オリンパスPEN-F(デジタル)のイイところとダメなところ!

PEN-F

ついに正式発表されましてオリンパスの新ミラーレス、オリンパスPEN-F

そのデザインで各メディアのレビューや口コミの評判など話題沸騰中のニューモデルですが、たまには辛口に批評してみたいと思います。



■PEN-Fのここがダメ!


まずデザインですが、「クラシックカメラを現代的にアレンジした」といえば聞こえはいいですが、違うと思います。「クラシックカメラをまともに使ったことがない人が見よう見まねでデザインした」ようにしか見えません。

Leica IIIf

PEN-Fのデザインは割とゴテゴテしており、フィルムのPEN Fとはあまり似ていません。実際にはLeica IIIあたりのバルナックライカを参考にしたのではないかと思っています。

しかしそもそもバルナックライカは後のLeica M3のようなM型ライカと比較すると操作性は良くありませんでした。使いにくいから廃れた操作系を今更真似してはダメでしょう。

PEN-F

なんで今更指あたりが悪いシャッターボタン周りのデザインなのかと思いますし、そもそもこのカメラを使う人の何人が昔ながらのケーブルレリーズなんて使うのでしょう?

ケーブルレリーズのネジ穴など不要だと思います。強いて使うなら、ソフトレリーズボタンでも付ければ良いかも知れません。

9番の位置にあるクリエイティブダイヤルもなぜ使いにくい前面ダイヤルを採用したのか理解に苦しみます。そもそもこの機能にこの位置の専用ダイヤルが必要でしょうか?

仮にデザイン的にその位置にダイヤルを搭載したかったにしても電子ダイヤルにするべきで、見なければ操作出来ないクリエイティブダイヤルを、見なければ操作出来ない位置に持ってくることが良いとは思えません。

この大きさのカメラでボディ前面に使用頻度の低いダイヤルを配置しても、多くの人にとって指に当たってしまいグリップの邪魔となるだけではないでしょうか。

また外観図14番にある電源のON・OFFスイッチもどうかと思います。フィルムの巻き戻しクランクを模した電源スイッチですが、単純に電源スイッチの位置や形状としてどうなのかという気がします。

バッチリー持ちが一眼レフほど長くないミラーレス機では電源はこまめに切りたいもの。スナップ向けのカメラでこの位置とこの形状の電源は実用性を考えると賛成しかねます。

肝心の画質面でも進歩が感じられず、センサーこそ新型になりましたが、中身は従来型のLive MOSセンサーで、フォーサーズセンサーで2030万画素まで上げるならソニー製の裏面照射型センサーを搭載して欲しかったところです。

実写サンプルを見ても低感度・高感度ともにパッとしない印象です。

■PEN-Fのここがイイ!


さて悪口ばかり言ってしまいましたが、もちろん良い部分も多々あります。

まずもってこの大きさと軽さです。

PEN E-P5:122.3(W)×68.9(H)×37.2(D)mm/約420g
PEN-F:124.8(W)×72.1(H)×37.3(D)mm/約427 g

5軸手振れ補正、電子ビューファインダー、バリアングル液晶、数々の物理ダイヤルまで付いて、E-P5と殆ど大きさや重さが変わっていません。縦が3.2mm、横幅が2.5mm、厚みに関してはなんと0.1mmしか変わっていません。

OM-Dシリーズ並みの機能を盛り込みつつ、E-P5とほぼ同等の携帯性はスナップ撮影愛好家には大きな魅力となるでしょう。

また新たな試みとしてファインダーにOVFシミュレーションモードが追加されました。

通常モード

EVF通常

OVFシミュレーションモード

EVFOVFシミュレーションモード

EVFはコントラスト差が大きく、逆光などで黒つぶれしやすく見え味を損ねるという意見を反映して、ダイナミックレンジを拡大させ黒つぶれや白飛びを抑制するHDRのような状態を作り出すモードで、もちろんまだOVFと同じというわけではありませんが、より光学ファインダーに近い見え味を実現したと言えます。

もちろん拡大機能やホワイトバランスの反映、フォーカスピーキングといったEVFならではのメリットを享受でき、EVFはよりOVFとのいいとこ取りに近づいた印象です。

次に手振れ補正です。遂にオリンパス自慢の5軸手振れ補正は5段分まで進化、他社を引き離す勢いで進化しています。

デジタルの高解像化も伴ってフィルム時代そのままの考え方を正しいとは言えない部分もありますが、フィルム時代によく言われていた1/焦点距離(秒)で考えれば、例えばISO3200・SS1/60秒で撮影していたところを、ISO100・SS1/2秒で撮影しても良いということになります。実際にはISO200・SS1/4秒やISO400・SS1/8秒などで撮影しても良いでしょう。

5段分の手振れ補正=シャッタースピード5段分遅くしても必ず止まるという訳ではありませんが、いずれにせよこの非常に強力な手振れ補正はスナップ撮影愛好家にとって心強い味方となることでしょう。

PEN-F

また、PEN-Fは底面のデザインが特徴的で、安いカメラほど往々にして底面がネジや継ぎ目だらけでグチャグチャと汚いのですが、PEN-Fの底面は非常にシンプルでスッキリとしています。

これだけコンパクトなボディでありながら、三脚穴を縁ギリギリとは言え光軸上に持ってきたのは執念の賜物と言えるでしょう。

■PEN-Fは買いか?


発売時ボディ単体で約15万円、12mm/F2.0 レンズキットで約21万円という価格は、ボディを買う価格で同じオリンパスのフラッグシップ機であるOM-D E-M1 12-40mm F2.8 レンズキットが購入でき、レンズキットを買う価格でフルサイズであるSONYのα7 II ズームレンズキットが買えてしまいます。

確かに性能だけを見れば、コストパフォーマンスは発売当初とはいえ特別高いとは言えません。

しかし結局このカメラは「スタイルに惚れられるかどうか」でしょう。

スナップ向けの携帯性、スナップ向けの機能、スナップ向けのスタイル。そのデザインが気に入ったなら、オリンパスPEN-Fはスナップシューターにオススメの一台と言えます。

画像:Wikipedia,OLYMPUS

Reported by 山﨑将方