今日は発表が近づいているオリンパスのPEN-F(勿論マイクロフォーサーズの方)の話題です。
あれ?画像が違うのでは?と思われた方もおられるでしょう。アイキャッチはPEN FTです。PEN FよりPEN FTの方が好きなので。
■PEN-F正式発表時期
発表時期に関しては1月27日が予想されています。CP+2016でお披露目かと思いましたが、CP+2016が2月25日から開催ですから、1月27日に発表されるとすれば、その前にサービスセンターや店頭でも見られるかも知れませんね。
■おさらい。そもそもPEN-Fってなに?
OLYMPUS PEN初代機は、昭和34年(1959年)に登場しました。
「6,000円で売るカメラ」をコンセプトに設計を開始し、それを実現したオリンパスペンは、Dズイコーレンズの優れた描写力と携行性の良さを兼ね備え、プロカメラマンのサブカメラとしても重用されました。
その後PEN EE、PEN EES、PEN D、PEN EMと続き、オリンパス社内ではかつて例のないハーフ判の一眼レフができないかという期待が高まってきました。
その少し前から構想を練っていたペン・シリーズの設計者・米谷美久氏は、ハーフ判の画面が縦長になることからフランジバックを短くできるように通常は上にはねあげるミラーを横に開閉する形式の設計を考え、それに合わせてペンタプリズムを使わずポロプリズムで画像を導くファインダーを導入する着想を得ました。
その後チタンを利用したロータリー式のフォーカルプレーンシャッターを開発するなどして、ペンFは1963年5月に発売にこぎつけました。
このロータリーシャッターは、最高速度1/500秒まで画面が全開して露光するため、通常FP級フラッシュバルブを用いなければならないような日中の撮影でも全シャッター速度でエレクトロニックフラッシュが同調するという特徴があります。
またファインダー倍率を高めるために接眼用のルーペレンズを眼から離す必要が生じるため、ファインダー像が全部で4回反射するうちの第3反射面をミラーとして、第4反射面の間にルーペを置くという設計を行なっています。
PEN FTではこの第3反射面をハーフミラーとして、その背後にTTL露出計を置くこととしました。これらの機能的な必然性によって通常の一眼レフカメラなら頂部に配置されるペンタプリズムの突出がなく、しかもレンズがカメラ中央から右手側にオフセットした、ユニークなデザインが実現されこれもまた大ヒットしました。
その後長い時間を経てPENシリーズはマイクロフォーサーズという小型レンズ交換式カメラシステムとして復活するわけですが、OM-Dシリーズと違い現状PENシリーズにはファインダー内蔵型はなく、外付けEVFでの対応となっています。
しかしPEN Fシリーズのようなファインダー内蔵型でありながら軽量コンパクト、かつファインダー部の突起がないカメラへの要望は強く、この度デジタル版PEN Fシリーズが発売されることとなったのでしょう。
■PEN-Fスペック予想
マイクロフォーサーズ版PEN-Fですが、大きな特長としてはデジタル版PENシリーズとしては初のファインダー内蔵型であることが挙げれます。
このEVFに関しては、エプソン製新型EVFパネルULTIMICRON(アルティミクロン)の採用が見込まれており、このEVFパネルの特長をご紹介します。
1.さまざまな環境で視認できる明るさ
透過率・開口率の高いパネル技術と輝度効率の高い白色LEDを使用することで、460cd/m²(※2009年10月時点)という明るさを実現。眩しい日差しの下でも夕闇の中でも、十分な視認性を確保します。
2.十分な視認性を確保できる高精細さ
眼の分解能に迫る微細さで、粒状感のない画をつくり出します。それにより、ピントの山を掴むことができる上、被写体の質感までも表現することができます。
この1画素が有効画素数集まることにより、高精細な画を表示します。ULTIMICRONシリーズ対角0.47インチSVGAパネルは、画素12μmで144万ドットの表示を可能としています。
3.目に優しい自然な色
カラーブレークアップが原理的に起こらないため、撮影者が長時間「見つめて」も、目に優しく美しい表示を実現します。
色順次駆動方式(フィールドシーケンシャル方式)のEVFで発生するカラーブレークアップ現象は、時間によって色を切り替えているため、カメラをすばやく振ったり動きの速い被写体を撮ったりすると色の残像が残ることがあります。
しかしULTIMICRONのカラーフィルター方式であれば、原理的にそのような現象は起きません。その為カメラで被写体を追ったり、流し撮りしても自然で美しい画が表示できます。
ちなみにカラーブレークアップ現象は色順次駆動方式に現れる特有の問題で、画面の動きと観察者の目の動きの相互作用によりRGB3原色の分離が知覚され、発生します。
4.細部まで美しい表示品質
デジタル駆動では再現できない、アナログ駆動ならではの滑らかな階調表現で、自然なボケ味を画に残します。それにより、微妙なグラデーションを自然に美しく表現します。
自然で美しいEVFの実現を目指す「ULTIMICRON」。その中で本新製品は対角0.66インチで世界最高である解像度SXGA+(1400 × RGB × 1050、441万ドット)を実現しています。また色域も従来比で約30%拡大しています。
現在ミラーレスカメラに使用されているEVFとしては最高品質のものがPEN-Fには採用される見込みであるとともに、画質面でもソニー製マイクロフォーサーズ用2000万画素センサーの搭載が予想されています。
今やデジタルカメラ用イメージセンサーとしては世界最高の技術と規模を誇るソニー製新型センサーの画質にも期待大ですね。
またOM-Dシリーズで採用されている5軸手振れ補正は必ず搭載したいところですし、ハイレゾショットをどう進化させるのか?手持ちでも撮影可能にすることが出来るのかも注目です。
■2016年のオリンパスを命運を握る
OM-Dシリーズをヒットさせたオリンパスですが、その反動からかPENシリーズの勢いには陰りが見えており、この2つのシリーズを両立させていくためにも、このPEN-Fはオリンパスの今後を占う上で重要な機種となりそうです。
Reported by 正隆