DPREVIEWにα6300とEOS 7Dの連写時のファインダーブラックアウトの比較動画が掲載されています。
よく「ミラーレスはファインダーがパラパラ漫画になるので動体を追えない」と言われますが、本当にそうなのでしょうか?DPREVIEWが検証しています。
加えてα6300の良いところと悪いところ、静止画・動画・操作性など各項目の評価などもご紹介します。
■α6300と一眼レフ(EOS 7D)の連写時ファインダー比較
一眼レフフラッグシップ機に比肩するオートフォーカス
α6300のFE 70-200mm F4 G OSSを使用したコンティニュアスAFテストは非常に印象的でした。
不規則に動きながらカメラに向かってくる被写体をフォーカスし続けた場合、中央部だけでなく周辺部のAFセンターでも被写体を秒間8コマで追尾することが出来ただけでなく、非常に高いヒット率を記録しました。
D5やEOS-1D X Mark IIならα6300に匹敵するオートフォーカスパフォーマンスを発揮出来るかも知れませんが、それでもα6300のように画面周辺部まで被写体を追い続けることは出来ないでしょう。
実際のスポーツシーンでは、他の選手との交錯などもあるため、より条件は厳しくなることを考慮する必要があるかも知れませんが、それでもα6300は秒間8コマの連写において、非常に優れたAF性能を発揮しました。
ポートレート撮影でも使いやすいオートフォーカス
ポートレートのような人物撮影においても優れたAF性能と顔認識をもったα6300ですが、眼鏡をかけた人物の場合は、瞳そのものではなく、メガネのガラスにピントを合わせてしまう傾向がありました。
とは言え、人物撮影においてもα6300のオートフォーカス性能は信頼に値するもので、効率的に動作します。
一眼レフ上級機を凌ぐ短いブラックアウトタイム
秒間8コマのモードでは、ライブビュー映像を表示しながらの連写が可能で、APS-Cフラッグシップ機であるEOS 7Dよりも連写時のブラックアウトの時間は短く、映像を確認し続けることが可能ですが、まだ一眼レフの光学ファインダーの与える感覚と同じとは言えないでしょう。
連写中のファインダー映像は動体と言うより、単一の画像のような感覚は相変わらず感じるものの、α6300の動体時のEVFの挙動は従来機よりも大幅に改善されており、これは「小さな一歩」ではなく「大きな飛躍」と言っても良いでしょう。
■α6300の長所
- JPEGおよびRAWの両方に優れた静止画の画質
- APS-Cセンサー機で最高の高感度性能
- 広いダイナミックレンジ
- クラストップレベルのオートフォーカス性能
- 高いビデオ品質
- 充実したビデオサポート
- 一体構造
- USB充電への対応
- サードパーティ製レンズのサポート
■α6300の短所
- タッチスクリーンの非搭載
- 分かりづらいメニュー体系
- カスタマイズ性の低さ
- 操作し難いセカンドダイヤルの位置
- 動画時に不規則に追いかけがちなオートフォーカス
- 被写体から外れやすいターゲットAF
- 制限のかかる連写
- 敏感に反応し過ぎるアイセンサー
- オーディオモニタリング用ヘッドホンソケットの非搭載
- 連続撮影時やサイレントシャッター時に12bit記録に落ちてしまうこと
- 動画撮影時に熱停止してしまう
■α6300の総合評価
非常に詳細なレビューであるため全てを書くことは出来ませんが、要点を掻い摘んで御紹介します。
α6300の魅力
α6000はNEX-7からコストカットましたが、α6300は再びクラスアップし、このクラスをリードする性能を有している。
α6300は素晴らしい画質とオートフォーカス性能、さらに優れた動画性能など、多くの面で改善されているが、動画性能はPanasonicのGX・GHシリーズだけが比肩しうるものとなっている。
あなたが素晴らしい画質、優れたオートフォーカス、一流の動画性能を求めているなら、α6300は最強のオールラウンダーカメラとして活躍するだろう。
α6300の操作性
操作系に関しては右肩に使いやすいダイヤルと上手く配置されたボタンがあるが、サブダイヤルは指を大きく動かさなければ操作することが出来ないのはこの価格帯のカメラとしては残念。しかしそれでもα6300はさまざまな設定をスピーディーに行うことが出来る。
ファンクションメニューなどのカスタムボタンの不足はストレスが溜まるのでα7シリーズの方が操作系として優れている。またメニューのグループ訳は理解しづらくしかも長いため必ずしも分かりやすいとは言えないだろう。
α6300のオートフォーカスとファインダー性能
純正レンズを使用した場合、α6300のオートフォーカスは非常に印象的です。
巨大なAFエリアは非常に柔軟に機能します。α6300は秒間8コマの連写中も快適なファインダー映像を実現しながら、ファインダーの表示に関して一歩前進したと言える。しかし、プロ用一眼レフ機の光学ファインダーに完全に追いついたとは言えない。
α6300の画質
α6300の画質はどのようなユーザーに取っても良好と感じられる結果となるでしょう。α6300のオートフォーカス性能と画質はどのメーカーのAPS-C機と比較しても劣らない。
α6300のRAWファイルは電子シャッター時は12bitモードに落ちてしまいますが、ダイナミックレンジはAPS-C機として十分です。JPEGは素晴らしくと言うほどではないが良好。
特にノイズリダクションは優秀で、不快なノイズを排除しつつ、ディテールもよく残しています。
α6300のビデオ性能
PanasonicのGX・GHシリーズはα6300と比肩しうる唯一の競合機ではあるが、α6300のより大きなフォーマットセンサーはより広い撮影条件下に対応しています。
6Kの撮影領域出力される4Kは高感度領域でも低ノイズでディテールも豊富で、一眼レフやミラーレスのライバルの多くを凌駕していますが、タッチパネルの非搭載は残念です。
総評
α6300に優れたオールラウンドカメラ。静止画はこのクラストップ。またオートフォーカスも同様で、動画品質はこの価格帯では比類ない性能です。
操作性に関しては疑問がありますが、それを忘れてしまうほど私は撮影を楽しむことが出来ました。
α6300は静止画・動画を撮影する人にとって途方もない性能を持ったカメラです。オートフォーカスは非常に印象的ですし、4Kビデオは比類無きものです。
■α6300のオートフォーカスは?
レビューによるとα6300のオートフォーカスは一眼レフと比較しても、もはやD5やEOS-1D X Mark IIのようなプロスポーツ向けフラッグシップと比較してどうかというレベルまで来ているとのこと。
またEVF特有の連写時のパラパラ漫画のような表示に関しても、ファインダー像の消失時間はAPS-Cフラッグシップ一眼レフ機であるEOS 7Dと比較しても明らかに短く、動いている映像を長い間見続けられるのはむしろα6300の方とのことですが、同時に連写時に止まった静止画が一瞬表示されるのは変わっていないようです。
しかしそれでもその時間が非常に短いために、スライドショーを見せられていたような以前の電子ビューファインダーと比較して、動体でもかなり光学ファインダーに近い見え味になったと言えるでしょう。
動画:DPREVIEW
Reported by 正隆