D E-M1 Mark II(OM-D E-M1後継機)について
OLYMPUSのフラッグシップ機であるOM-D E-M1も発売から丸2年以上が経ち、その後継機についても期待がもたれています。
E-M1後継機では1/32000秒電子シャッターは搭載されると思いますが、ハイレゾショットを手持ちでも可能になり、ピクセルサイズを大きくするだけでなくPENTAXのリアルレゾリューションシステムのようなピクセルサイズは変えずに画質だけを向上させる方式も選べるようになればかなり使い勝手が向上するように思います。
またE-M1の手振れ補正は4段部に対し、後発のOM-D E-M5 Mark IIでは手振れ補正5段分となっており、この辺も当然のことながらシャッタースピード5段分をクリアしてくると予想されます。
■OLYMPUSのレンズについて
OLYMPUS(マイクロフォーサーズマウント)おすすめズームレンズ | ||||
メーカー | 焦点距離 | F値 | AF/MF | レンズ名 |
OLYMPUS | 7-14mm | F2.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO |
OLYMPUS | 12-40mm | F2.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO |
OLYMPUS | 40-150mm | F2.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO |
OLYMPUS(マイクロフォーサーズマウント)おすすめ単焦点レンズ | ||||
メーカー | 焦点距離 | F値 | AF/MF | レンズ名 |
OLYMPUS | 8mm | F1.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO |
OLYMPUS | 12mm | F2.0 | AF | M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 |
OLYMPUS | 17mm | F1.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 |
OLYMPUS | 25mm | F1.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 |
OLYMPUS | 45mm | F1.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 |
OLYMPUS | 60mm | F2.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro |
OLYMPUS | 75mm | F1.8 | AF | M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8 |
OLYMPUSの場合、Panasonicやサードパーティを含めて相当数のレンズ群があり、最近ではProシリーズまでラインアップしたことで本格的な撮影からお気軽なスナップまでよりどりみどりかつボディ内手振れ補正と相まって他社の互換レンズも使いやすい強みがあります。
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROレンズも発売が決まっており、より本格的なレンズラインアップを完成させつつあります。ミラーレス市場でのシェア争いにおいてシステムカメラのしての完成度で先行しているアドバンテージを生かしてますますのレンズラインアップの充実が求められており、それはOLYMPUSが目指す営業利益の改善にも重要な意味を持つことになるでしょう。
■OLYMPUSの2016年予想 〜新たなブームを作れるのか?〜
カメラ女子ブームを作りミラーレスを一気に世に普及させた立役者であるOLYMPUSですが、そのブームが去った今カメラとしての本質的な性能で地道な勝負を強いられる正念場を迎えています。
システムとしての完成度が高まる一方で、センサーサイズの限界に苦しめられているのもまた事実です。果たしてPEN&OMというOLYMPUSの歴史的ブランドを使い切った今、新たなブームを作り出すことが出来るのか?
来年はOM-D E-M1 Mark II、PEN E-P6、PEN E-PL8、などフラグシップと主力製品の後継機が期待出来る2016年のOLYMPUSですが、その前に2015年のミラーレス市場でのシェア争いにおいてSONYから国内市場首位奪還が出来るかが来年のOLYMPUSの流れを左右するのかも知れません。
今年の覇者はどちらなのか?これからのOLYMPUSから目が離せませんね!
画像:Amazon
Reported by 正隆